2026年2月26日
日本共産党中央区議会議員 奥村暁子
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日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。
はじめに国民健康保険料について質問します。
国民健康保険の加入者は、約4割が年金生活者などの無職、約3割が非正規雇用で、それ以外の加入者もフリーランスや請負など低所得者が多数を占めていますが、いま、年金、医療、介護などの社会保障改悪による負担増と繰り返されてきた消費税増税、さらに異常な物価高騰が続くもとで、高すぎる国民健康保険料が加入者の生活苦に拍車をかけています。
そんな中、さらに国は来年度から、児童手当の拡充や「こども誰でも通園制度」などの施策の財源として、新たに「子ども・子育て支援納付金」を、国民健康保険や後期高齢者医療保険、協会けんぽ、健保組合、共済組合など、独身者や高齢者を含めた全世代の医療制度の保険料に上乗せして徴収します。
2024年に行われた「子ども・子育て支援法」の改定にもとづいて徴収されることとなった「子ども・子育て支援納付金」ですが、政府によると、各医療制度からの納付金の総額は、制度が完成する2028年度に1.3兆円の見込みとなっており、来年度(2026年度)はその6割程度、2027年度は8割程度と、段階的に納付金の負担を増やしていく方針です。
また、子ども家庭庁が昨年末に公表した「年収別試算」では、協会けんぽや健保組合などの被用者保険に比べ、国保の方が「子ども・子育て支援納付金」の負担が重くなることが分かっています。さらに国保の「子ども・子育て支援納付金」部分だけ、18歳未満の均等割をゼロとし、その分が18歳以上の加入者の負担となるため、子どものいない世帯の方が割高になるという問題も抱えています。
昨年11月、東京都は「子ども・子育て支援納付金」分(91億円)を含む2026年度の国民健康保険料の暫定案を公表していますが、今年度比で119億円も増額することが明らかになっています。
また、国の方針に沿って保険料の都道府県単位での「完全統一」をめざしつつ、2030年度まで保険料を納付金ベースで統一化することを計画しており、各自治体が保険料を抑えるため独自に行っている一般財源から国保会計に繰り入れる「法定外繰入」の削減を押し進めています。来年度には繰入をゼロにするとしているため、国保料の値上げが深刻です。
高すぎる国保料は被保険者の負担能力の限界をはるかに超えています。
国保制度が社会保障として住民の命と健康、暮らしを守るという本来の役割を果たすため、あらゆる努力で保険料の大幅値上げを抑え、軽減に踏み出すべきです。
そこでお聞きします。
第一に、中央区の新年度の国保料はどうなりますか。「子ども・子育て支援納付金」はどの位の負担となりますか。
第二に、子育て支援は重要ですが、その財源は「子ども・子育て支援納付金」として国保料などの医療保険に上乗せして徴収するのではなく、国として財政措置すべきだと思いますが、いかがですか。
第三に、東京都に対し、「法定外繰入」の解消を強要しないよう求めるべきだと思いますが、いかがですか。また、中央区として独自に法定外繰入をさらに投入し、保険料を引き下げるよう求めますが、いかがですか。
第四に、国保料にだけ、家族の人数に応じてかかる「均等割」があるため、中小企業の従業員らが加入する協会けんぽと比べ、家族が多いと2倍にも高くなっています。今回導入される「子ども・子育て支援納付金」部分については18歳未満の均等割はゼロとなりますが、その他の均等割保険料全体を、2022年度から実施されている未就学児の5割軽減だけでなく、18歳まで対象を拡充あるいは廃止するよう、国、東京都に求めることを要望しますが、いかがですか。
第五に、国保財政の運営主体である東京都に対し、保険料大幅引下げのための都独自の財政支出を行うよう求めるべきだと思いますが、いかがですか。また、国に対しても協会けんぽ並みの保険料に引き下げるため、減らし続けてきた国庫負担を増やすよう求めるべきだと思いますが、いかがですか。
第六に、国保料の大幅値上げにつながる都道府県単位の「完全統一」は止めるよう、東京都に求めるべきだと思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
高すぎる国民健康保険料の滞納が問題になっている中、政府は4月から、海外から帰国した日本人の国保料1年分を前納させる制度を実施します。この制度は外国人の国保滞納対策と併せて行うもので、希望する自治体に限定されますが、政府の外国人対策が日本人にも影響をもたらすことになります。
厚労省の説明資料では、入国初年度の国保料を前納することや前納されない場合の督促、在留審査時に収納情報を活用することを盛り込むと同時に「内外無差別の観点で、帰国した日本人にも同様の扱いとする」と明記されています。
政府が行った外国人の滞納状況を独自に把握している150自治体への聞き取り調査では、外国人のうち滞納者の割合は37%で、同じ自治体の日本人も含めた全体の滞納率は7%とのことでした。
一方、国内全体の国保加入者のうち外国人は4・0%で(23年度)を占めるのに対し、医療費に占める外国人の割合は1・39%に過ぎません。加入割合よりも医療費割合が低いのは、国保に加入する外国人は20~30代の学生や若い労働者が多く、健康で受診機会が少ないためです。結果として国保制度の支え手になっている側面があります。
