議案第79号 中央区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例に対する反対意見

日本共産党中央区議会議員
小栗智恵子

 議案第79号 中央区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例に対する反対意見を述べます。
 本議案は、廃棄物の排出者に対する受益者負担の見直しに伴い、廃棄物処理手数料の額を改定するためと説明されています。
 改定内容は、手数料原価と手数料との乖離を解消することを目的として、廃棄物処理手数料をキロ当たり40円を6円、15%もの値上げで46円に、有料ごみ処理券を10リットル当たり11円引上げ87円に改定するとしています。
 本議案に反対する第1の理由は、区民や中小企業、商店に負担増となるからです。
 長引くコロナ禍の影響の上、この間の急激な物価高騰で中小企業や商店は苦境に立たされています。手数料の値上げは、さらに営業を圧迫し、物価高騰にも追い打ちをかけるものとなります。
 第2に、収集運搬分については、本来、各区で決定すべきことですが、23区で同額の値上げを行うとしていることも問題です。
 清掃事業は、2000年に移管され、ごみの収集運搬は各区が実施、ごみの焼却などの処理処分は一部事務組合を設立して共同で行うことになり、廃棄物手数料も各区の条例で定めることになりました。しかし、一般廃棄物処理事業者が各区から収集する廃棄物の混載を認めていることや、改定額などの統一的な取り扱いの要望があったこと、中間処理が共同処理であることなどを理由に、区長会で改定内容を確認して各区同じ手数料に決めています。各区の自主性と減量の努力による経費の削減などが反映されないことになります。
 第3に、ごみ処理原価に全ての処理処分経費を反映させる考えから、設備プラント更新等の減価償却費や償却利子も含めているため、ごみの量は減っているのに、ごみ処理原価は年々上がっています。
 23区のごみ量は2017年の276万トンと比べ、2021年には253万トンで、23万トン、8%減りました。しかし、ごみ量が減ればごみ処理単価は逆に上がり、2017年はトン当たり5万9千円が2020年には6万3千円となっています。原価計算の算定基準そのものの見直しとあわせ、過大な設備投資などの処理費用全体の削減と、費用負担の適正化が必要だと考えます。
 第4に、清掃事業の効率的な運営はもちろんのこと、ごみ問題の解決のためには、出たごみをいかに処分するかではなく、発生源で減らす抜本的な改革が必要です。
 中央区では、ごみ量全体に占める事業系ごみ量は87%(2019年度の中央区におけるごみ・資源の推計量:中央区ごみ排出実態調査報告書 2020年3月発行)に上り、再利用率も低下しています。ごみの減量、リサイクルへの重点的な取り組みが急務です。
 以上の理由から、日本共産党区議団は議案第79号に反対します。

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