議案第36号「中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する意見

奥村暁子

 発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 議案第36号「中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する意見を述べます。
 本議案は、給与等の支払を受けている被保険者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合等に支給する傷病手当金について定めるものです。
 傷病手当とは、公的医療保険の加入者、すなわち被保険者が仕事中の事故以外の理由で病気やケガの療養のために仕事を休んだ場合に、所得保障を行う制度です。支給要件を満たせば、最長1年6カ月間、仕事で得ていた報酬の平均日額の3分の2の現金を、休んだ日数分受け取ることができますが、これまで国民健康保険にはこの手当がありませんでした。
 しかし、今年3月、政府は、新型コロナに感染した人、又は発熱等の症状があり、感染が疑われる人で、仕事を休んだ被保険者に、国民健康保険からも傷病手当を支給することを認め、その財源は国が負担することを決めました。それを受けて自治体で国保条例を改正して支給を始める動きが広がっています。
 しかし、支給対象は、給与等の支払いを受けている労働者に限られ、自営業者、フリーランスなどは対象になりません。
 雇用契約のもとに雇われている被用者だろうと、勤労及び事業により生活を営む自営業者やフリーランスだろうと、新型コロナウイルスのような疾病やケガで仕事を休めば、収入が途絶えて生活に不安が出てくることに変わりはありません。仕事を休んでも生活費の心配をせずに療養に専念し、元気になったら再び働いて社会を支える一員となるための保障は必要です。
 今回、中央区でも条例改正がおこなわれ、傷病手当が支給されること自体は大きな前進ですが、休業で所得がなくなる自営業者やフリーランスなどへも対象を広げることが求められます。
 政府は、3月26日の参院厚生労働委員会で、自治体の裁量により対象を広げることは可能だと答弁しています。
 政府に対し対象の拡大や財政支援の拡充を迫ることを強く求め、中央区としても緊急に対象を拡大するよう要望し、意見表明を終わります。

以上
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