2025年6月26日
日本共産党中央区議会議員 小栗智恵子
【質問項目】
☆
日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。なお再質問、再々質問をあらかじめ留保いたします。
私たち日本共産党区議団は、毎年、中央区民アンケート(以下区民アンケートという)に取り組んでいます。アンケート用紙を全戸配布、新聞折り込みで配り、同時にネットでも答えられるようにして、今年は3月から開始し、郵送による返信とWEBアンケートによる回答と合せて540通を超えるアンケートへの回答がありました。
このアンケートに寄せられたご意見、ご要望をもとに質問します。
まず、物価高騰対策についてです。
区民アンケートでは、始めの設問「この1年間で暮らし向きはどうなりましたか」では①苦しくなった(48%) ②苦しい状態で変わらない(24%)合わせて72%でした。③良くなった(1%) ④良い状態で変わらないは合せて8%です。
意見欄には、「節約しても限界」「食料が買えない」「物価上昇に賃金が追いつかない」「高齢者・年金生活者が苦しい」という声がたくさんよせられています。
「消費税について、どうお考えですか」の設問では ①下げるべき23% ②生計費(食料品や水光熱費など)は非課税に37% ③廃止すべき17%で、合わせて77%が減税を望んでいるという結果でした。
物価高騰対策として最も効果のあるのが、消費税減税です。日本共産党は、消費税の廃止をめざし、緊急に一律5%に引き下げることを政府に求めています。平均的な世帯で年間12万円の減税となり、食料品だけ非課税にするより2倍の効果があります。政府が打ち出した1回限りの一人2万円の給付金よりも、大きな効果があり、一律の税率になれば、インボイスも必要なくなります。
そこでお聞きします
物価高騰から区民のくらしを守るために、消費税の5%への減税が必要だと考えますがいかがですか。昨年の11月の本会議でこの問題を質問した際「税率等を含め、税制については、…国の責任において法整備を行うもの」と答弁がありましたが、消費税減税の必要性についての区長の見解をお示しください。
問題は財源です。日本共産党は、大企業や富裕層に応分の負担を求めて財源とすることを提案しています。優遇税制によって大企業への減税は年11兆円を超えています。また所得が1億円程度を超えると逆に税負担率が下がります。
こうした行き過ぎた大企業や富裕層への減税を改める税制改革をすすめれば、消費税率を5%に引き下げるために必要な財源15兆円は、確保できます。
そこで質問します。
消費税減税の財源や、税制のあり方についてどうお考えですか。税制は「国の責任において法整備を行う」のは当然ですが、不公正な税制にメスを入れ、ふるさと納税制度も含め、税制のあり方について、積極的に提案すべきです。ご答弁ください。
次に住宅問題について質問します。
区民アンケートでは、「住宅に関する費用負担をどう感じていますか」の設問に、「住宅費の負担」がとても重い(19%)・重い(31%)・少し重い(20%)合せて70%をしめました。費用負担が重いのは ①家賃 ②水光熱費 ③管理費 ④固定資産税 ⑤修繕積立金 の順でした。
意見欄には「住宅の維持修繕費が多く貯金がなくなってしまい、固定資産税、火災保険料が負担となっています。家を処分して賃貸アパートに住み替えたいが年齢的にアパートを借りられないし年金では中央区に住めない」、若い世代からも「中央区が金持ちが住む場所になっていくようで、そうでない者はいつまで住んでいられるのか不安」など切実な声が寄せられています。
「住宅関連費の軽減・解決のために希望すること」で一番多かったのは ①家賃や住宅費用の補助制度(35%)次いで ②安い家賃の公共住宅を増やす(30%) ④住宅リフォームの補助(23%) ④住み替え支援(12%)でした。
中央区をはじめ都心区部を中心にした異常な住宅費高騰の原因には、資材費の高騰や人手不足による人件費の上昇もありますが、バブル期以上のマンションなどの高騰は、規制緩和による超高層ビルやタワーマンションなどの乱立による土地の価格の高騰があります。また晴海フラッグで実際おきたように、投機マネーによって、価格高騰・家賃値上げに拍車がかっています。
そこで質問します。
投機マネーによる価格のつり上げを防ぐため、販売時の契約に購入者の居住や一定期間の転売禁止を盛り込むなど、不動産投機を規制することがどうしても必要だと考えますが、ご答弁ください。
「安い家賃の公共住宅を増やしてほしい」という声も切実です。都営住宅の新規建設が必要です。また、都として月1万円の家賃補助制度をつくること、住宅の固定資産税の引下げを東京都に対して求めていくよう要望します。見解をお示しください。
