2019年 区議会第一回定例会 一般質問

2019年2月25日

日本共産党中央区議会議員 加藤 博司

【質問項目】

  1. 暴走する安倍政権について
  2. 築地まちづくり方針(素案)について
  3. 国民健康保険料について

 日本共産党の加藤博司です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問は、あらかじめ留保します。

1.暴走する安倍政権について

 はじめに、暴走する安倍政権について質問します。
 安倍政権は、安保法制いわゆる戦争法、共謀罪、秘密保護法をはじめ、国民多数が反対する悪法を「数の力」で強行し続けています。沖縄県知事選挙で示された民意に逆らい米軍基地建設を強行する姿は、この政権が国民の声に耳を傾ける姿勢がみじんもないことを示しています。民意無視の強権政治を、厳しく批判します。
 この強権政治は、ウソと隠蔽(いんぺい)の政治と表裏一体です。森友・加計疑惑では、安倍首相のウソにつじつまを合わせるために、まわりがウソをかさね、公文書の改ざんまで行われました。南スーダンでの自衛隊の「日報隠し」、「働き方改革」法をめぐるデータねつ造、外国人労働者の劣悪な労働実態が記された調査結果の改ざんと隠蔽、そして勤労統計の偽装など、強権政治を押し通すために、"ウソと隠蔽"がこんなにも繰り返されるのは異常な事態です。
 最初に、安倍政権の国民主権をないがしろにして、民意無視の強権政治、ウソと隠ぺいの政治姿勢は許すことは出来ません。安倍政権の政治姿勢について区長の見解を求めます。
 さらに、安倍政権は、昨年末、新「防衛計画の大綱」、「中期防衛力整備計画」を決定し、5年間で27兆4700億円の軍事費を投入する空前の大軍拡に突き進もうとしています。日本は、1機116億円もするF35などの米戦闘機を大量に購入しようとしていますが、F35A最新鋭ステルス戦闘機3機分を、認可保育所の増設に回せば、221カ所の増設が可能です。一気に待機児童数を解消することができます。
 さらに、憲法9条に自衛隊を明記し、戦争の放棄や戦力の不保持、交戦権の否認を定めた9条1項、2項を「死文化」させ、海外での自衛隊の武力行使を無制限にする憲法9条改悪をねらうなど、「戦争する国づくり」への危険な暴走を続けています。この動きは、朝鮮半島で非核化と平和の流れが起こるもとで、深刻な矛盾に直面していると考えますが、安倍政権のもとでの憲法改憲や大軍拡の動きについて、区長のご見解を求めます。
 また、安倍政権は、この6年間で1兆6千億円もの社会保障費の自然増を削減してきました。中央区政が、政府の言いなりで保険料など区民に負担を強いるのか、それとも国の悪政から区民を守る役割を発揮するのか問われています。 
 区民に最も身近な自治体として中央区政には、国の悪政から区民生活を守る防波堤としての役割を果たす必要があります。区長の政治姿勢が問われています。お答え下さい。

 次に安倍自公政権が進める消費税増税についてです。
 総務省の家計調査では、物価上昇分を差し引いた実質家計消費支出は消費税が8%に増税された2014年以降、急降下し、1世帯あたり年額25万円も減ったままです。国全体の消費でとらえるGDPでも、家計消費は8%増税による打撃を回復していません。また、毎月勤労統計の政府公表の数字でも、増税後、平均実質賃金は年10万円以上落ち込んでいます。
 消費が冷え込み、賃金・所得が落ち込む中で、今年10月からの10%増税で庶民に5兆円もの大増税をかぶせれば、日本経済に破滅的な影響をもたらすことになります。暮らしも経済も壊す大増税です。「増税は必要」という立場の学者や経済人からも、「こんな経済情勢で増税を強行していいのか」という声があがっています。党区議団が行っている区民アンケートでも、「年金生活なので増税は困る」「ポイント還元は9ヶ月でなくなる。ずーっと続くわけではない。10%は続く」と、増税への不安などが寄せられています。
 そこで区長に質問します。
 第一に、消費支出が減り、賃金も落ち込んでおり、増税の根拠は完全に崩れています。区民生活が増税に耐えられると考えるのか、また消費が冷え込んでいる経済状況下で、増税を強行していいのか、いかがですか、お答え下さい。
 第二に、政府が発行する低所得者向け商品券などは、一度きりの対策です。増税された後、区民生活を、ずーっと支えると対策ではなく一時しのぎに過ぎません。消費税増税中止こそ、最良の景気対策と思いますが、いかがですか、お答え下さい。

