議案第二十六号「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対意見

日本共産党区議団 志村たかよし

 議案第二十六号「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対意見を述べます。
 本議案は、東京都市計画豊海地区地区計画の決定に伴い、当該地区の地区整備計画の区域を定めるとともに、建築物の用途、構造及び敷地に関する制限を定めるため、提出されたものです。
 2011年5月15日に開かれた「東卸住宅建替推進委員会」で、東卸住宅の建て替えを市街地再開発事業で行うことが提案されました。
 民間マンションだけの建て替えを市街地再開発事業で行うのは中央区で初めてです。
 区域面積2hに、高さ189m、56階のタワーマンションを2棟建設することは、事業説明の資料にある、豊海地区の「まちの特性」を生かし、「まちの課題」を解決するものになっていないと考えます。
 すぐ近くにある「ザ東京タワーズ」は、豊海地区の倍の4・3hの区域面積に2棟建っています。つまり、豊海地区では「ザ東京タワーズ」1棟分の区域に、2棟建てる窮屈な計画となっています。
 豊海地区の「まちの特性」としてあげられている「緑と水辺の2つの自然環境に恵まれた地区」の魅力をいかしたものとは言えません。
 区道858号に接する補助314号の道路部分となる2180㎡のオープンスペースはあるものの、広場は敷地面積の26%しかありません。
 豊海地区の自然環境を生かした計画へと見直すことが必要と考えます。
 「まちの課題」として「居住人口増加・高齢化に対応した公共・公益施設の充実」があげられていますが、「居住人口増加に対応」というのであれば、その要因となる人口増加を抑制する事が求められます。
 勝どき5丁目、6丁目をはじめ、勝どき地区では、居住人口の増加が進んでいます。その奥にある豊海地区において、権利者443名、4棟のマンションを5倍の戸数に当たる2150戸のタワーマンションへの建て替えによる人口増加や、約630台の駐車場設置による交通量の増加は、「まちの課題」をさらに深刻にさせることでしょう。
 首都直下地震、メガクライシス巨大地震が注目され、超高層ビル内での避難生活への疑問が指摘される中、狭い敷地に2150戸のタワーマンションを建てる計画は、「まちの課題」である「堤内化による防災性の向上」にも逆行するものです。
 一方、防潮堤内にあった豊海小学校を防潮堤外に移設してから、小学校や東卸住宅が防潮堤内になるように、防潮堤を新設しますが、市街地再開発事業を進めるために整備される防潮堤に、多額の公的資金が投入されることにも疑問を持ちます。
 マンションの老朽化対策の悩みは、多くのマンションが抱えているものですが、豊海地区の「まちの課題」である「快適に暮らせる生活空間」を実現させ、「住環境の向上」や「防災性の向上」および「まちの特性」である自然環境を守り、生かすためには、計画を抜本的に見直すべきだと指摘し、昨年7月31日に行われた中央区都市計画審議会でも反対しました。
 本議案は、抜本的な見直しが求められる豊海地区地区計画の決定に伴うものであり、日本共産党区議団は、「議案第二十六号」に反対します。

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