2026年区議会第二回定例会 一般質問

2026年6月22日

日本共産党中央区議会議員  奥村暁子

【質問項目】

  1. イラン攻撃による物価高騰・資材不足に対する支援について
  2. 市街地再開発事業について
  3. 賃上げ支援について
  4. エアコン購入費助成について
  5. 小児発達障害の支援体制について

 日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。

1.イラン攻撃による物価高騰・資材不足に対する支援について

 始めにイラン攻撃による物価高騰・資材不足に対する支援について質問します。
 6月19日、米・イラン両国が戦闘の即時・恒久停止を含む覚書に署名し発効しました。2月28日に米国とイスラエルによる国際法違反である先制攻撃で始まった戦争がようやく停止することになりました。即時かつ恒久的な停戦、ホルムズ海峡の開放、および今後の交渉の枠組みについて、署名内容が確実に履行され、国連憲章と国際法に基づく問題の最終的な解決につながることを強く望みますが、署名後もイスラエルによるレバノンに対する激しい空爆が続き、イラン側がホルムズ海峡の再封鎖を発表するなど予断を許さない状況が続いています。
 この間、ホルムズ海峡が事実上封鎖され、エネルギー価格の高騰や物価高騰に留まらず、石油を原料としたナフサ由来の製品の入手が困難な状況が発生し、深刻な影響が全国的に広がってきました。
 区民や事業者の方からは、「どんどん物価が上がってこのままじゃ生きていけない」「スーパーには値引きシールが貼られる遅い時間を狙って行っている」といった声や、飲食店では「食料品の包装紙や容器のコストが高くて大変」、クリーニング店では「洗剤やビニールなどが不足している」、印刷所では「インク不足で仕事にならない」などの声が寄せられています。コロナ禍以上に深刻だというのが共通した意見となっています。
 国は、ホルムズ海峡を通過しない原油の代替調達を進めており、石油製品は来年春まで供給を確保していると説明しています。「流通の目詰まり」が問題で、その解消に努めると言いますが、目詰まりでは説明できない資材不足が現にあります。
 区として、区民のいのちとくらし、営業を守る緊急対策が必要ではないでしょうか。
 日本共産党区議団は、6月4日、区長に対し、緊急要望書を手渡し、申し入れを行いましたが、改めて対策を求めます。
 第一に、イラン攻撃による物価高騰や資材不足、燃料費の値上げ等について、区民や、区内中小事業者、医療機関等の実態調査をおこなうとともに、事業者向けと区民向け双方の相談窓口を設置することを求めますが、いかがですか。
 第二に、品川区は、「ホルムズ海峡の封鎖などによる中東情勢悪化によるエネルギー価格の高騰」や「政府による電気・ガス料金の支援事業の3月での終了」などを踏まえ、区独自の対策として補正予算を組みました。「しながわ電気・ガス料金緊急支援事業」として、区内24万の全世帯を対象に、6~9月の4カ月間にひと月あたり1,000円、計4,000円を補助します。また、区内全業種の中小企業や事業者を対象に「省エネルギー対策・業務改善設備更新助成金」として、製造機器や冷暖房機、ボイラー、検査機器、冷凍・冷蔵庫などの厨房機器、フライヤーなどの調理機器、製氷機、レジスターや食券機、昇降機、大型特殊車両等々の省エネ設備機器への更新などのために、80万円を限度に対象経費の8割を助成します。中央区でも、こうした区民向け、事業者向けの支援策を講じるよう求めますが、いかがですか。
 第三に、医療機関や介護施設、中小事業者等、物価高騰や資材不足の影響を受けている事業者に対し、区として固定費や燃料・光熱費等への助成制度を設けることや、給付金や休業補償の検討を行うよう求めますが、いかがですか。
 第四に、住民税、固定資産税、国民健康保険料の支払いが困難な区民に対し、支払い猶予などを案内するとともに、丁寧に相談に応じることを求めますが、いかがですか。
 第五に、中小事業者に対し、区独自融資の要件緩和や、返済猶予、相談体制の強化等、できうる対応策を検討し、実施することを求めますが、いかがですか。金融機関に対しても、返済について丁寧に応じるよう求めることを要望しますが、いかがですか。
 中野区は、中小企業に対し、実質無利子・無担保融資のいわゆるゼロゼロ融資である「中東情勢対応資金」を6月1日から実施しています。中東情勢に伴う原油・原材料価格の高騰などで資金繰りに支障が生じている区内の中小企業及び組合を対象に、運転資金を最大2000万円まであっせんするもので、その際の、利子分と信用保証料を全額区が補助します。中央区でも「ゼロゼロ融資」を行なうことを求めますが、いかがですか。
 第六に、国に対し、原材料・建設資材・医療物品の供給安定化、価格高騰対策等、必要な支援策を求めることが必要だと思いますが、いかがですか。コロナの際の持続化給付金などの支援を行うよう求めるべきだと思いますが、いかがですか。
 それぞれお答えください。

