2017年11月30日 志村たかよし
日本共産党の志村たかよしです。
議案第七十三号「中央区副区長の選任同意について」の反対意見を述べます。
本議案は、副区長に吉田不曇氏の選任同意を求めるものです。
日本共産党は、「二人副区長」を批判していますが、吉田氏の選任は、前代未聞の4期目という異常さは、もちろんのこと、それにとどまらない、重大な問題があると考えます。
11月24日の本会議における吉田副区長発言において、吉田氏が、「東京一極集中」の都市計画を進めるにあたって、国や都、そして、デベロッパーのお先棒を担いでいることが、浮き彫りになりました。
中央区のまちづくりは、都市計画を企業の利益獲得のツールとする土建行政の姿と、弱肉強食の新自由主義の思想が具現化されており、これは、住民のためになるとは言えません。都市計画を不動産投資や大企業のために活用することは、地方自治体のあり方に逆行していると考えます。
そのために、様々な問題が、中央区行政に生まれていることを、この機会に指摘させていただきます。
第1に、中央区の文化と伝統や区民生活を破壊する「まちづくり」が進められていることです。
人情あふれるまちが、ビル風吹きすさぶまちになってしまいました。
中央区の下町の風情や長屋と路地文化、八重洲などの歴史ある街並みが破壊されることに怒りと批判の声が広がっています。
第2に、喫緊の課題である木造家屋や長屋の再生・更新よりも、大企業が莫大な利益を上げる大規模開発に力を注いでいることです。
区民のためのまちづくりこそ、地方自治体がすすめるべきまちづくりです。
第3に、民間デベロッパー主体の乱開発による急激な人口増のゆがみが行政課題の深刻さを増幅させていることです。
新「基本構想」の大きなテーマが、人口急増に追い付かないインフラ整備や区民サービスの低下などへの対応策となっていることが証明しています。
この対応に振り回される職員の苦労は、大変なものだと思います。
第4に、築地市場移転問題、環状2号線問題などでも、区のミスリードによる混迷が起きていることです。
築地市場移転に地元中央区が、断固として反対し続けていたら、事態は大きく変わっていたことに疑いの余地はありません。移転前提の築地魚河岸の整備や維持管理などの財政負担も軽視できません。
また、環状2号線も当初計画のように、地下構造になっていれば、築地市場があっても開通できたはずです。
晴海の交通課題の様々な検討・調整も「築地市場移転の呪縛」にとらわれず、早期に取り組めていたでしょう。
これらの問題で、区民の立場にたった意見や問題提起に対し、真っ向から否定する答弁の先頭に立ち、展望が持てない行政課題の深刻さと混迷の要因を作ってきたのは、吉田氏ではないでしょうか。
長期にわたる矢田・吉田体制によって、行政の硬直化を招き、創造性あふれる柔軟性を持った施策の展開が阻まれてしまうことを、たいへん危惧するものです。
副区長は、一人にし、区職員の英知を結集して、行政施策を集団的に推進させるなかで、職員の多様な能力が、いかんなく発揮されてこそ、健全で魅力的な創造性にあふれた中央区政の発展につながると確信します。
以上で、議案第七十三号「中央区副区長の選任同意について」の反対意見の開陳を終わります。
ご清聴ありがとうございました。