「議案第84号 特別区道の路線の認定、廃止及び変更について」に対する反対意見を述べます。
この議案は、京橋一丁目東地区土地区画整理事業及び日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業に伴い、特別区道の路線を認定、廃止、及び変更するものです。
京橋一丁目東地区では、新たに特別区道中京第716号線を認定するとともに、中京第439号線を廃止し、及び中京第533号線が変更されます。
また、日本橋一丁目中地区では、中日第18号線、中日第274号線、中日第275号線及び中日第276線を廃止するとともに、中日第20号線が変更され、巨大な一街区になります。
京橋一丁目東地区は、A、B、Cと3つの街区に別れていますが、A街区にはアーティゾン美術館と改称された美術館を擁する高さ150メートルのブリヂストンビルが完成しています。今回、戸田建設を擁するB街区を隔てる幅員4メートルの区道廃止と、戸田建設の東側に位置する中央通りと並行する幅員3メートルの区道廃止により、より大きな街区として再開発できることになり、B街区は約170メートルという高さの巨大ビルが建ちます。
元々この計画は、A街区のブリジストン、B街区の戸田建設がそれぞれ別の建替を予定していたものを途中から一体化し、市街地再開発事業として大幅な容積率アップをねらったものです。その一体化を区が提案し、橋渡し役を自ら担ったという点は看過できません。
今回の議案にかかるもう一つの日本橋一丁目中地区でも同様に、区道が廃止されようとしていますが、この地区では幅員3メートルの中日第18号、幅員4メートルの中日第274号、第275号に加え、幅員11メートルの中日第276号、第20号という巨大な区道まで廃止し、首都高地下化とセットで空をふさぐ高さ287メートルの巨大ビルが建設されようとしています。
中央区を筆頭に、都心区でこうした超高層ビルを林立させ、許容量を超えたオーバービルディングとなっていることは大きな問題ではないでしょうか。
東京一極集中の是非はもとより、大規模地震が想定される東京は「国際的なビジネス拠点」として適正とは言えないこと、巨大建築物が環境にかける多大な負荷、そして区民の財産である区道を廃止することにより、区が開発業者の利益を最大限に増幅させ、巨大開発を後押しする姿勢は容認できません。
予算委員会資料を見ると、1978年から今年3月8日現在で既に21の地区で区道を廃止しています。今年度に入ってからも東京駅前八重洲一丁目東B地区で廃止を決定、本議案でさらに2つ地域で7本の区道が廃止されようとしており、市街地再開発事業のための区道廃止はとどまるところを知りません。区民の財産である区道を廃止し続けることは大きな問題です。
以上の理由から、「議案第84号 特別区道の路線の認定、廃止及び変更について」に反対します。