2.市街地再開発事業について

 次に市街地再開発事業について質問します。
 まず、日本橋室町一丁目市街地再開発事業についてです。
 区内各地でさかんに行われている市街地再開発事業ですが、日本橋地域では首都高速道路日本橋区間の地下化工事にかかわり、周辺で5つの市街地再開発事業が行われています。
 その内の1つである「日本橋室町一丁目市街地再開発事業」は、都市再生特別地区として店舗や事務所、住宅等の用途として開発されるもので、2022年6月に再開発組合が設立され、2019年に都市計画決定された後、現在、既存建物の解体工事が進められています。
 この再開発は、区道を廃道とし、容積率は実質1950%、敷地面積4800㎡、延べ面積11万6100㎡、高さ173mの巨大ビルを建てる計画で、地権者は49人となっています。その権利者の1人の方から日本共産党区議団に、大変苛烈な権利変換の実態が明かされました。
 権利者の方は、これまで延床面積1281㎡のビルを所有し賃貸経営をしてきましたが、再開発後は権利変換により床面積は65%も減らされ447㎡になります。
 土地の行方はさらにすさまじいものがあります。権利者の方は再開発前には所有権で32㎡と借地160㎡の上にビルを建てていましたが、この地域は借地権割合が90%なので、仮に所有権換算とすると176㎡の所有権敷地にあたります。これが権利変換により、なんと94%にあたる164㎡をはく奪されて、共有持ち分権はわずか12㎡に激減してしまいます。
 これだけ高い地上げ率は、国家戦略特区、都市再生特別区として容積率を超規制緩和したことにより実現したもので、膨大な保留床をデベロッパーが仕入れ、莫大な利益を得る構図のなかで、権利者の不利益が生まれています。
 大幅に縮小された床面積では、これまで通りの事業は継続できず、納得できない場合には転出せざるを得ない状況に追い込まれ、転出先でもこれまで通りの事業ができる保証はありません。
 納得ができない権利者に対し、事業遅延損害に対する何十億円という賠償請求まで行い、明け渡しの強制執行をするという手法がまかり通るのは許しがたいことです。
 市街地再開発に頼れば、確かに手元に資金がなくとも中小ビルオーナーは、新しくビルの床を手に入れることはできますが、それは自分の土地財産の7~8割を手放すことによって可能になります。従前の床面積を確保できる保証はなく、従前通りのビル使用・経営ができることはほとんど期待できません。
 ほとんどの場合、中小ビルのオーナーは、従前の事業経営を継続できず、賃貸収入だけに頼る、単なる不動産の所有者なってしまい、しかも、50年も経たないうちにビルの価値は摩滅し、残るのはほんのわずかの土地不動産ということになります。
 こうした不利益を被る事実や市街地再開発事業の仕組みについて、きちんと権利者に伝えていく責任があるのではないでしょうか。
 そこでお聞きします。
 第一に、室町一丁目市街地再開発事業について、2月の「築地等都市基盤整備特別委員会」では、等積ではなく等価交換なのだからやむを得ない旨の答弁がありました。再開発後のビルの価値が上がる分、床面積や土地の持ち分権が少なくなるのは当然だということだと思いますが、あまりに不公正ではないでしょうか。
 権利変換によって中小地権者が取得する床面積、いわゆる権利床が3分の1にまで縮小されるような不公正な取引きを正す必要があると思いますが、いかがですか。
 第二に、室町一丁目市街地再開発事業のように、これまで区が行ってきた市街地再開発事業で、権利床が減少したケースはどれ位ありますか。その際、納得がいかない権利者や住民に対し、区はどのように相談に対応し、どのように不公正を正すための対応を取ってきたのかお示しください。また、これまで区が市街地再開発事業を進める際、権利者がこうした不利益を被ることをきちんと説明してきたのか、という点についてもお答えください。
 第三に、住民や事業者のくらしと営業を守るためにも、市街地再開発偏重のまちづくりを見直すことを求めますが、いかがですか。
 それぞれお答えください。

