2018年 区議会第三回定例会 一般質問

2018年9月25日

日本共産党中央区議会議員 小栗智恵子

【質問項目】

  1. 暴走を続ける安倍政権について
  2. 築地市場移転問題について
  3. 保育事故の根絶と質の高い保育の実施について
  4. 「健康で文化的な生活」を保障する生活保護制度について
  5. 住み慣れた地域で暮らしていくための介護保険について
  6. 首都高日本橋地下化と周辺再開発について
  7. 性的マイノリティの人たちが暮らしやすい社会について

 日本共産党の小栗智恵子です。私は、日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。積極的なご答弁を期待します。
 なお再質問、再々質問をあらかじめ留保いたします。

1.暴走を続ける安倍政権について

 初めに、暴走を続ける安倍政権について質問します。
 安倍政権が2015年9月19日に安保法制、いわゆる戦争法の成立を強行して3年が経ちました。
 今年6月米朝首脳会談が開催され、今月18日には平壌で南北首脳会談もおこなわれて、朝鮮半島の非核化に向けて劇的な変化が起こり、安倍政権が戦争法の最大の口実にしてきた「北朝鮮の脅威」の根拠は大きく崩れつつあります。
 しかし、安倍政権は、9月17日、海上自衛隊による南シナ海での潜水艦などによるはじめての訓練を実施し、「シナイ半島駐留多国籍軍・監視団」への陸上自衛隊派遣を検討するなど、「戦争する国づくり」にむけた姿勢をあらわにしています。
 そして、「日本を取り巻く安全保障環境は格段に速いスピードで厳しさを増している」として、軍事力を強化し、改憲を進めることに前のめりです。
 そこで質問します。
 第1に、軍事力を強化し、北東アジアでの緊張を高める安倍政権の姿勢について、どうお考えですか。
 第2に、改憲問題について区長は「憲法改正は国の根幹にかかわる事項であり、発議権を有する国会において、慎重かつ丁寧な審議が行われることが必要だ」と繰り返し答弁されています。安倍首相は、国会として改憲案を発議しないことを「責任放棄」だとか「サボタージュ」などと言って攻撃していますが、憲法尊重擁護義務のある総理大臣が、国会そのものを自らの意思に従わせようすることは、議会制民主主義を破壊する大問題だと考えます。いかがですか。ご見解をお聞かせください。

 外交の面では、9月12日、ロシアのウラジオストクで行われた「東方経済フォーラム」でプーチン大統領が前提条件なしの平和条約締結を呼びかけたのに対し、安倍晋三首相は何の反論もしないまま帰国し、大きな問題になっています。
 日本共産党の志位和夫委員長は「『条件なし』での平和条約締結は、領土要求の全面放棄となる。1956年の『日ソ共同宣言』以降の歴代日本政府の立場すら自己否定することになり、ロシア側の主張への全面屈服になる。反論はおろか異論一つのべないとは屈辱外交」だと厳しく批判しました。
 そこで質問します。安倍首相の態度に各界から批判が上がっていますが、この問題についての区長のご見解をお示しください。

 次に国の財政問題です。
 防衛省の概算要求では、過去最大の5兆3千億円を計上し、18年度の当初予算に比べ1千億円も増額しています。朝鮮半島の非核化に向けて、平和の激動が始まっているにもかかわらず、安倍政権は、それには目を向けず、北朝鮮の脅威を一層あおり、「弾道ミサイル防衛」能力の強化として、陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の本体2基を導入するため2400億円もの関連経費を盛り込むなど、大軍拡をさらに進めようとしています。
 その一方、人口の高齢化などに伴って支出が増える社会保障予算に関わる厚生労働省の概算要求は32兆円近くとなっていますが、安倍政権は「自然増」予算を含め大幅に削り込む計画です。
 そこで質問します。社会保障費の削減は、区の福祉関係予算に直結します。国民の暮らしを脅かす「自然増」の削減などを止め、社会保障予算を増やすよう求めるべきと考えますがいかがですか。ご見解をお示しください。

 さらに国の19年度予算編成で最大の焦点の一つが、19年10月実施予定の消費税率の8%から10%への引き上げです。
 消費税は低所得層ほど負担が重く、暮らしも経済も破壊するのは明らかです。
 また、地方消費税の精算基準の見直しや、法人住民税の一部国税化が消費税増税でさらにマイナス影響となるなど、地方財政への影響はいっそう拡大します。
 そこで質問します。消費税増税は中止するよう求めるべきだと考えますが、いかがですか。また、地方分権に逆行する歪んだ税制を是正するよう強く求めるべきだと考えます。区長のご見解をお示しください。