また区独自に家賃補助の制度を拡充することも必要です。市街地再開発区域で従前居住者の家賃補助制度がありますが、最近この活用が図られていません。地域を限定せず、幅広い世代が活用できる家賃補助の制度をつくるよう求めます。ご答弁ください。
次に、築地市場跡地開発について質問します。
区民アンケートでは、「三井不動産を中心に開発が進められようとしていますがどうお考えですか」という設問で ①公園や都民のための施設中心に計画を見直してほしい61% ②5万人規模のスタジアムや国際会議場・展示場、超高層オフィスビルなどの開発事業を早く進めてほしい12% でした。
見直しを求める回答者に希望する項目を聞いたところ、①緑豊かな公園 ②災害時の避難場所 ③公立の総合病院の建設・誘致 ④東京湾の海水を引き込んだ親水公園 ⑤地下に眠っている旧跡「浴恩園」の発掘・保存・再生 ⑥都営住宅の建設 の順でした。
「国際会議場、展示場はもう充分足りている。…外国人や富裕層向きのものでないエンターテイメント的な街とは異なった、本物を扱う店の集まりとしての街を作ってもらいたい」「都有地を一部企業のための商業施設にすることは止めていただきたい」「築地市場の歴史と東京湾の景観重視、混雑回避を基本原則にして欲しいです」「汐留の高層ビルのせいでヒートアイランドが進んだと聞いた。旧築地市場の場所に超高層ビルを立てて大丈夫なのか」などの意見や要望が寄せられています。
そこでお聞きします。
公園や都民のための施設を望むが6割で、事業者の提案する開発事業を早くという割合は1割という結果についてどうお考えですか。また寄せられている要望、意見について、見解をお示しください。
東京都は今年3月末日に三井不動産他10社による「築地まちづくり株式会社」を正式に事業者に決定し、現在「環境影響評価測定計画書(以下計画書という)」の縦覧、意見募集という環境アセスの手続きに入っています。
しかし、事業予定者選定の際審査委員会から「付帯意見」が付された「まちの将来像や開発内容、事業の進め方等について都民等の意見を受付ける機会を設けそれらの意見に丁寧に対応すること」について、事業者は全くやろうとせず1年以上たっています。
事業者に対し、事業計画について説明し、広く都民の意見を聴く機会をもつよう中央区から働きかけることが必要だと考えます。いかがですか、ご答弁ください。
次に、区民アンケートで「中央区にもっと力を入れてほしいこと」の設問で、一番多かった、国保などの保険料軽減について質問します。
アンケートには「後期高齢者医療保険料改訂により家族(母親)の保険料負担が増え、また通院の医療費、薬代も2割負担でこれまでの2倍になりかなり大きい負担となり苦しい状況です。年金収入も多いわけではなくギリギリのところで2割対象者になっている。年金が増えるわけではないので1割負担に戻して欲しい」と切実な声が寄せられています。
また国民健康保険は、子どもの数が多いほど保険料が高くなります。現在未就学児の均等割は半分に減額されていますが、他の健康保険に比べ高い保険料となっており、悲鳴が上がっています。
そこでお聞きします。国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療保険に対する国や東京都からの拠出を増やし、保険財政を支えるよう求めるとともに、区の財政支援も増やして、保険料、利用料の負担軽減をはかるよう求めます。ご答弁ください。
次に、区民アンケートでも区に求めたい項目で2番目に多かった介護や高齢者福祉の充実について質問します。
ホームヘルパーなど人手不足が深刻化し、区内でも介護事業所の撤退などがおきています。中央区では、物価高騰対策として6月補正予算で、区内の障害・介護サービス事業所、保育所等に対する支援金を支給することは重要ですが、品川区は、この6月、政府の介護報酬切り下げによる介護事業所の減収を区として独自に補填する「訪問介護報酬緊急支援」を実施すると発表しています。2年間の臨時措置で、事業規模に応じて一事業所あたり年間12万円から240万円を補助します。
そこで質問します。国に対して、引き下げた介護報酬を元の水準に戻し、さらに引き上げて事業所の経営の継続に向けた支援を求めるとともに、区としても品川区のような「訪問介護報酬緊急支援」を行うよう求めます。ご答弁ください。
「特養が足りない」「高齢者が入りたい時に入れない」という声も切実です。