2.「築地まちづくり方針(素案)」について

 次は、「築地まちづくり方針(素案)」についてです。
 1月23日、小池都知事が発表した「築地まちづくり方針(素案)」は、築地市場跡地の活用について「東京の持続的成長につなげていく必要がある」とし、都心の大規模な土地の有効利用、国際競争力の向上に資する大規模集客・交流施設を中心とした再開発になっています。場外市場の業者が長年かけて育んできた「築地ブランド」を切り捨てるなど、多くの重大問題があります。小池百合子知事が2017年6月に言明した「築地は守る」の約束は一体どうなったのでしょうか。昨日、21日未明の都議会本会議での施政方針でも、ひと言も触れられていません。
 小池知事が17年6月に発表した豊洲市場移転の基本方針では、築地市場用地に「食のテーマパーク機能を有する新たな市場」を整備するとし、豊洲に移転した業者が希望すれば築地に戻れるようにすると約束していました。
 ところが素案では、この約束をほごにしました。そればかりか、都心に残された貴重な都有地を「民間の知恵」を募集して再開発し、大企業の利益追求の場に提供するものです。
 さらに、東京都は、カジノを含む統合型リゾート(IR)について、カジノの制度構築を着実に行い、地方自治体に対して早期に適切な情報提供を行うよう国に提案・要求をしました。都の関係者は「カジノ誘致については実務的に調査を進めている。手を挙げるかどうかは小池知事の判断次第」と語っています。
 日本共産党区議団は、築地市場移転後の築地場外市場や周辺地域において、4回の聞き取り調査を行ってきています。今月2月19日には、聞き取りなどで出された「カジノなんかいらない」「出来れば市場が戻って来て欲しい」と言った声を紹介し、4項目の申し入れを行いました。
 そこで区長に質問します。
 第一に、小池知事に対し、公約に立ち返って再開発方針素案を撤回し、市場業者、都民、築地市場の保存を求める建築関係団体の声を聞いて活用方法を再検討するよう求めるべきです。お答え下さい。
 第二に、中央区として、市場としての機能性に優れ、建築学的にも価値の高い水産仲卸棟は、保存・再生して後世に残すよう都に求めるべきです。お答え下さい。
 第三に、本会議場でも区長は「カジノは反対」と述べています。中央区にはつくらせないという強い意志を都に伝える責任があると思いますが、いかがですか。お答え下さい。
 第四に、都に対して、場外市場関係者や地元住民、区議会の意見を十分に聞いて反映させるよう求めるべきだと考えます。いかがですか、お答え下さい。

