20210309 環境建設委員会(付託議案)

議案第11号「中央区立児童遊園条例の一部を改正する条例」、議案第22号「特別区道の路線の認定及び変更について」についての反対意見

日本共産党区議団 奥村暁子

 意見表明のお時間をいただきありがとうございます。
 議案第11号「中央区立児童遊園条例の一部を改正する条例」及び議案第22号「特別区道の路線の認定及び変更について」についての反対意見を述べます。
 議案第11号は、月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業に伴う中央区立わたし児童遊園の廃止により、中央区立児童遊園条例を改定するものです。
 議案第22号も同様に月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業に伴い、特別区道中月第821号線の一部を廃止した上で、新たに第891号線を認定するとともに、第821号線を変更するものです。
 日本共産党区議団は、2018年12月4日、当該再開発事業にかかわって地区整備計画の区域を定めるとともに、建築物の用途、構造及び敷地に関する制限を定めることが審議された議案98号「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」にも反対しました。
 地権者として中央区が参加するこの市街地再開発事業は、区民の財産である公園や福祉施設の敷地を提供することにより広がった面積約1.5ヘクタールの不整形な土地に、地上58階、地下2階、高さ約199m、総戸数約1,384戸、延べ面積約146,210㎡という超巨大な高層タワーマンションを建設する計画となっています。
 この再開発については、都市計画原案への反対意見が60通、95名寄せられ、都市計画案への反対意見は48通214名寄せられたという経緯があります。
 また、計画地周辺の住民からは、風害、景観、日照などの環境が悪化し、資産価値が低下することを訴える請願も区議会に出されました。
 反対意見が多いことは、当該計画が多くの住民の理解を得られていないことの表れではないでしょうか。
 そもそも、区には、区自身が策定した「月島地区まちづくりガイドライン」に基づいて、路地や長屋が魅力となる下町情緒あふれる月島ブランドを向上させ、街の個性が輝く魅力的なまちづくりを示す責任があります。
 当該事業によって、月島の長屋の街割りが破壊されるだけでなく、月島の文化や歴史、住民の生活が壊されてしまうことは、この「ガイドライン」と相容れません(or矛盾していますor逆行しています)。
 当該計画を審議した2018年7月の中央区都市計画審議会では、学識経験者から「個性のある月島の街並みをなくして、世界のどこにでもある高層マンションを建てるというのは、長期的、広域的に見た時の都市戦略として適切なのか疑問がある」との発言がありました。また、別の学識経験者からは「そろそろ違うやり方があるのではないか。もう少し低い容積率を設定して、デベロッパーに知恵を出させたらどうか。都市計画を20年で変えるというのはものすごく引っかかる」といった発言があり、両氏とも地区計画変更の採決では態度を保留しています。
 おりしも、今、世界的なコロナ禍でテレワークという新たな働き方が広がり、地方回帰もすすむなか、月島という土地で地上58階建てという超巨大なタワーマンションの需要があるのか、大いに疑問です。また、東京五輪の延期にともない晴海フラッグの入居の先行きも見えず、インバウンドも途絶え、今後の日本経済回復の目途も立たない中で、事業計画の破綻も危惧されます。
 このように多くの問題を抱えた当該事業にかかわる児童遊園の廃止と区道の改廃を認めることはできません。
 以上の理由で、日本共産党区議団は、議案第11号及び議案第22号に反対します。ありがとうございました。

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