意見表明のお時間をいただきありがとうございます。
★議案第11号「中央区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対意見を述べます。
本議案は、全世代型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律の施行に伴い、生活保護受給者についてマイナンバーカードによるオンライン資格確認が導入されるため、外国人生活保護措置者についても同様の対応をはかり、個人番号利用事務を拡大するという内容ですが、被保護者の負担軽減を口実に医療費削減などをねらうマイナンバーを拡大することは問題です
★次に、議案第20号「中央区立子ども家庭支援センター条例の一部を改正する条例」についてです。
本議案は、区立子ども家庭支援センターの位置を変更するとともに、現在の施設を勝どき分室とし、日本橋分室及び十思分室と併せ、指定管理者制度を導入するものです。
福祉保険委員会に配布された資料では指定管理者制度導入による効果として、一時預かり保育等使用料のキャッシュレス決済を含む窓口支払いや3~5歳児が過ごせる居場所を確保すること(子育て支援講座の夜間・土日の開催、子育て支援サービス利用申請受付窓口の拡大)などが挙げられていますが、こうしたことは区直営や委託などこれまで通りの運営体制で可能だと考えます。分室も本体と同じ直営で運営するべきです。
★次に議案第39号「指定管理者の指定について(区立八丁堀保育園)」についてです。
運営事業者の株式会社ベネッセスタイルケアでは、保育士の年休取得が5割程度の消化率となっていることが指摘されており、働いている職員にしわ寄せがいく指定管理者制度の問題の一端が表れているのではないでしょうか。官製ワーキングプアの増大が、結婚率や出生率の低下につながり、ひいては労働人口が減っていくという社会全体に及ぼす影響の大きさを、自治体として重く捉えるべきです。
★議案第40号「指定管理者の指定について(区立新川児童館)」についてです。
運営事業者の株式会社ポピンズエデュケアは、全国で認可保育所や児童館運営をしていますが、都内の保育園では国からの運営費を本部経費に回し、保育士の給与が抑えられているなどの実態も指摘されている事業者です。
子育て支援が社会の大きな課題とされる今、地域の子どもの居場所である児童館の職員給与を低く抑えることによって成り立つ指定管理者制度は、現場で働く職員にしわ寄せがいき、社会全体への不利益となります。
★議案第41号「中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」についてです。
この議案は、保険料率、賦課限度額及び均等割額から減額する額並びに出産育児一時金の額の改定等をするものです。
2月に特別区長会は、2023年度の特別区国保料について基準料率等を定め、1人当たり14万3363円と今年度に比べ1万1550円もの大幅値上げを確認しました。基準保険料を設定するにあたり、賦課割合は今年度と同様の所得割58:均等割42とした上で、基礎分の保険料率については所得割率を今年度比0.01%増の7.17%に、均等割額を今年度比2,900円増の45,000円に引き上げました。後期高齢者支援金分については所得割率を2.42%に引上げ、均等割額は1900円引上げ15,100円とし、介護納付金分については均等割額を今年度より400円引き下げ、16,200円としています。
これに基づき中央区の一人あたり保険料は、基礎分と後期高齢者支援金分で今年度比17,923円の大幅値上げで168,228万円となります。
40歳~64歳の介護納付金分4万4068円を合わせれば21万2296円です。
コロナ禍で保険料負担の抑制策を特別区として実施しているものの、それでも大幅な値上げとなっています。区として一般財源をさらに投入するなどすべきです。
以上の理由により、日本共産党中央区議会議員団は、議案第11号、20号、39号、40号、41号に反対します。