2.築地市場移転問題について

 次に、築地市場移転問題について質問します。
 東京都は、あと2週間後10月11日の豊洲市場開場にむけて、移転を強引にすすめようとしていますが、9月19日、築地市場で営業する仲卸業者など56人が、豊洲市場への移転差し止めを求める訴訟と、差し止め仮処分の申し立てを、東京地方裁判所に行いました。原告側は「豊洲市場の土壌汚染は解決されておらず、安全・安心は確保されていない」とし、憲法で保障されている人格権が侵害されるとしています。
 生鮮市場としての安全性も、業者の営業権も保障しない都の移転計画は、ますます行き詰まっています。
 9月11日には豊洲市場の荷下ろし場で、地盤沈下によって幅10m、段差5cmのひび割れがあることが明らかになりました。その後の調査で、合わせて11カ所もの亀裂や不具合が見つかっています。
 これまでも土壌汚染に加え、地下水管理システムが機能していない、駐車場不足、床の耐荷重不足など施設の欠陥が様々指摘されてきましたが、9月16日に行われた全体習熟訓練では、市場に入るにも出るのにも大渋滞がおき、場内の買い回りも時間がかかりすぎる、仲卸棟の排水溝が小さくて使い物にならないなど、問題が噴出しました。築地市場協会の伊藤会長も「言い出したらきりがないくらいいろんな問題がある」と述べています。
 そこで質問します。
 第1に、移転の直前になっても、移転差し止めの申立が出され、施設の欠陥も次々と明らかになる中、到底移転は不可能ではないでしょうか。小池知事の「安全宣言」は信頼できない、科学的な根拠のない「安全宣言」を取り消すべきだという声が広がっています。小池都知事に「安全宣言」を取り消すよう要請する考えはありませんか。お答えください。
 第2に、移転を強行すれば大混乱に陥ることは必至です。少なくとも10月6日からの引越し予定は延期が必要だと思いませんか。お答えください。
 第3に、区長は、東京都と中央区との移転に関する合意の前提は「安全性の確保」だと繰り返し答弁されてきました。どう考えても豊洲の施設は「安全性が確保されている」とはいえないのではないでしょうか。移転していない今だからこそ、「合意」を破棄し、勇気をもって「移転の中止」を求めて頂きたいと思います。いかがですか。ご答弁ください。

3.保育事故の根絶と質の高い保育の実施について

 次の質問は、保育事故の根絶と質の高い保育の実施についてです。
 2カ月前の7月27日、区内の家庭的保育事業者、いわゆる保育ママを利用している乳児が、救急搬送されたのち死亡したという報告を受け、大変ショックを受けました。
 保育ママのもとで、保育中に乳児が亡くなった件数は、2011年、2016年につづき3人目です。
 私は、日本橋室町の認可外保育所で、2016年3月に1歳2カ月の男の子が死亡する事故がおき、亡くなった男の子の母親から「こうした悲しい事故がくり返されないようにしてほしい」という訴えを直接聞いて、その年の6月の定例会で、このような事故はあってはならないという思いで、数々の再発防止のための提案を行いました。
 区も、認可園だけでなく、認証保育所、認可外保育所などへの巡回指導などを増やし、3名の保育ママのところにも、昨年度で20回の巡回指導や危機管理の研修、連携園との交流などで、事故防止に努めてきたということですが、残念なことにまたこうした事故が起きてしまいました。
 そこで質問します。区長は、2016年第三回定例会でも、保育園での死亡事故について「ゼロを目指してしっかりといきたい」と答弁されましたが、今回の事故について、どのようにお考えでしょうか。またこれまで、死亡ゼロめざしてどう取り組んできたのか、今後の課題をどう考えているのかお示しください。

