議案第34号「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対意見

奥村暁子

 議案第34号「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対意見を述べます。
 本議案は、地区計画の変更に伴い、京橋、日本橋地域、晴海を除くほとんどの月島地域で、地区計画区域内における建築物の用途、構造及び敷地に関する制限の変更をするほか、規定を整備するものです。また、既存の建築物の用途変更に係る用途制限の緩和及び認定制度の廃止をする内容となっています。
 定住人口が回復したことを主な理由として、今年2月に中央区地区計画が変更され、晴海地区を除く区内のほぼ全域に高度利用型地区計画が導入されることになりました。
 高度利用型地区計画は、一定の条件のもとで、特定の用途の建築物に係る容積率を緩和することを可能にするものですが、今回の地区計画の変更により、これまで実施されてきた民間マンションへの容積率1.2倍の緩和が廃止される一方で、良質なホテルや公益施設に対しては容積率の緩和措置がとられます。
 人口回復が至上命題だった時代は過ぎ去り、今、区内では、市街地再開発事業による超高層タワー型マンション建設が止まらず、人口が増え続け、あらゆるひずみが生まれています。
 これまで民間のマンションに対して行ってきた1.2倍の容積率緩和廃止を決めながら、市街地再開発は別枠でこれまでと同様に進めるというのでは、人口増にブレーキはかかりません。巨大な市街地再開発事業こそ見直していくべきです。
 また、容積率緩和によるホテルの誘導についても、需要と供給のバランスが担保されず、ホテル不足になるという裏付けデータもない、と区自身が認めるなかで、必要な施策とは到底、思えません。
 計画についての公衆の縦覧や意見書提出も可能ではあるものの、多くの区民はそうした制度があることを知りません。
 日本橋問屋街や銀座、晴海などに設置されているデザイン協議会やまちづくり協議会などの活性化と併せ、幅広い区民と区が直接、まちづくりについて協議し、多様な意見を反映させた地区計画とする必要があります。
 こうした様々な課題があることから、議案第34号「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」に対し、反対します。

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