2026年2月25日
日本共産党中央区議会議員 奥村暁子
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日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問を行います。再質問は留保させていただきます。
区長は所信表明の冒頭で、2026年度が区制施行80周年にあたることに触れつつ、「今、世界を見渡せば、国際情勢はかつてない不安定な状況にあり、長年築き上げてきた国際協調の理念そのものが大きく揺らいで」いると述べています。さらに、「こうした中、私たちは異なる背景を持つ人々が共に暮らし、互いを尊重し合う姿を、この日常の中で積み重ねていくことが大切」だと述べ、「平和を国内外に発信し続けることは、国際社会との信頼を育むうえで重要な意義を持つもの」と強調しています。大変重要なことだと思います。
そこで私は平和の問題について、区長の認識を問うとともに、中央区として平和を構築していくための取り組みについて質問します。
年明け早々、米トランプ政権が、国連憲章・国際法違反のベネズエラ侵攻を行い、大統領を拉致したことに衝撃が広がりました。その後もグリーンランド領有に向け経済的・軍事的威圧をかけるなど、「私には国際法は必要ない」とまで言ってのけ、「力の支配」を公言するトランプ米大統領の言動が世界の安定を脅かしています。
自民党・高市政権は、こうした無法に対して抗議も批判もせず、2022年に策定された安全保障関連3文書いわゆる安保3文書を今年中に改定し、5年間で総額43兆円を注ぎ込み防衛費いわゆる軍事費の2倍化や、他国領土にミサイルを撃ち込める「敵基地攻撃能力」の保有など、トランプ米政権が求める軍拡を一層強化する方針を打ち出しています。昨年来、トランプ政権が日本に求めているGDP比3・5%(21兆円。24年時点)へのさらなる軍事費の増額に対しても否定する姿勢は示していません。
高市首相は、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という日本政府が堅持してきた「非核三原則」の見直しや、現在は禁止されている戦闘機や戦車など殺傷兵器の輸出解禁も狙っています。
さらに日本国憲法が掲げる「平和主義」の根幹である憲法9条改憲についても、国民投票を「少しでも早く行える環境をつくる」とまで言い出しています。まさに戦争をできるようにする準備です。
日本が攻撃を受けていない「台湾有事」で、中国軍と交戦する米軍を支援するために、自衛隊が安保法制に基づいて参戦する可能性を認める国会答弁が飛び出すなどし、日中関係が悪化していることも問題です。
今、平和が脅かされる岐路にあることを強く危惧します。「米国第一」といって自分の利益のためには手段を選ばないトランプ政権に、日米同盟絶対の立場から従い続けることが果たして日本に平和をもたらすのか、考える必要があるのではないでしょうか。
そこでお聞きします。
第一に、日本は、3年前の5兆円から11兆円へ軍事費を拡大しましたが、来月の日米首脳会談でさらにGDP比5%以上、年間30兆円への軍拡というトランプ大統領からつきつけられている要求を受け入れるとなれば、その財源として増税や社会保障費の削減など区民生活に甚大な影響が及ぶと思いますが、いかがですか。
すでに来年度の政府の「税制改正大綱」には、「防衛特別所得税」の名称で、すべての所得納税者を対象に、所得税額の1%を課税する軍拡増税が盛り込まれています。十分な議論がないまま「軍拡のためなど1円たりとも払いたくない」という人からも強制的に徴収するのは問題だと思いますが、いかがですか。
軍拡によって、区の施策に組み込まれている国庫負担金が減額されるなど、区の施策にも大きな影響があると思いますが、いかがですか。
第二に、歴代政府が国是としてきた「非核三原則」の見直しも、世界の先頭に立って核廃絶を訴えるべき唯一の戦争被爆国として、絶対に許されないと思いますが、いかがですか。
第三に、防衛費いわゆる軍事費の拡大や非核三原則の見直し、憲法9条の改正は、戦争をできるようにする準備そのものだと考えますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
平和を構築するためには、過去の戦争から学び過ちを繰り返さないことや他民族や多文化へのお互いの理解と協調が欠かせません。
全国知事会は、昨年7月に「外国人の受け入れと多文化共生社会実現に向けた提言」をまとめたのに続き、昨年11月26日には「多文化共生社会の実現を目指す全国知事会の共同宣言」を発表しました。
その中では「事実やデータに基づかない情報による排他主義・排外主義を強く否定」することや「感覚的に論じることなく、現実的な根拠と具体的な対策に基づく冷静な議論を進め」ること、「外国人の持つ文化的多様性を地域の活力や成長につなげること」などが述べられ、国や区市町村と力をあわせ「日本人と外国人が共に地域社会を築くための多文化共生施策を推進」すると宣言しています。
そこでお聞きします。
杉並区は昨年1月に「多文化共生基本方針」を策定しており、その具体化として今年9月に多文化共生を進める拠点を開設し、日本語学習の支援や生活相談、地域との交流事業などを進めるとのことです。行政と地域、外国人をつなぐ役割を担う「多文化共生キーパーソン」も育成していく方針です。こうした施策を中央区でも実施するよう求めますが、いかがですか。
また、杉並区は来年度の予算編成にあたって「戦争を知らない世代が増える中、その記憶をどう次の世代に伝えていくかが課題になっている」として、幅広い意見を聴取して今後の平和施策に生かしていく「(仮称)杉並区平和施策に関する区民懇談会」を新たに設置するとのことです。学識経験者や区民公募、若者世代を含めた多様なメンバーで構成します。こうした取り組みを中央区でも実施するよう求めますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