 次は築地一丁目地区の市街地再開発事業について質問します。
この再開発は、2017年に準備組合が設立され、現在、検討中となっていますが、2024年9月に都議会の環境・建設委員会で公表された「計画建物イメージ」という参考資料によると、A街区、B街区として2つの高層ビル建設が計画されており、「多世代が住み続けられるまちづくりの推進に向けた特別養護老人ホーム・アフォーダブル住宅等の整備」が計画されています。
東京都が官民連携ファンドを創設し、子育て世帯や新婚世帯を対象に供給するのがアフォーダブル住宅ですが、住宅費の高騰が続く中、この再開発の中で計画されているアフォーダブル住宅を、住宅に困窮している方たちの支援として充実させていくことが大変重要ではないでしょうか。
そこでお聞きします。
第一に、築地1丁目地区市街地再開発事業で計画されているアフォーダブル住宅はどれくらいの供給数となる予定ですか。区民を優先させる仕組みとするよう、地元区として東京都に求めるべきだと思いますが、いかがですか。また、アフォーダブル住宅の家賃は相場の8割程度ということですが、決して安い家賃とは言えません。もっと家賃を低減させていくことを東京都に求めたり、中央区として独自に支援するなどして、区民に供給することを求めますが、いかがですか。
第二に、アフォーダブル住宅に限定せず、子育て世代以外にも高齢者や生活保護世帯などが住める低廉な家賃の住宅を整備することを求めますが、いかがですか。
それぞれお答えください。

3.賃上げ支援について

 次は賃上げ支援について質問します。
 労働者の実質賃金は、30年以上もの長期にわたって減り続け、物価高騰が追い打ちをかける中、日本共産党区議団はこれまで、岩手県や徳島県が独自に行っているような中小企業等への賃上げ支援を東京都に求めることや、区として公契約条例を制定し報酬下限額を制定すること、非正規雇用の縮減などを求めてきました。どれも、働く人の懐を温め、消費を増やし、経済回復への好循環をつくるために必要な取り組みだと思います。
 今年4月から、豊島区は、区内の中小企業・個人事業主が従業員の賃上げを行った場合に、従業員1人あたり5万円(最大50万円)を給付する「としま賃上げ促進支援金」制度を始めました。
 住民税非課税世帯への給付金などと同様、事業者向けの支援策の必要性を感じていたという豊島区が、約4億円の予算を組み取り組んでいるこの事業は、給料を上げないと人材確保が難しいという中小企業の困りごとを解決し、支援金を通じて事業継続と従業員の生活向上を支援するものです。
 商工会や産業団体などを通じての周知や、区の窓口にこれまで1回でも相談に来た事業者に対してはメーリングリストで一斉送信でお知らせするなどして制度の周知に努めており、現場からも喜ばれているとのことです。
 そこでお聞きします。
 豊島区のように、区が中小企業の賃上げを直接支援する制度を設けることを求めますが、いかがですか。お答えください。

