議案第63号「指定管理者の指定について(区立区民館 京橋地域)」についての反対意見

日本共産党中央区議会議員 加藤 博司

 日本共産党中央区議会議員団は、議案第63号「指定管理者の指定について(区立区民館 京橋地域)」について反対します。
 本議案は、京橋地域の区民館の指定管理者に三菱地所コミュニティ・セイビ共同事業体を指定するものです。
 以下、反対の理由を述べます。
 日本共産党区議団は、指定管理者制度について、これまでも制度自体の問題点を指摘するとともに、各指定については個別に判断し賛否を表明してきました。
 私たちが指摘してきた問題点の一つに、指定管理事業者における労働環境問題があります。指定管理業者は、指定期間ごとに選考されるため、事業の継続性が保障されず、選考基準では「経費縮減策」など「経営努力」が求められます。そのため労働者の低賃金化や指定期間に合わせた有期雇用や臨時・短時間などの非正規雇用をもたらします。本来、雇用の原則は期限の定めのない無期雇用で、期限のある有期雇用は一時的臨時的なものに限るべきであるにも関わらず、地方自治体が指定管理制度を導入することは「有期雇用」を助長することになります。
 京橋地域の区民館の指定管理者は、2011年にこれまでの株式会社ケントクから、三菱地所コミュニティに変わりました。当時「指定管理者評価委員会」で3地域の中で一番高い評価得たケントクよりも、実績のない三菱地所コミュニティが第一次審査、第二次のプロポーザル審査で高評価を受けました。
 日本共産党は、指定管理者の指定にあたり、三菱地所コミュニティが区に提出した書類とプロポーザルの内容の公表を求めましたが拒否され、議会や区民から目の届かないブラックボックスの中で指定管理者が決まっていく過程を厳しく批判し反対しました。
 職員体制をみると、非正規26名、正規職員1名という体制は指定管理者として指定を受けた時点から続いており、改善されていません。
 区民サービスの質の向上が絶えず求められる区民館業務において、雇用の安定が保障されない非正規雇用を配置し続ける三菱地所コミュニティ・セイビ共同事業体を指定管理者に指定することはふさわしくありません。

 以上の理由から日本共産党区議団は議案63号に反対します。

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