議案第57号「特別区道の路線の認定及び変更について」の反対意見

2017年10月2日 志村たかよし

 日本共産党区議団を代表し、議案第五十七号「特別区道の路線の認定及び変更について」の反対意見を述べます。
 本議案は、「勝どき東地区第一種市街地再開発事業」に伴い、特別区道の路線を認定し、及び変更する必要があるために提出されたものです。
 「勝どき東地区市街地再開発事業」は、土地所有者は12名、借地権者は3名で、2方面が水面に接した敷地に、高さ約195m・地上56階・計画戸数1660戸のA1棟、高さ約165m・44階・860戸の住宅と事務所が入るA2棟、高さ約106m・29階・500戸のA3棟、という3つの超高層住宅棟と高さ18mの消防署を建設するものです。
 3棟の超高層住宅を合わせた戸数は、約3020戸で、駐車場は1231台、自動2輪の駐車場は195台、駐輪場は3090台となります。
 これらの自動車、オートバイ、自転車は、住宅街の中を通って清澄通りと晴海通りの幹線道路を出入りしなければなりません。それは、現在は静かな周辺地域の住環境を激変させるものです。
 また、3000戸の超高層マンションに生活する人々も、住宅街を通って幹線道路に抜けることになり、特に、朝の出勤時間帯は、勝どき駅を降車してオフィスに向かう人々とすれ違う晴海通りと清澄通りの歩道は、今以上に混雑することでしょう。
 勝どき駅まで地下歩行者通路を作ることになっていますが、狭い地下空間を相当の人が行き交うことになり、混雑した地下空間を敬遠する人は、住宅街を通ることになります。朝潮運河に人道橋がかかれば、晴海からの人が合流し、さらなる混雑が予想されます。
 朝潮運河沿いに3棟の高層マンションを建てることは、当然ながら住宅街の日照・日影に影響を与えますが、特に、ヒートアイランド現象を深刻にします。
 公共公益施設や3000の住戸に設置されたエアコンの室外機からの排熱や清澄通りと晴海通りを行き交う自動車のエアコンからの排熱が、東京湾を渡って勝どきのまちにそよいでくる風をさえぎる3棟の超高層ビルと二つの幹線道路に囲まれた住宅街に滞留することになり、ヒートアイランド現象は深刻になるでしょう。
 2014年4月の中央区都市計画審議会に提出された「計画概要書」には、竣工予定が、東京五輪終了後4年たった2024年度であるにもかかわらず、東京五輪後、晴海選手村跡地に1万2千人の街ができることが考慮されておらず、自動車に準じる位置づけがされている自転車の推計や評価もないなど、想定される環境の変化を正しく反映していない不十分なものでした。
 なお、本体工事着工予定は、2015年度、平成27年度末でしたが、いまだ解体工事が始まった様子は見られず、権利変換手続きがやっと半分を超えた状況であることを見ても、事業が順調に進んでいないことを証明しています。 解体工事、本体工事が始まったときには、工事車両の走行による住宅街への影響も重大な問題となるでしょう。
 「勝どき東地区市街地再開発事業」は、周辺地域の環境を激変させて悪影響を与える一方で、工場や倉庫の老朽化と旧耐震基準マンションの課題解決とともに、保留床を取得するデベロッパーの利益獲得に寄与するために、莫大な税金を投入して市街地再開発事業を行うものであり、中央区都市計画審議会で、日本共産党は問題点を指摘し、反対しました。
 今回提出された「議案第五十七号」は、この再開発計画に伴う区道の路線の認定及び変更であるため、認めることはできません。

 よって、日本共産党区議団は、「議案第五十七号」に反対します。

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