 16年の第二回定例会での私の質問の時も紹介しましたが、内閣府の調査に基づいて、死亡事故を子ども一人あたりに直した比率は、認可外と認可では認可外が60倍高いということです。
 中央区における保育ママのもとでの死亡事故は、2016年は病気によるものと診断されましたが、7年間に3人が亡くなっています。施設数も保育している乳幼児の数の多い他の認可保育所などの集団保育に比べ、余りに高い事故率といわざるをえません。
 一人で三人までの子どもを預かることができるという保育ママ制度は、補助者をつけずに一人で保育することも認められており、安全面で限界があることは明らかではないでしょうか。
 そこで質問します。
 第1に、今回の事故について「事後検証委員会」が設置されましたが、死因や午睡チェックの状況、保育環境、人的配置や保育内容なども十分検証して、再発防止の教訓にしていけるよう求めます。お答えください。
 第2に、保育事故を根絶するために、保育ママも、保育士などの資格をもち、見守りが途切れないよう複数配置することを義務化するなど、区独自に規制を強化することが必要だと考えます。いかがですか。
 第3に、0歳・1歳の低年齢児は、集団保育のできる認可保育施設に入所できるようにし、保育ママの元での保育は中止するべきだと考えます。いかがですか。
 第4に、現在保育ママを利用している保護者は、認可保育所を希望したけれど入所できず、区の紹介で保育ママに頼んでいるという実態からも、認可保育所を増やして、希望者が全員入れるようにすることが必要だと考えます。いかがですか。
 第5に、保育ママだけでなく、すべての保育施設で保育事故を根絶するために、子どもを中心とした保育を実践するための基本的な指針となる「保育の質のガイドライン」を策定することを提案します。「保育の質のガイドライン」は、保護者、保育施設関係者、学識者などとの議論をふまえて策定し、子どもの権利、職員に求められる資質、保育環境、保育内容、安全管理、保護者支援、地域の子育て支援、運営体制など具体的な項目を示すことで保育の質の向上をはかるものです。いかがですか。
 それぞれご答弁ください。

4.「健康で文化的な生活」を保障する生活保護制度について

 次に「健康で文化的な生活」を保障する生活保護制度について質問します。
 安倍政権は、来月10月1日から、生活保護のうち食費など日常生活に充てる「生活扶助費」を引き下げようとしています。生活扶助費は今後3年かけて段階的に減らし、全て実施すれば、国と地方合わせて210億円が削減されます。
 厚労省の試算では、都市部の単身世帯はほとんどの世帯で生活扶助費が減額となり、「夫婦と子ども2人の世帯」では年10万円以上も少なくなるケースがあります。
 今回は生活扶助だけでなく母子加算なども引き下げられ、児童養育加算は高校生にも拡充される一方で、3歳未満への支給額は、これまでの1万5千円から1万円へ、5千円も削減されます。子どもの貧困対策にも逆行するものではないでしょうか。
 厚生労働省は、所得が生活保護の基準を下回る世帯のうち、保護を利用している世帯は約2割という推計結果を発表していますが、このように捕捉率が低いという問題を放置したまま、所得の低い一般世帯と比較して扶助基準を引き下げるのでは、格差と貧困の拡大を助長してしまうことになります。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と明記した憲法25条に反する事態を、拡大させることは許されません。
 生活保護を利用して、闘病生活をおくっている方から、「いまでもぎりぎりの生活なのに、また生活費が削られると思うと不安。そのうえ、今年のこの猛暑の中、電気代もかかるのに、見舞金が廃止されて切ない」という声が寄せられ、私も切ない思いにかられました。
 そこで質問します。
 第1に、生活保護費の引き下げを止め、健康で文化的な生活を保障するため、削減されてきた生活扶助基準を元に戻し、物価上昇や生活実態にふさわしい水準に引き上げるよう国に要請すべきだと考えます。いかがですか。
 第2に、法定外の支援事業として区が独自に行っていた見舞金制度は、他の区がすでに廃止したことを理由にして、2017年には歳末分、この夏から夏期も廃止し、すべてやめてしまいました。生活費のかかる都心区であり、生活保護利用者から喜ばれていた見舞金制度をぜひ復活させるよう求めたいと思います。いかがですか。お答えください。

5.住み慣れた地域で暮らしていくための介護保険について

 次に、住み慣れた地域で暮らしていくための介護保険について質問します。
 高齢者世帯の方から「要介護度が1になり、介護用ベッドの利用料が増えてびっくりした」と相談がありました。起き上がり機能のついた特殊寝台は、要介護2以上でないと介護保険で利用できないため、利用料が1割負担から全額負担になってしまいます。
 また、介護保険の利用料は、制度が始まった2000年から利用者負担は1割でしたが、2015年8月からは、単身世帯で所得280万円以上・2名以上世帯で346万円以上なら2割負担へ、さらに、今年8月からは、単身で340万円以上・2名以上世帯で463万円以上の方の利用料は3割負担に引き上げられました。
「毎月の保険料も大変だけど、利用するとお金がかかるので受けるサービスを減らすしかない」「障害年金がたよりの生活で、今までは利用料が3%になる区の制度で助かっていたが、3年後には減額打ち切りというお知らせが来た。体の具合は年々悪くなるのに、利用料が上がったら暮らしていけない」という声が寄せられています。

