議案第33号 中央区中高層階住居専用地区建築条例を廃止する条例に対する反対意見

奥村暁子

 議案第33号「中央区中高層階住居専用地区建築条例を廃止する条例」に対する反対意見を述べます。
 この議案は、地区計画の改定に伴って、中高層階住居専用地区を廃止するための条例です。
 これまで月島区域の晴海・豊海地区を除く6つの地区には、中高層階住居専用地区が指定されており、第2種では4階以上、第3種では5階以上の階について、住居系の用途に限定されていましたが、今回の改正により中高層階住居専用地区が廃止され、新たな地区計画が適用されます。
 もともとは定住人口の維持回復を目標に、住宅の確保と住環境の保護を図るため、地域特性に応じ、月島地区に中高層階住居専用地区が指定されました。
 しかし、人口が回復し、中央区地区計画が改定されるもとで、当該地区計画と整合性を図る必要が生じたことなどを理由に、中高層住居専用地区が廃止されることになります。
 このことにより、月島地区でも区内の他地区と同様に、ホテル用途への誘導がすすめられることになりますが、本議案の中高層階住居専用地区の廃止が適用される月島地区は、路地を中心とした居住機能が高い下町風情を有するまちであり、こうした風情ある街並みを残す意義からも、ホテル誘導は適切とは言えず、地域でもホテル整備を望む声は聞かれないのが実態です。
 本議案は、月島地区の最大の課題ともいえる、路地に面した建築物の再生や更新を進めやすくするものでもありません。
 区は「コミュニティでつながるまち・月島」を掲げ、2016年9月に「月島地区まちづくりガイドライン」を策定しています。
 今、必要なことは、ホテル誘導ではなく、路地を生かした中低層のまちづくりで住環境をまもり、コミュニティ形成をはかることではないでしょうか。
 以上の理由から、議案第33号「中央区中高層階住居専用地区建築条例を廃止する条例」に反対します。

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