2025年11月28日
日本共産党区議会議員 小栗智恵子
日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表し、ただいま上程されました議案第107号「中央区副区長の選任同意について」に対する反対意見を述べます。
本議案は、現在就任している2名の副区長のうち、11月30日に任期満了となる吉田不曇氏を、引き続き副区長に選任し、副区長2人体制を維持しようとするものです。
本議案に反対する理由は、まず第1に、今回6期目の再任となる点です。
全国的に、副区長の再任回数は2期程度で交代することが多い中、今回吉田不曇氏が6期目の再任となるのは異常なことです。
2005年12月1日に就任した吉田不曇氏は、2019年の前区長の交代後も2021年に再任され、5期20年の在任、今回6期目の選任が図られています。「実質的な権限を持つフィクサーのような存在が生まれると既得権や利権も生まれやす(八田進二・青山学院大学名誉教授)」くなりことを指摘するものです。
4年前の再任の際、ご自身が「最後のご奉公」と挨拶されています。6期目の再任はあまりに長すぎます。
第2に、中央区のまちづくりの問題についてです。
中央区規則で、第2順位の吉田不曇副区長の担任事項は「環境土木部及び都市整備部に関すること」となっています。吉田副区長のもと、中央区は、国家戦略特区の大型プロジェクトなどに、容積率など様々な規制緩和の特典を与えて、大規模な再開発事業を進め、大企業が大きな利益を上げる「稼ぐ東京」をつくることに力をいれてきました。
決算特別委員会の資料(資料266)によると、中央区内で進められてきた市街地再開発事業34事業の内、都市再生機構が住宅整備から手を引いて以降(10番勝どき駅前地区H16年2004年都市計画決定)、民間主導の組合施行の事業が24件ありますが、その内三井不動産、三井不動産レジデンシャルが事業者として参入している事業が16件もあり、3分の2を占めています。また、晴海5丁目西地区・晴海フラッグも、築地市場跡地開発も代表企業は三井不動産です。晴海フラッグでは、板状棟マンションの開発協力金を免除するなど、事業者に便宜が図られました。
こうした三井不動産などの特定企業に便宜を図り、大企業・デベロッパーが大きな利益を上げる大規模開発を優先するまちづくりを推進していることは容認できません。
第3に、中央区の二人副区長制は過剰な体制であり、副区長は1人制でよいと考えるからです。
副区長の定数は、一人制だった副区長(当時は助役)を二人制にする条例が1988年の第二回定例会で提案され、日本共産党のみの反対で決定し施行されました。二人目のポストは、事実上、東京都からの天下り人事のための受け皿となってきましたが、その後2000年から2005年までは一人欠員の一人体制で執行され、2005年12月1日に吉田不曇氏が就任し、以降副区長二人体制となっています。
現在二十三区の中で、人口58万人の板橋区など3区が一人副区長となっています。人口が増えたとはいえ19万人の中央区では、一人副区長体制で十分ではないでしょうか。
第4に、財政負担についてです。
副区長の給与・期末手当は年額約1800万円で、勤続期間4年で7200万円です。それに加え退職手当は任期満了ごとに1100万円、今回で5500万円となります。一人制であれば、1期4年で約8300万円の節減となります。5期では4億円です。
最後に、組織として後継者を育てることができていないことも問題だと考えます。また、吉田氏の職員に対する威圧的な発言や、議員に対する礼節を欠いた答弁や態度も看過できません。
以上の理由から、議案第107号「中央区副区長の選任同意について」反対し、発言を終わります。御清聴ありがとうございました。
以上