4.エアコン購入費助成について

 次にエアコン購入費助成について質問します。
 東京都は、温室効果ガス排出ゼロを目指す「東京ゼロエミポイント」事業の対応店舗で、省エネ性能の高いエアコンを購入した場合に助成が受けられる制度を昨年度から実施しており、対象である満65歳以上や障害者手帳を持つ人は実質8万円の値引きを受けられます。
 今年度は新たに、生活保護世帯や低所得世帯に1世帯あたり10万円が助成される「低所得世帯向けエアコン設置区市町村緊急支援事業」が始まりました。「東京ゼロエミポイント」事業との併用も可能となっています。
 中央区では、都のこうした助成事業にさきがけ、2024年12月に中央区独自のエアコン購入費助成開始のための補正予算が組まれ、既に事業が実施されており、先の都事業と同様に「東京ゼロエミポイント」との併用も可能です。
 他自治体でも、エアコン購入費助成制度が拡大しており、毎年、猛暑日、酷暑日の最多記録が更新され、熱中症の救急搬送が増加する中で、この制度が多くの命を守っていることは大変大事なことだと思います。
 しかし、今、「エアコンの2027年問題」によって、低価格エアコンがなくなることに不安の声が広がっています。
 国は2022年、省エネ基準について、従来より34.7%改善する新基準を策定しましたが、これに伴い、基準を満たさない従来型の「安いスタンダードモデル(5?6万円台)」は製造・販売ができなくなり、市場から姿を消していくことが懸念されています。2027年から家庭用の壁掛け方式を手始めに順次適用していくとのことです。
 現在、新基準を達成している機種は、6畳用で20万円を超える高級種ばかりで、10万円未満で6畳用などの低価格帯のものだと未達成機種しかありません。
 省エネ推進自体はよいことですし、新基準の適用機種は高額でも電気代などの維持費は安くなるので、経済的負担は結局は軽くなると言われています。しかし、最初の購入費を用意できない人、世帯は、購入を断念せざるを得ないのではないかと危惧します。
 エアコンの使用の有無は命にかかわります。メーカー側も社会的責任を自覚して、製品開発と価格設定にあたるべきではないでしょうか。
 そこでお聞きします。
 第一に、中央区のエアコン購入費助成制度の実施が始まって以降の利用者数についてお示しください。また、同制度の需要と意義についてどのように捉えていますか。
 第二に、省エネ新基準を満たすエアコンの購入に対応できるよう、中央区のエアコン購入費助成の助成額を拡充することを求めますが、いかがですか。また、中央区の助成対象世帯は「住民税非課税世帯」と「生活保護を受給中の世帯」に限定されていますが、23区中15区が「住民税均等割のみ課税世帯」や「児童扶養手当受給世帯」も対象としています。幅広い方がエアコンを購入できるよう、対象の拡大を求めますが、いかがですか。
 第三に、中央区のエアコン購入費助成は、「償還払い」方式となっており、利用者が一旦は自己負担で購入資金を用意しなければならないことが低所得の方にとって大きなハードルとなっています。応急小口資金や生活福祉資金という貸付制度はあるものの、支給まで時間がかかるため、新宿区や杉並区、目黒区、江東区などではこうした課題解消のため、「代理受領払い」による対応を取っています。「代理受領払い」とは、自治体から支給される補助金を、申請者本人に代わって家電量販店など販売・設置事業者が直接受け取る制度で、まとまった購入資金を事前に用意するのが困難な世帯の負担が軽くなります。中央区でも同様の制度を設けることを要望しますが、いかがですか。
 第四に、メーカーに対し、低価格の新基準達成機種の開発に取り組むよう、国として指導することを求めるべきだと思いますが、いかがですか。
 第五に、多くの民間賃貸住宅では大家がエアコンを設置しています。公共住宅でも大家である自治体などが設置・買い替えをすべきではないでしょうか。中央区として区営住宅などに設置すること、東京都に対しても都営住宅などへの設置を求めるよう要望しますが、いかがですか。
 それぞれお答えください。

5.小児発達障害の支援体制について

 次に小児発達障害の支援体制強化について質問します。
 発達障害は、子どもの時期に見つかる場合もあれば、大人になってから見つかる場合もあり様々ですが、小児の発達障害については、早期に適切な支援に繋げることが重要です。
 支援を必要とする子どもたちは増加している一方、医療の受け皿が足りていない状況があります。
 目黒区は、診療に対応する医療機関が少なく、初診待ちの長期化等が課題となっている中で、発達に不安のある子どもと保護者の支援の充実に繋げるため、2026年3月に目黒区内にある「厚生中央病院」と協定を締結しました。
 同病院の小児科内に、小児発達障害の専門外来日を設けて、目黒区民を優先して受け付ける仕組みで、運営に必要な経費として2026年度当初予算で 3,019万円を補助する、23区で初の取り組みです。
 中央区では、発達障害の診療に対応する医療機関として、聖路加国際病院と5つのクリニックがありますが、児童精神科は非常に需要が高く、初診の予約枠が制限されており、発達検査まで時間がかかることが一般的です。
 速やかな診療により、福祉施設や教育施設等と連携をすすめ、子どもの適切な支援に繋げていくことは大変大事ではないでしょうか。
 そこでお聞きします。
 第一に、中央区の発達に不安のある子どもの潜在的な人数、発達障害があると診断されている子どもの人数、また、その増減など、現状についてお示しください。診療機関の過不足や診療かかるまでの待機時間についてはどのように把握していますか。中央区の「子ども発達支援センターゆりのき」で面談や療育指導などを受けるまでにはどれ位の時間がかかりますか。
 第二に、早期の診療につなげるため、目黒区のように、例えば聖路加国際病院と協定を結び区内優先枠を設けるなど、支援強化を求めますが、いかがですか。
 それぞれお答えください。

 以上で1回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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