3.国民健康保険料について

 次は、国民健康保険料についてです。
 高すぎる国民健康保険料と、また「協会けんぽ」等との保険料の格差が、全国的に大問題になっています。
 23区内に居住する給与年収400万円の4人世帯が、協会けんぽに加入した場合、保険料の本人負担分は約19万8千円ですが、同じ年収・家族構成の世帯が国保加入者だと国保料は年42万6千円、実に2倍以上の格差が生じています。
 この25年間に、1人あたりの国保料が、6万5千から9万4千円と、3万円も引き上がりましたが、同時期に、国保加入世帯の平均所得は276万円から138万円に半減しています。加入者の所得は低いのに保険料は一番高い、この矛盾が深刻化するなかで、高すぎる保険料が低所得世帯を苦しめています。
 公的医療保険は、国民に平等に医療を保障するための仕組みであり、加入する保険によって負担給付に大きな格差があることはそもそも制度の趣旨に反します。こうした格差をなくすのは、社会の公平・公正という面からも当然のことです。
 政府・厚生労働省も、医師会などの医療関係者や、全国知事会・全国市長会などの地方団体も、国保を、国民皆保険を下支えする「最後のセーフティネット」と位置づけており、全国知事会は、国保制度の「持続的運営」と、国保料を「協会けんぽの保険料並み」に引き下げるために「1兆円の公費負担増」を政府に要望しています。高すぎる国保料を「協会けんぽの保険料並み」に引き下げることは、喫緊の課題です。
 それなのに、政府・厚労省は、国保料を下げるために各自治体の努力で行っている法定外繰入を「削減・解消すべき赤字」と決めつけ、中央区は、今年度、法定外繰入を2億円も削減しました。その結果、国保料は4000円引き上げられました。
 高すぎる国保料のため、中央区の滞納世帯は加入世帯の20%を超えています。先の2018年第4回定例会で、我が党の奥村議員の一般質問に対する区の答弁で、滞納世帯は5937世帯、所得階層別内訳は賦課の基礎となる所得200万円未満が3189世帯と半数以上が所得200万円未満だということが明らかになりました。また、2017年度差し押さえ件数は259世帯、所得階層別では200万円未満が57世帯と答えています。
 区長は、「今後も被保険者間の公平性を確保する」として、「一定の目標を掲げ」差し押さえを行う考えですが、滞納者を追い詰める取り立てを止め、生活再建型で相談に乗る国保行政に切り替えるべきです。
 そこで区長に質問します。
 第一に、区が行った2億円の法定外繰入の削減を撤回し、増額を求めます。お答え下さい。
 第二に、国保料滞納者に対して、「一定の目標を掲げ」差し押さえを行うとしていますが、「一定の目標」とは、どんな目標ですか。具体的な数値をお答え下さい。

 次は、世帯員の人数に応じて課せられる均等割についてです。
 国保料には、所得に応じて決まる所得割と、0歳児を含め加入する家族の人数によって決まる均等割があります。均等割は家族が増えるたびに一定額の負担が増える仕組みで、会社や事業所で働く人たち、その家族も一緒に加入する健保組合や協会けんぽなどにはない制度です。原始的で過酷な税とされる「人頭税」と同様の仕組みです。
 そのため国保は、多人数世帯でとりわけ負担が重くなっています。39歳以下の人の場合、医療分と支援分を合わせると1人5.1万円にもなります。家族が1人増えるごとに10.2万円、15.3万円と国保料の負担額が重くなります。
 均等割はゼロ歳児にまでかかります。また、加入者の医療費をまかなうための「医療分」だけでなく、高齢者医療を支えるために拠出する「支援分」にも均等割があります。ゼロ歳児にまで、高齢者医療を支えるための負担を求める、まさに、不合理きわまる仕組みです。
 そこで区長にお聞きします。均等割軽減を求めますがいかがですか。お答え下さい。

 以上で1回目の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

 


 

日本共産党中央区議会議員 小栗智恵子

【質問項目】

  1. 区長所信表明について
  2. 日本橋上空の首都高地下化について

 日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。積極的なご答弁を期待します。
 なお再質問、再々質問をあらかじめ留保いたします。

