私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して、ただいま上程されました「議案第九十号 中央区副区長の選任同意について」に対する反対意見を申し上げます。
本議案は、現在就任している2名の副区長のうち、退任する齋藤進氏の後任として新たに田中智彦氏を副区長に選任し、副区長2人体制を維持しようとするものです。
本議案に反対する理由は、中央区の2人副区長制は過剰な体制であり、副区長は1人制でよいと考えるからです。
副区長の定数についての経過を述べますと、1988年第二回定例会において、中央区ではそれまで1人制だった副区長(当時は助役)を2人制にする条例が、日本共産党の反対、他の会派の賛成多数で成立し、同年7月1日から施行されました。そして、事実上、2人目の副区長のポストは、東京都からの天下り人事のための受け皿となりました。その後、2000年から2005年までは1人欠員の1人体制で行ってきました。しかし、2005年第四回定例会で、再び2人目の副区長の選任同意案件が議会に提出され、日本共産党は反対、公明党などが退席し、同意したのは議員30人中18人という状況の中で、副区長2人体制が復活しました。
それ以降、今日まで2人体制が続いていますが、日本共産党区議団は、副区長は1人で十分だと考えます。
現在、東京二十三区の中で、2人副区長制を条例として制定している区は19区ですが、条例定数で2人制となっていても1人だけとしている区が4区あり、現在7区が1人体制となっています。特に人口が中央区の約3.3倍の57万人の杉並区では、区長が変わり、2022年7月から副区長1人体制となりました。
人口が増えたとは言え、17万人の中央区では、1人副区長体制で十分ではないでしょうか。
また、区の財政負担についても看過できません。
副区長1人の人件費は、現行条例によれば、給料月額は92万円、それに地域手当を加えると月額103万円、年額では期末手当514万円を含め1750万円となります。勤続期間4年で、給料の合計は約7000万円となり、退職手当が1期4年勤続で1144万円、合わせると副区長1人で8144万円となり、たいへん高額です。
中央区において、2人副区長体制のもとで、どういう区政が行われてきたでしょうか。1988年から3期12年間に、2人目の副区長ポストに交代で就いた3人の東京都幹部は、いずれも東京都の都市再開発関連部局の幹部職員で、臨海副都心計画とそれに伴う臨海幹線道路計画などを、東京都の「上位計画」にそって中央区で推し進めてきました。2005年以降は「天下り」ポストではなくなりましたが、2人副区長制のもとで、「都市再生」「国家戦略特区」などの大企業中心の大規模開発路線を加速させています。こうした体制は見直すべきです。