次に、中央区のまちづくりについて質問します。
人口20万人都市となることを目前にひかえ、区長は所信表明の中で「築地市場跡地の再開発をはじめ、都心・臨海地下鉄新線、日本橋における首都高速道路の地下化など~都市基盤整備~の取組は、国際都市東京の競争力と魅力を高め~首都の未来を形づくるもので~着実な推進に努め」ていくとしています。
来年度予算案は、一般会計の財政規模が前年度比約22%増の過去最大の1986億円となっています。
増額となった大きな理由は、「財政積立金」が前年度比で222億円増えていることにあります。これは、「諸収入」が都市基盤整備事業協力金収入などにより約234%増え、「財産収入」も土地売払い収入などにより約259%増えており、その一部を「財政積立金」として積み立てたことによるものです。
その原資は、日本橋首都高速道路の地下化にともなう日本橋一丁目中地区の市街地再開発事業で開発業者から拠出される見込みの協力金160億円や、区民の財産である日本橋一丁目東地区の区道を開発業者に33億円で売払うことを見込んでいる収入などです。
そこでお聞きします。
第一に、これまでに中央区が行ってきた区道廃止を伴う再開発事業において、売払いが行われた路線数とその際に得た財産収入はいくらですか。都市基盤整備事業協力金収入の件数と収入金額の合計はいくらですか。
第二に、中央区は区道などの土地を売払って莫大な財産収入を得ることや、そうした土地を売払うことによって大規模開発が進められた後に、事業者の利益の中から協力金を得るという不動産業を営んでいる企業のような仕事をしています。自治体の仕事としてふさわしいとお考えですか。
また、投入する義務のない高速道路の建設のために、莫大な資金を基金として準備する仕組みをつくることが中央区の役割なのでしょうか。お答えください。
第三に、区長が述べる「国際都市東京の競争力と魅力」を高め、稼ぐ東京を願っているのは開発業者です。区民にとっての住みやすいまちということにはならないと思いますが、いかがですか。超高層オフィスビルやタワマンを林立させることが持続可能なまちづくりになるのでしょうか。区長の見解を求めます。
次に、住宅政策について質問します。
来年度予算案では、市街地再開発事業助成として8事業に約340億円が投入されますが、再開発によって超高層タワーマンションを都心に林立させることが、都内の家賃高騰を招く要因となっているという問題については、区議団としてこれまでも度々指摘し、マンションの投機的な転売に関する規制強化や、大規模な市街地再開発ではなく小規模な共同建替えの提案なども行なってきました。
東京23区の新築マンション平均価格が1億5300万円、家族向け平均家賃が24万円を超え、所得の4割が家賃に消えているという実態があります。
手頃な価格の住宅整備は不十分で、東京都が100億円出資するアフォーダブル住宅政策では都内で年間300戸しか供給されず、セーフティーネット住宅も区内ではほとんど増えていません。
NPO法人「住まいの改善センター」の調査では、特に今、一人暮らしのシングル女性に対する住宅への公的支援がないことが問題となっています。
戦後、日本では所得階層別の住宅政策がとられ、所得の高い層は広い持ち家に住み、中所得層は公団・公社や民間の賃貸住宅、低所得層は公営住宅か古く狭い賃貸住宅という「ふるい分け」が行われました。家族を前提とする持ち家主義が一貫してとられてきたため、単身者や民間居住者への住宅政策はほとんどなく、なかでも支援から外れているのがシングル女性です。
住居費の負担率には男女差があり、月収に占める賃貸住宅の住居費の負担率は、男性が約25%なのに対し、女性は約29%で、「駅やバス停からの近さ」や「2階以上」「オートロック」など防犯を考えるため家賃が高めになっています。
働く女性の約半数が非正規雇用で、正社員でも生涯賃金は男性よりも少ないという現実に加え、現在50歳の女性が老後に受け取る年金は「月額10万円未満」が6割にのぼるという男女の賃金格差も背景にあります。
特に中高年のシングル女性が部屋を借りる場合、低収入や保証人が確保しにくい等のリスクからか、不動産業者に問い合わせても返事がなかったり、「大家が断った」など契約しづらい実態があります。
日本社会が男性を主な稼ぎ手とする世帯をモデルにしてきたため、そこから外れた女性は不利な立場に置かれがちです。
住まいの課題はジェンダー問題でもあり、個人の尊厳につながっています。
そこでお聞きします。
第一に、中央区のシングル女性の世代別世帯数についてお示しください。シングル女性の住まいの状況と家賃負担の重さをどのように捉えていますか。支援の必要性について、どのようにお考えですか。
第二に、中央区には60歳以下のシングル女性向けの公営住宅はありませんが、必要性をどのように捉えていますか。就労していて一定の所得があり、区営住宅や都営住宅への申込資格は満たさないシングル女性に向けた公営住宅も必要だと思いますが、いかがですか。家賃支援や民間賃貸住宅の借り上げなどによる支援を求めますが、いかがですか。
第三に、欧米諸国では「住まいは人権」という思想が定着しています。住居は生活の基盤となっているため、国や自治体が整備することが基本となっており、家賃補助などの住宅政策は当たり前です。シングル女性に限らず、高齢者や若年層も重い家賃負担に苦しんでいます。人権を守る立場から、住み続けられる住宅政策を大きな柱として区の施策に位置づけ、家賃補助制度などを充実するよう強く求めますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
以上で1回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。