厚労省は滞納件数や金額ベース、世代ごとなど、日本人と外国人を比べるデータを明らかにしない中で、ことさら外国人の滞納だけを問題視する対応は、人を属性で差別することにつながりかねません。滞納せざるを得ない事情がある人の生活実態に寄り添った対応が求められます。
そこでお聞きします。
第一に、中央区で外国人の国保滞納率はどれ位ですか。日本人との比較データはありますか。
第二に、この国保料の前納制度が外国人差別につながりかねないことを危惧します。実施の判断は自治体に任されますが、中央区では実施しないよう求めますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
次にシルバーパスの負担軽減についてについて質問します。
70歳以上の都民が都営交通や都内の民営バスを利用できる「東京都シルバーパス」は、「高齢者の福祉の向上を図ること」(シルバーパス条例)を目的に発行されており、住民税非課税者などは年間1,000円、住民税課税者は年間2万510円でしたが、昨年10月から東京都が住民税課税者のシルバーパスを1万2000円に値下げしました。この値下げを受けて、荒川区は区独自に1万1,000円を助成し、一律1,000円で購入できるようさらなる軽減を行いましたが、それに続き墨田区も今年10月からシルバーパスを一律1,000円にするとのことです。港区や江東区もシルバーパス値下げを新年予算で実施します。
墨田区はこの事業の目的について「高齢者の外出機会を増やし、孤立防止やフレイル予防、健康寿命の延伸」に役立てたいとのことです。
そこでお聞きします。
昨年の区議会第三回定例会でも要求しましたが、中央区でも他区のようにシルバーパス購入の負担を軽減するよう求めますが、いかがですか。また、東京都に対しても、全面無料化または所得にかかわらず一律1000円にするなど軽減策を要望するよう求めますが、いかがですか。お答えください。
次にバス交通の維持・拡充について質問します。
2024年4月、自動車運転手の働き方改革の一環として、拘束時間や休息時間など労働基準が改正され、運行ダイヤの維持のために、これまで以上にバス運転手が必要となってきていますが、現在、各地で運転手不足などを理由としたバスの減便・路線廃止、事業者の撤退が各地で大きな問題となっています。
東京都都市整備局は、1月30日、運転手不足の深刻化を踏まえ、地域公共交通ネットワークの再編などの取り組みを示した「地域公共交通の基本方針」中間まとめを公表しました。
その中では、交通事業者が主要なバス路線を中心にサービス水準を確保しつつ、区市町村のコミュニティバスのルート見直しや、大型2種免許が不要な車両への小型化をはかるなどし、運転手不足への対応や運行効率の向上を進めることで、地域公共交通全体の再構築を促すことが盛り込まれています。
自治体の努力として、葛飾区はバス運転手の確保や定着促進に向けた待遇改善や採用活動を積極的に行うバス事業者の支援事業を行なっており、女性が働きやすい職場環境を整えるための費用も支援し、葛飾区内のバス交通の維持・充実をめざしています。
その支援内容は、大型自動車第二種運転免許保持者の住宅手当や借上住宅費の助成、インターネットや情報誌への求人広告掲載など人材募集に関する活動費用への助成、更衣室や休憩室の整備など女性バス運転手が安心して快適に働くための環境つくりへの助成などです。
中央区はコミュニティバス、通称・江戸バスの運転手や整備士確保のため、運行事業者である日立自動車交通に対し運転手の賃金アップのための補助を行っています。今年度は7%の賃上げを行なったとのことですが、それでも昨年夏には土日が減便になるなど運行に影響が出ている状況にあります。コミュニティバスだけでなく都バスやBRTなどのバスの減便を防ぎ、人口増によるバス利用者増の需要に応えていくためにも、さらなる運転手確保策を区独自に、また東京都と連携するなどしてすすめることが必要ではないでしょうか。そこでお聞きします。
第一に、コミュニティバスや都バス、BRTなど区内のバスの運行状況について、区民ニーズを十分に満たしているとお考えですか。改善が必要だと思いますが、いかがですか。
第二に、バスの運転手の高齢化も深刻だと思いますが、江戸バスの運転手の年齢はどのようになっていますか。葛飾区のように住宅支援や求人活動への支援、職場環境の改善など幅広い運転手確保策を講じ、江戸バスも含むバスの路線や本数の拡充が必要だと思いますが、いかがですか。
第三に、江戸バスについて、区民からは長らく逆ルートの運行が要望されていますが、その実現のためにもバス運転手は欠かせません。支援の拡充で運転手を確保し、逆ルートを早期に実現することを求めますが、いかがですか。
第四に、東京都がコミュニティバスを中心としたネットワークの再編を進める方針を示している今こそ、都のコミュニティバスへの補助制度の改善を求めていくべきではないでしょうか。運行費補助制度における「運行開始から3年限り」という年限の撤廃や、「既存のバス停や鉄道駅から半径200m以遠を走行すること」などの要件の緩和、また車両購入費補助における「新規導入1路線1区域あたり」「単年度での補助対象路線は1路線」といった要件を見直すことなど、都に求めるべきだと思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
