2018年3月7日 福祉保健委員会付託

「議案第39号 中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する反対意見

日本共産党中央区議会議員 小栗智恵子

 「議案第39号 中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する反対意見を述べます。
 本議案は、国民健康保険法施行令の一部を改正する政令の施行等に伴う、保険料率、賦課限度額及び均等割額から減額する額の改定を主な内容としています。

 本年(平成30年・2018年)4月から、国民健康保険事業は都道府県単位で運営する大きな「制度改革」が始まります。
 中央区は、「都から示された納付金、保険料率を基に、23区の保険料の一体的水準を確保するため統一保険料方式による調整を行い、さらに区における軽減対策を講じたうえで」平成30年度の保険料率の改定等を行なう」としています。

 保険料の均等割軽減制度の判定所得の見直しについては、所得金額の引き上げによって5割軽減と2割軽減の対象者を広げることになるので評価するものです。

 保険料率の改定では、保険料の基礎分および後期支援費分で、所得に応じて支払う所得割を0.11%引き上げ9.54%に、所得に関係なく加入者全員が同額を支払う均等割額を1,500円引き上げ51,000円にするものです。
 その結果、中央区での一人あたりの保険料は、4,013円の引き上げとなり14万2,926円になります。40歳以上65歳未満の人は介護納付金もあわせて、一人あたり17万5,435円となります。
 保険料限度額の改定は、医療分2万円増で58万円に引き上げる内容となっています。

 これまでも高すぎて払えないと悲鳴が上がっている国民健康保険料ですが、「制度改革」でさらに保険料が引き上げられることは問題です。
 第一に、「制度改革」に伴う公費財政支援策として、国が毎年3400億円、都独自に30年度14億円、特別区の激変緩和措置で納付金額を94%で算定するとしています。しかし、6%分を翌年度から1%ずつ減らし、法定外繰入を6年でなくしてしまう予定です。
 「激変緩和」などの措置がなされたものの、それでも保険料が引き上げとなり、さらに今後6年間で法定外繰入をなくして保険料を更に引き上げることを前提とした制度設計になっていることは容認できません。
 第二に、中央区独自の激変緩和措置として、各区で算定できる介護納付金分の所得割率を、標準保険料率で示された2.1%にせず1.06%のままで据え置く(法定外繰入額4,000万円)ことを評価しますが、新年度予算を見ると、「制度改革」により区が一般会計から国保会計に投入する法定外金額は(国保の法定外繰入=一般会計・諸支出金「その他の国民健康保険事業会計繰出金」)は前年度4億9千万円から2億7千万円に激減しています。
 国民皆保険制度の柱であり、高齢者や非正規雇用の労働者が加入する国民健康保険に対し、区の財政を投入して支えることは当然のことです。法定外繰入も増やして、保険料を引き下げるようにすべきです。
 第三に、「制度改革」に伴い、千代田区・江戸川区は23区統一保険料方式から離脱し、来年度から独自に保険料率を設定するとしています。千代田区は、1億7700万円の法定外繰入を行い、保険料の所得割を標準保険料率より引き下げ、均等割額も引き下げることによって、保険料が増額となるのは被保険者の1割に当たる年収1千万円以上の世帯のみで、9割の世帯は介護納付金を含め、624円から9084円の値下げとなるとのことです。
 中央区もこうした独自の保険料率などを採用するなど、保険料の負担軽減に踏み出すことを求めます。

 以上の理由で、日本共産党中央区議会議員団は、「議案第39号」に反対します。

ページトップへ▲