2024年6月28日 奥村暁子
意見表明のお時間をいただきありがとうございます。
議案第54号及び議案第80号に対する反対意見を述べます。
まず、「議案第54号 中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
本議案は、東京都市計画築地地区地区計画の変更に伴い、当該地区計画の区域内における壁面の位置及び建築物の高さの最高限度に関する制限を変更するとともに、東京都市計画有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画の変更に伴い、当該地区計画の区域内における建築してはならない建築物に関する制限を変更するものですが、本議案のうち、築地地区については築地二丁目地区の市街地再開発において規制緩和がされるものであるため反対します。
この開発は、実態としては建物5棟、4者の企業による建替えです。にもかかわらず、築地駅の地下鉄出入り口新設や駅前広場、大規模交流広場、平成通りの歩道拡幅などの整備が地域貢献として評価され、容積率緩和などを受けられる計画となっています。
地域貢献といっても、こうした整備はビルの価値を高めるなど事業者側にもメリットをもたらすことから、本来は事業者の社会的責任として自主的に行われるべきであり、容積率緩和などの恩恵を与える必要はありません。
次に、「議案第80号 特別区道の路線の廃止及び変更について」についてです。
本議案は、日本橋一丁目東地区第一種市街地再開発事業並びに都道豊洲有明線の供用開始に伴い、特別区道の路線を廃止し、及び変更するものですが、本議案のうち、日本橋一丁目東地区第一種市街地再開発事業は、区道の廃止により巨大開発がすすめられるものであるため反対します。
特別区道中日第294号、296号、297号の3本の廃止と、特別区道中日第23号の終点の変更により、A街区では地下4階・地上40階建、B街区では地下3階・地上51階建のオフィスやマンション、サービスアパートメント、カンファレンスなどを収容する超高層ビルが建つことになります。
また、この開発では特別区道中日第295号が立体的区域に定められますが、車道や歩道として通行可能とはするものの、この区道の上にもA街区の建物が建てられることになります。
全て区道の廃止がなければ成り立たない巨大な再開発計画です。
今回、廃止される区道部分の資産については、日本橋川を挟んだC、D、E街区で約3,130㎡の敷地を区が取得し緑の歩行空間を整備、残りは補償金として約52億円を金銭で受け取ることも同時に行われます。
緑を増やすこと自体を否定するものではありませんが、緑地の整備などは、巨大な開発を手がけ莫大な利益を得る事業者自らが行うべきことではないでしょうか。
そもそもこの事業計画は、C、D、E街区にあったビルの移転補償などの費用を首都高が負担せずに済むよう、江戸橋でつないだA、B街区の中にC、D、E街区の地権者の権利床を確保するため不整形な敷地の形状となっています。本来、首都高地下化工事と直接係わらないA、B街区まで組み込むこうした手法は問題です。
区道を廃止することで、より大きな街区として開発し、開発業者の利益を最大限に増幅させる計画を区が事業者と一体に押し進める姿勢は看過できません。
かつて銀座三越の開発に伴う「銀座四丁目6地区市街地整備計画」の審査が行われた2008年(1月16日)の中央区都市計画審議会では、「区道の廃止は原則禁止」との区の方針が示されていました。
「区民の財産である区道は廃止しない」という本来の姿勢に立ち返り、東京一極集中を是正し、持続可能なまちづくりに転換すべきです。
以上の理由により、日本共産党区議団は、議案第45号と議案第80号に反対します。