次に、教育費負担の軽減について質問します。
これまで、日本共産党区議団は、憲法26条に明記されている「義務教育は、これを無償とする」という立場で、全ての子どもに豊かな教育を保障し、保護者の教育負担を軽減するよう繰り返し求めてきました。
品川区が区立小・中学校の児童・生徒を対象に絵の具や習字セットなど学用品について所得制限を設けず全額無償としていることや、江戸川区が実施している小学1年生の算数セットのようなある時期しか使用されないものなどを公費で購入してみんなで使う学用品の共同利用の取り組みなど先進事例を示してきましたが、こうした教育費負担軽減を行う自治体が広がっています。
千代田区や港区、台東区は補助教材や学習教材を無償化、墨田区や葛飾区は移動教室や副教材費を無償化しており、江東区も26年度から修学旅行や移動教室を無償化、中野区も26年度から教材費を無償化します。品川区は中学生制服を無償化、足立区は修学旅行の無償化に加え、26年度からランドセルや制服、上履きなど入学時に必要な物品購入費を1人10万円支給するなど、各地で負担軽減策が展開されています。
また、中野区では千代田区や足立区が既に実施している区独自の給付型奨学金制度をスタートするとのことです。
昨年6月には文部科学省が全国の自治体に対し、保護者等の経済的負担を軽減させるため、地域の実情に応じて積極的に取り組みを検討するよう求める通知を出しています。
そこでお聞きします。
第一に、学用品などの保護者負担軽減を求める文部科学省の通知を、区はどのように受け止めていますか。
第二に、都内各地で学用品無償化や奨学金制度による学費負担軽減などが進んでいることを、区はどのように捉えていますか。中央区でもこうした教育負担軽減を積極的に実施するよう求めますが、いかがですか。お答えください。
次はデジタル教科書の導入について質問します。
学校現場で急速にデジタル化が進んでいますが、今、タブレットやパソコンによる「デジタル教科書」の導入について、脳科学の視点から問題視する声が広がっています。
デジタル教科書とは、紙の教科書の内容をタブレットやパソコンで閲覧・利用できるように電子化した教材で、文字の拡大や読み上げ、書き込み機能などが備えられています。
2019年に改正された学校教育法で「教科書の代替」として利用可能になり、2024年度から小学5年生~中学3年生の英語で導入されています。
文科省は、2030年度からの小学校教科書の全面改正に向け、現在の紙の教科書からデジタル教科書に順次転換する方向で、中央教育審議会で審議してきました。そのなかで、デジタル教科書に全面転換した場合の問題点が多くの委員から指摘され、「紙かデジタルか」に加えて「そのハイブリッド(併用)」の選択肢も加えられ、採択は各地方自治体に委ねる、との方向が決まりました。
今年度中に関連法案が国会で審議され、その後、教科書の政策に入り、2029年度から自治体での小学校教科書の採択が始まる予定となっていますが、教科書会社にとって、デジタル教科書の製作作業と制作費は大きな負担となることも課題のひとつです。
「読む・書く・考える・伝える」という国民の言語活動を支援する「財団法人文字・活字文化推進機構」は、デジタル全盛の時代に考える力を育むには、まとまった文章を読むことが不可欠で、紙の教科書こそ適している」という意見書を中央教育審議会に提出しています。
スマホやタブレットなどの学習には、アプリや問題解決のための手順であるアルゴリズムが注意を奪い、学習目的が途切れやすく、集中力がそがれるという構造的な弱点が指摘されており、紙媒体での読み書きの方が理解や記憶、特に概念レベルの認識には優れているという国内外の研究結果もあります。スウェーデンなど教育先進国では紙教材や手書き、紙での読書を重視する教育へと、舵を切り直しています。
昨今、日本の教育現場ではAIやICTを活用し、一人ひとりの能力や興味、関心、学習進度などに合わせた「個別最適な学び」が強調されていますが、子供の言語能力と思考力を育むことは、民主主義の土台となり、社会の未来そのものです。科学的知見にもとづき、教育施策の急速なデジタル化について、問い直すことが必要ではないでしょうか。
そこでお聞きします。
第一に、新しい技術を有効に活用することは重要であり、デジタル教科書は音声や動画などと一体で活用できるため、英語や理科・算数などでの学習効果が期待される面があります。文字の拡大や読み上げの機能などは視覚障害の子どもなどの学習にとって有効ともいわれています。しかし、脳科学の知見から考えるならば、教科書は紙で、デジタルの優れている機能は副教材として活用することが適切だと思いますが、いかがですか。
第二に、デジタル教科書の導入により「手と頭を働かせて授業内容を記録し整理する活動」や「児童・生徒どうしが直接的に考えや意見を交換しながら進める学習活動」などの縮減にならないようすべきと思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
以上で1回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。