1.区長所信表明について

 初めに、22日に行われた区長の所信表明についてです。
 区長は所信表明の中で今期をもって退任すると表明され、8期32年の足跡を述べられました。
 区長が就任された1987年当時、地価高騰と底地買いの横行で、急激な人口減少とまちの空洞化が進んでおり、区長は切実な危機感から「都心に人が住めるようにしよう」と「定住人口回復」に取り組んできた。当時は、「都心居住は現実的ではない」など、国や東京都を含め周囲からの見方は冷ややかで、いわば孤軍奮闘のような状況だったけれど、信念をもって「快適な都心居住に向けたまちづくりを進めてきた」と述べられました。
 国や東京都の「冷ややかな対応」に抗して、区民の暮らしを守るために頑張ることは、地方自治の神髄だと思います。
 地価の高騰で、相続税の納税のため売却や現物給付を余儀なくされ、住み慣れた土地を離れざるを得ない事態が深刻になった1993年には、区長先頭に、町会連合会・区議会・区の3者主催で、固定資産税、相続税の大幅な負担軽減を求める区民大会を成功させ、国や都に要請行動したこともありました。
 日本共産党区議団は、大企業による土地の買い占めや乱開発を抑えるために「開発指導要綱」の制定することや低家賃の公共住宅の整備などを提案し、「子どもの声が聞こえるまちにしよう」とみなさんと力をあわせてきました。
 人口回復に向けた様々な取り組みや区の努力の結果、97年には7万人を切るのではないかという人口減少に歯止めをかけ、昨年5月には59年ぶりに16万人を超える人口回復となりました。

 しかし、急激な人口増で、さまざまなひずみが生じていることも直視しなくてはならないと思います。
 1997年には区内ほぼ全域に、地区計画の変更でマンション建設の誘導策を導入しました。当時の都市計画審議会で、日本共産党の森山一委員は、建て替えを促進するための地区計画変更が、乱開発につながる「もろ刃の剣」だと指摘しました。その指摘通り、規制緩和の恩恵を受けて、マンション建設が各地で進み、区外からの入居者が増えて、急激な人口増加となりましたが、立ち退かざるを得なくなった人、区外に転出せざるを得ない人も多かったことも忘れてはなりません。
 マンションの建設ラッシュは現在も続いており、直近の5年間(2014~18年)だけでも312件のマンションが新築(確認申請)されました。同時期に206件の相隣問題の相談が寄せられ、工事中の問題や住環境への影響について不安や懸念が広がっていることを示しています。急激な人口増や住民の入れ替わりで、町会を中心とした地域コミュニティが困難な状況に追い込まれています。またマンションの中で暮らすひとり暮らしの高齢者の支援も大きな課題となっています。
 こうした中、今年1月、マンション建設の抑制のため、容積率緩和をやめる地区計画の変更を行いました。地区計画について、どう総括し、住環境や地域コミュニティーに与える影響についてどう検討し、マンション抑制策を図ることにしたのか理由をお示しください。

 まちづくりの問題では、私たち党区議団は「都心再生」、国家戦略特区構想など、国や東京都とともに、巨大開発を進めている姿勢について、一貫して問題点を指摘してきました。
 開発事業の全部に反対しているのではありません。老朽化対策の必要な建物の更新や、市街地再開発で共同化による建て替えをおこない、緑地や公共施設も整備し、従前居住者の方も住み続けられるまちをつくることは否定しません。
 しかし、以前、区は中央区を「丸の内や汐留のような街にはしない」と言っていたのに、東京駅八重洲口には、城東小学校を種地とした八重洲2丁目1地区など、4棟の高さ250m級の超高層ビルが立ち並ぶ計画を、国家戦略特区として進め、丸ビル(h179m)、新丸ビル(h198m)よりさらに高いビルを建設するために、容積率の割増し、区道の廃止・付け替えなどの様々な規制緩和や優遇策、学校敷地の提供、莫大な補助金の投入がおこなわれています。
 中央区には、銀座ルールという、地元の合意の元で、建物の高さを制限し、街の特性を生かした街づくりをすすめる、誇るべきルールがあります。
 それなのに、一方では、八重洲や日本橋エリアは、規制緩和の大サービスで、高さ250mを超えるような超高層ビルを乱立させ、財界や大企業の利益追求の再開発事業に、補助金も投入し協力しています。これが「『世界一の都市を目指す東京都の牽引役』の仕事」ということなのでしょうか。ご見解をお示しください。

