議案第19号 「中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する反対意見

2022年3月3日 奥村暁子

 意見表明のお時間をいただきありがとうございます。
 議案第19号 「中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する反対意見を述べます。
 この議案は、保険料率、賦課限度額を改定するほか、未就学児に係る均等割額から減額する措置を講ずるものです。
 高すぎる国民健康保険料が多くの高齢者世帯や子育て世帯、低所得世帯を苦しめています。
 新型コロナウイルスの感染症の影響により収入が減少した世帯などは保険料の減免が受けられますが、それでも中央区での滞納世帯は、2020年度決算資料によると4652世帯、全体の17.7%にのぼっています。
 2月に特別区長会は、2022年度の特別区国保料について基準料率等を定め、1人当たり13万1813円と今年度に比べ約7000円の値上げを確認しました。基準保険料を設定するにあたり、賦課割合は今年度と同様の所得割58:均等割42とした上で、基礎分の保険料率については所得割率を今年度比0.03%増の7.16%に、均等割額を今年度比3300円増の42,100円に引き上げました。後期高齢者支援金分については所得割率を2.28%に引下げ、均等割額は今年度と同額の13,200円とし、介護納付金分については均等割額を今年度より400円引き下げ、16,600円としています。
 これに基づき中央区の一人あたり保険料は、基礎分と後期高齢者支援金分で今年度比4,828円の値上げで約15万円となります。
 40歳~64歳の介護納付金分4万2584円を合わせれば約19万3000円です。
 「令和4年度収入別・世帯構成別保険料試算」の資料によると、「世帯主(40歳)+配偶者(40歳・収入なし)」という2人世帯のモデルケースでは、年収200万円の場合、保険料は約22万円と年収の1割を超えており、年収300万円でも約33万円、年収500万円でも約51万円と同様に1割を超えています。高すぎる保険料が家計に重くのしかかっていることは明らかです。
 国が法定外繰入をゼロにするよう求めている中、特別区は今回、新型コロナの影響も踏まえて激変緩和措置を見直し、来年度97.3%とする予定だった納付金額を、広域化を開始した2018年度と同様の水準である94%ととし、残り6%相当を一般財源から法定外繰入するとしました。このことは、いかに区民の保険料負担が深刻になっているかを示していることに他なりません。単に激変緩和にとどまらず、保険料を引き下げることが求められます。
 法定外繰入を国は禁止しているわけではありません。医療費の伸びが保険料にそのまま反映されるというしくみと、国保加入者の多くが無職者や低所得者だという国保の構造的な問題に目を向け、区として一般財源をさらに投入するなどの努力や、削減され続けている国庫負担、都負担など公費負担を国、都に求め、保険料を協会けんぽ並みに引き下げるなど、保険料そのものを引き下げて行く方向を、全国一丸となってすすめるべきです。
 なお、未就学児の均等割半減などで負担が軽減されることは、我が党が求め続けてきたことであり、評価しますが、さらなる軽減の拡大を求めるものです。
 以上の理由により、日本共産党中央区議会議員団は、議案第19号「中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に反対します。

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