 介護保険制度は、2000年に、「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンをかかげて導入されましたが、実際には、要介護度に応じてサービス内容や支給額が制限され、スタート当初から「保険あって介護なし」と言われてきました。
 歴代政権の社会保障費削減路線のもと、負担増やサービス取り上げの制度改悪が繰り返され、中央区世論調査でも多くの方が在宅介護を望んでいるにもかかわらず、「介護保険だけで在宅サービスを維持できない」状況がますます深刻化しています。
 そこで質問します。
 第1に、軽度者にたいする訪問介護・通所介護・福祉用具などの厳しい利用制限や、生活援助の基準時間の「60分」から「45分」への短縮など、この間、続けられてきた在宅サービス切り捨てを抜本的に見直すよう国に求めることが必要だと思いますがいかがですか。
 第2に、高齢者のサービス利用をはばむハードルとなっている自己負担の重さを軽減するために区独自に行ってきた利用料負担3%への減額制度を、今後とも続けるよう求めます。いかがですか。
 第3に、国の制度として低所得者の利用料を減額・免除する制度をつくり、経済的な理由で介護を受けられない人をなくすよう、国に対し改善を求めることも必要だと考えます。いかがですか。
 それぞれお答えください。

 在宅サービスと合わせて充実が求められる、特別養護老人ホームなどの施設サービスは、この間、地域密着型特養ホームの施設が整備され、桜川にも敬老館・保育所の改築と合わせて定員29人の特養と定員18人の認知症高齢者グループホームが増設される予定となっています。しかし、特養待機者の方も、今年3月末で295人と増えています。「要介護4の父親の入所を申し込んで2年経ってようやく入所できた。その間在宅サービスだけでは無理で、具合が悪くなって入院したり、老健に入って入所を待っていた」というご家族のお話を伺い、特養ホームの増設も求められると実感します。
 2025年には,団塊の世代が後期高齢者となり、介護を必要とする高齢者も増加します。
 そこで質問します。
 第7期の介護保険事業計画では、桜川の施設のみの整備となっていますが、さらなる特養ホームの増設が必要だと考えます。いかがですか。ご答弁ください。

 さらに伺います。日本橋浜町にあった山村病院が昨年廃院となり、町会や地域の方々から「病院をつくって」という要望が今年1月区議会に出されたことを受け、2月、全会派幹事長名で区長に要請したところ、区がまちづくり基本条例に基づく事業者との協議を行い、跡地に建つマンションの中に保育所と多世代交流スペースができることになりました。しかし、残念ながら、52床の山村病院がなくなり、区内には療養型の医療施設がなくなってしまいました。
 そこで質問します。
 新たに2018年4月に創設された、医療の必要な要介護高齢者のための長期療養・生活施設としての機能を持つ「介護医療院」を区内に整備することが必要ではないかと考えますがいかがですか。ご答弁ください。

6.首都高日本橋地下化と周辺再開発について

 次に、首都高日本橋地下化と周辺再開発について質問します。
 7月18日、第3回「首都高日本橋地下化検討会」が開催され、日本橋上空の首都高速道路を地下化するための「概算事業費」や「事業スキーム」、「道路線形」などが発表されました。
 資料によると、事業区間は1・8㎞、その内地下構造は1・2㎞で、概算事業費は、約3200億円になるということです。1mあたり1億8千万円になる計算です。概算ですから、実際の工事になればさらに費用がかさむ可能性があります。
「名橋日本橋上空の高速道路をなくして青空を」求める声は圧倒的な世論ですが、地下化に対しては、地元も含めて疑問や反対の声が多く出されています。1.8kmの地下化工事にこんなに莫大な費用をかけて行うことが必要なのか、国民的な理解、合意は得られていないのではないでしょうか。
 そこで質問します。
 第1に、中央区としては、今後「地下化」ありきで検討を進める方針なのでしょうか。
 第2に、外郭環状線ができても5%しか交通量が減らないため、「撤去」は難しいとしていますが、東京の交通のあり方全体を検討し、都心に車を入れない態勢をつくる方向で見直し、高速道路網を再検討することが必要だと考えますがいかがですか。
 第3に、「地下化」では費用がかかるだけでなく、工事が終わるまで何年かかるかわかりません。その間、高速道路は耐震上問題があってもずっと使用することになります。「地下化」ではなく「撤去」の方が時間もかかりません。「地下化」計画を見直すよう求めます。お答えください。