 所信表明では、介護保険や子ども・子育て支援など、社会保障制度の枠組みが変わる中で、特別養護老人ホームや保育所などの整備など、区民福祉の向上に取り組んできたと述べられました。
 確かに、区立の特別養護老人ホームの整備や、区独自の「お年寄り介護応援手当」、出産支援タクシー券の贈呈など、きめ細かな福祉施策を行なってきたことについては評価するものです。
 子どもの医療費無料化についても、他区に先駆けて実施されてきました。
 私たち党区議団は、1992年3月に乳幼児医療費無料化の条例を提案し、その年の5月に全会派で区長に要望書を提出したことにより、93年4月から3歳未満の医療費助成制度が始まり、2007年には中学生まで通院・入院とも窓口負担が無料となる助成制度が実施されています。
 その後も、党区議団は、千代田区のように18歳までの無料化をぜひ実施するよう求めてきました。しかし、区はいまだに実施しようとしていません。高校、大学進学時期は教育費負担も重い中で、子育て支援、健康の増進のために、ぜひ実施すべきと考えます。
 実施する場合の費用は1億3千万円と試算されます。やる気があれば可能だ考えますが、ご見解をお示しください。

 さらに現在、区独自に進めてきた福祉のサービスを、人口増で対象者が増えたことを理由に、敬老祝品の対象年齢を引き上げて贈呈額は削減したり、出産支援タクシー券も3万円から1万円にするなど、人口増で区民税の収入も増えているにもかかわらず、福祉の施策は細かく見直しを行い、サービスの削減を進めていることは問題です。
 また、国は、年金、医療、介護などの予算を削減し、制度の改悪を進めていますが、区民に一番身近な自治体が、そうした福祉切り捨ての防波堤になって、区民の暮らしや福祉を守るべきだと考えます。しかし残念ながら、この間、生活保護世帯への夏期・歳末見舞金が廃止され、介護保険利用料3%への減額制度を打ち切ることを決めています。新年度には後期高齢者医療制度の軽減特例の廃止が実行に移されようとしています。
 福祉の増進をはかることは自治体の責務です。福祉サービスの復活や、事業の継続、充実を求めます。いかがですか。見解をお示しください。

 次に、新年度予算案に関連して、いくつかの問題について質問します。
 第1に、待機児対策についてです。 
 人口増にインフラ整備が追い付いてない問題で、最も深刻なのが、保育所不足です。
 土地がない、区立は困難だとして、整備計画は当初、都が規制緩和で打ち出した「認証保育所」が中心でしたが、日本共産党区議団は、都有地の活用などで園庭のある認可保育所の整備を進めるよう求めてきました。現在、区内には区立保育所・子ども園が16施設、民間の認可保育所が36施設、と「認可保育所」が主流となり、定員も10年間(2008年~17年)で2725人増えて4230人(2017年度末現在)となりましたが、それでも待機児が増え続けて、今現在、4月入転園を希望して内定していない人数は766人という深刻さです。
 新年度予算で保育所の増設も計画されていますが、待機児解消は計画通り達成できる見通しなのかお示しください。
 また、新年度予算で、認可保育所の入所が待機となっている0歳~2歳児クラスの児童を対象に、居宅訪問型保育事業を定員10人程度行なうとしています。昨年7月に、保育ママの元で午睡中の死亡事故が起きており、現在事後的検証委員会で安全性の検証などの審議が行われ、まだその報告も出ていない状況の中、住宅の安全性などの要件を確認して実施される保育ママより、さらにリスクある居宅訪問型の保育サービスを導入するというのは大問題だと考えます。
 きちんとした検証もなく、実施するのは止めるべきです。お答えください。