この問題で以前、「中央区では要介護度が高ければ、おおむね半年から、長い方でも1年ぐらいで入所できる」という答弁がありましたが、要介護度が高くないと順番がまわってこないなど条件があり、必要になった時にすぐに入れるところがないため区外の施設に行かざるを得ない方も多いのが実態です。やはり特養ホームや認知症グループホームの増設が必要だと考えますが、ご見解をお示しください。
次に、子育て、教育について質問します。
区民アンケートで「子育て、教育について必要と思うこと」の設問で、一番多かったのは、 ①小中学校の教員の増員 ①不登校、いじめ対策が同数でした。次が③学校標準服の購入費補助、リユースの促進 ④学用品など副教材費の無償化 でした。
また ⑤認可保育園の充実 ⑧区立の学童クラブやプレディプラスの拡充 を望む声も多くありました。
区民アンケートに表れているように「小中学校の教員の増員」は切実な声です。ところが、小中学校での教員の長時間労働が続いており、「教員不足」は深刻化する一方です。
そこでお聞きします。今年4月、区内の小中学校で「教員不足」になっていることはないか、年度途中に「産休代替の教員が決まらない」など教員が不足する恐れはありませんか。ご答弁ください。
教員不足をなくし、長時間労働を解消していくため、国や東京都に対し、公立学校の教職員の時間外勤務を「労働時間」と認め、残業代を払い、教員の定数を増やすよう求めることが必要です。区としてのこれまでの取組と改善策について見解をお示しください。
次に不登校、いじめ対策についてです。
6月の区民文教委員会で、令和6年度のいじめの状況について報告がありました。
いじめの件数が、小学校で398件、中学校で144件、合わせて542件で、前年度に比べ1・5倍に増えています。理由として児童生徒数の増加もあるが、些細なことも見逃さないよう注意して学校ごとに認知した件数が増えているとのことでした。
そこでお聞きします。学校の対応として、いじめへの対応をぜったいに後回しせず、教職員・保護者の情報共有を重視すること、子どもの自主的活動の比重を高め、いじめをとめる人間関係をつくる取組が大切だと考えますが、教育委員会としてどう取り組んでいくのかお示しください。
不登校については、6月の委員会で報告がありませんでしたが、全国で子どもの不登校がこの10年で3倍と急増し、小中学校で35万人近くになっています。区内の状況はどうなっているか、どう対応しているのかお示しください。
次に、教育費・子育てに関する費用負担の軽減についてです。
学校給食の無償化に続いて、学用品など副教材費の無償化、修学旅行・遠足などの補助など教育にかかる費用の負担を軽減する自治体が増えています。区独自の返済不要の奨学金の制度を持っている区もあります。「義務教育は無償」の立場で保護者負担の軽減に取り組むよう求めます。取組みについてご答弁ください。
また、区民アンケートでは「産後ケア事業についてもう少し金額が下がれば良いなと思います」「中央区で出産できる所は1つしかなくて高額。もっと負担を軽減した対策を取って欲しい。もう一人欲しくても住まい、教育、家計を考えると諦めざるを得ない」という声も寄せられています。
こうした声にこたえて、出産や子育ての費用負担の軽減をはかる区の支援策を求めます。ご答弁ください。
最後に、福祉センターの防災宿泊訓練について質問します。
今年初めて、福祉センターにおける防災宿泊訓練の実施が予算化され、(24万8千円)障害者向け福祉避難所である福祉センターにおいて、利用者の防災宿泊訓練が11月に実施しされることになりました。知的障害のある福祉センター利用者40人のうち、今年度は5人だけしか受けられないということで、人数や訓練の回数を増やすなどして、希望者全員が受けられるようにしてほしいと強い要望が寄せられています。
地震はいつ起きるかわかりません。震災に対する備えとして、「日常生活から離れた経験から得られる自立への足がかりとなる機会を作る」ことは重要であり、早急に全員が体験できるようにすることは急務です。ご答弁ください。
また大規模災害発生時に、一般避難所に身を寄せた後、優先順位を決めて「福祉避難所」に移動する方法でなく、直接「福祉避難所」に避難できる運用を鹿児島市がこの6月から始めるとのことです。ぜひ「福祉センター」も利用者が直接避難できるようにしてほしいと要望が寄せられています。いかがですか、ご答弁ください。
また今回防災宿泊訓練に参加する人は、毎年行われている「障害者日帰りレクレーション」への参加はできないといわれたそうです。あまりに冷たい対応ではないでしょうか。
なぜそうした制限をつけるのか、希望者はどちらも参加できるようにすべきと考えますが、ご答弁ください。
以上で一回目の質問といたします。ご答弁をよろしくお願いします。