 日本橋の高速道路の地下化が検討されている周辺の地域では、現在5カ所の巨大再開発計画が同時進行しています。
 日本橋コレドのある一角、日本橋一丁目中地区は、地上51階、高さ287m、延べ床40万㎡の「空をふさぐ」巨大ビルを中心とした都市計画がすでに決定されています。
 その他に日本橋一丁目東地区などで市街地再開発準備組合が設立され、5地区のうち3地区が国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加されています。
 そして、これらの巨大再開発を区が後押しし、区民の財産である区道を廃止して、80億円の財源を捻出し、「地下化」に貢献するスキームを打ち出しています。
 昨年の区議会第四回定例会での私の質問に答えて、「オフィスとしてはオーバービルディング」と答弁があり、区はすでにオフィスビルが供給過多であることを認めています。しかし、「東京駅前、日本橋のオフィスビル供給については、基本的に不安はない」と答弁しています。供給過多だが、中央区では需要がある、大丈夫と強気の発言です。
 そこで質問します。
 第1に、オフィスビルの需要について、そんなに楽観できるのでしょうか。超高層ビルを乱立させ、一極集中を加速することをこれからも続けるのでしょうか。また、人口減少時代に入り、AI等の発達で、オフィス床の需要がどうなるのか簡単には予測できないと思いますが、いかがですか。
 第2に、地元からも、超高層ビルばかりつくるのではなく、もっと地域の特性「日本橋らしさ」を活かしたまちづくりをという声も広がっています。巨大ビルを中心とした再開発計画を見直し、水辺をいかした、潤いのあるまちづくりへの転換を求めます。ご答弁ください。

7.性的マイノリティの人たちが暮らしやすい社会について

 最後に、性的マイノリティ(少数者)の人たちが暮らしやすい社会について質問します。
 LGBT、性的マイノリティは、一般的には、レズビアン(L=女性同性愛)、ゲイ(G=男性同性愛)、バイセクシャル(B=両性愛)、トランスジェンダー(T=「性別越境者」日本語訳未確定)をさしますが、4つの類型にあてはまらない人たちもたくさんいます。 そのため、最近では、その4つではないが性や恋愛に関するいろいろなことを表すsをつけてLGBTsと表すこともあります。
 どういう立場や分野の問題であれ、マイノリティの人たちが肩身の狭い思いで生活せざるをえなかったり、あるいは差別や偏見のためにありのままの自分を肯定できなかったりすれば、それは健全な社会とはいえません。逆に、マイノリティといわれる人たちが暮らしやすいほど、その社会のすべての人々にとっても暮らしやすい社会であるといえます。
 性的マイノリティをめぐっては、この間、行政的にも社会的にも非常に大きな変化・発展があり、自治体でも前向きの施策が打ち出されています。
 渋谷区では、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認定する「男女平等及び性多様性を尊重する社会を推進する条例」いわゆる「同性パートナーシップ条例」を制定、2015年4月から施行され、同年11月には第1号の証明書が発行されました。同様の動きは世田谷区・中野区、三重県伊賀市などに広がっています。沖縄・那覇市は「性の多様性を尊重する都市・なは」宣言をおこなっています。
 そこで質問します。
 第1に、中央区でも「いのちの多様性」「性の多様性」への理解を促進し、LGBTsを含め、あらゆる差別や偏見をなくす取り組みを進める必要があると考えます。中央区基本計画や男女共同参画行動計画にLGBTsなどについての記述はありませんが、この分野をどう進めていくのか、お示しください。
 第2に、中央区の全職員向けにLGBTs研修などは実施していますか。
 第3に、「同性パートナーシップ条例」についてどのようにお考えですか。中央区で導入する計画はありませんか。
 第4に、行政手続きや申請所類の性別記載をできるだけなくしていくことは、行政が直接取り組むことができる有効な方法の一つです。中央区での対応はどうなっていますか。
 第5に、文京区は、この9月、介護事業者、従事者を対象にした研修会を開催し「LGBTフレンドリー」を打ち出すことで人材不足の解消もめざすということです。こうした取り組みも必要だと考えますが、いかがですか。
 第6に、IOC・国際オリンピック委員会が2014年12月の総会で、「オリンピック憲章に性的指向による差別禁止を盛り込む」とする内容の決議を採択し、その最初のオリンピックが2020年東京五輪です。選手村ができる中央区が「性の多様性を尊重する都市」宣言を行い、世界に発信することは意義あることだと思います。いかがですか。
 それぞれご答弁ください。

 以上で第一回目の質問といたします。積極的なご答弁を期待します。

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