 第2に、学童クラブと子どもの居場所「プレディ」についてです。新規に「プレディ」で学習支援を行なうことは評価しますが、児童館での学童クラブがいっぱいで、原則1年生から6年生まで利用できるはずなのに、1・2年生で定員いっぱいの状況になっているところもあります。「プレディ」で解消せず、希望者全員が安心して通える学童クラブの増設を進めるべきです。ご答弁ください。

 第3に、受動喫煙防止対策についてです。
 健康増進法、東京都受動喫煙防止条例施行に伴って、本庁舎などの喫煙所の撤去、灰皿を設置している区立公園の分煙環境の整備などが予算化されていますが、子どもも利用する公園は、全面禁煙にすべきではないでしょうか。
 また、多くの人が利用する民間商業施設での無煙化促進や、飲食店で禁煙にするとむしろ収益が上がるという調査結果などを積極的に周知し、無煙化を促進するため、飲食関係団体に協力を求めることが大切だと考えます。ご見解をお示しください。

 第4に「特別支援教育への対応」では、心身に障害のある児童・生徒を対象とする特別支援学級に通う人数が増え、教室不足が深刻化してきていますが、特別支援学級の増設計画は進んでいますか、お答えください。

2.日本橋上空の首都高地下化について

 次の質問は、日本橋上空の首都高地下化についてです。
 2月に、神田橋JCTから江戸橋JCTの首都高地下化工事についての都市計画変更素案説明会が行われました。
 2月17日の説明会では、会場からは、「ルート案は何案を検討したのか」「3200億円かかるといわれているが、川底を掘る工法ならまだしも、地下深くトンネルを掘る工事で実際はもっと経費がかかるのではないか」「地上部の新設道路の図が示されているが、現在は建物がある場所。建物は撤去するのか」「今回説明された部分以外の高速道路の耐震化などはどうなるのか」など様々な質問、意見が出されました。
 それに対し、高架道路の橋脚部があるので、川の下を掘ることはできない、高架部と地下トンネルを結ぶ地上部道路予定地にある建物については、区がすでに、別の再開発の場所に移す相談に入っているという説明がありました。しかし、まだ質問したいと10人以上の挙手があったのに「時間ですので」と打ち切ってしまい、説明会のあり方も問題だと考えます。
 日本橋川の川底を交差し、高架道路の杭を避け、地下鉄を避けて、日本橋の上空だけ「地下化」するのは大変な難工事で、さらに費用が膨らむのは目に見えています。地下化をやめて「撤去」することを、もう一度真剣に検討すべきだと考えます。ご答弁ください。
 今回の説明会では、江戸橋JCTでの渋滞を避けるため、環状線機能は八重洲線を使うことが示されていました。そうであるなら、なおさら、江戸橋~神田橋を「撤去」することも可能だと感じました。
 「撤去した場合のシミュレーション」の上、地下化を決定したと言われていますが、実際に当該路線を「通行止め」にして社会実験をおこない、撤去した場合の影響を実地に調査することを求めたいと思いますがいかがですか。ご見解をお示しください。
 実際に工事を始めるとしても来年の東京五輪後だというのに、今年8月には道路部分の都市計画変更の手続きを行なってしまおうというスケジュールは、あまりに急ぎすぎではないでしょうか。なぜ都市計画決定を急ぐのか、理由をお示しください。

 日本橋川沿いでは巨大再開発計画が進んでおり、再開発に合わせて地下化工事をすすめる予定です。日本橋コレドのある中地区はすでに都市計画決定され、全体で5か所の再開発計画が動いており、首都高地下化とリンクさせて、空をふさぐような再開発を進めることは問題です。地権者やその周辺でも反対の声があります。計画の抜本的な見直しを求めます。ご見解をお聞かせください。

 以上で第1回目の質問を終わります。ご答弁をよろしくお願いします。

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