2024年9月27日 小栗智恵子
日本共産党中央区議会議員団は、議案第84号 中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例に反対します。
以下その理由を述べます。
本議案は個人番号を利用することができる事務に、認可外保育施設保育料補助金の交付に関する事務を追加するほか、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律の施行により、児童手当法が改正され、児童手当の支給要件である所得制限の撤廃とともに特例給付の制度が廃止されることに伴い、特例給付に係る規定を削除するなど規定を整備するものです。
これまでにも、税・医療・年金・福祉・介護・労働保険などに関わる事務について、マイナンバーによって特定個人情報を一元的に管理するために、様々な行政事務の追加が進められ、今回さらに対象となる事務が拡大されます。
マイナンバー制度によって個人情報が集積されることは、区民にとっての利便性や行政事務の効率性以上に、徴税強化や社会保障給付抑制の目的に加え、民間事業者による個人情報が利活用されることや個人情報流出などの不利益があります。
折りしもマイナンバーカードを巡っては、公金受取口座の年金情報の誤登録、マイナ保険証に別人の医療情報が誤登録されるなどの問題が相次ぎ、制度への信頼は失墜しています。
政府は、マイナンバーカードの利用促進策として、運転免許証や図書館利用カードとの一体化、iPhoneにカード機能を搭載するなど利用範囲の拡大を進めようとしていますが、カードの普及の狙いは、各種の個人情報を一元的に管理し、国民監視を強め、企業の「もうけのタネ」にすることです。
個人情報保護と安全管理措置への懸念が深まるもとで、適用をさらに拡大することは看過できません。
以上の理由から、議案第84号に反対します。