2017年3月8日 加藤 博司
日本共産党中央区議会議員団は「議案第16号 中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に反対します。以下その理由を述べます。
本案は、「保険料率及び均等割額から減額する額の改定等をするほか、規定を整備する」ものです。
具体的には基礎賦課(医療)分の所得割を100分の6.86から100分の7.47に引き上げ、加入者一人一人が支払う均等割りは35,400円を38,400円に改めます。後期高齢者支援金分は、所得割は100分の2.02から100分の1.96に下げますが、均等割は10,800円から11,100円に300円の引き上げを行うものです。
この結果、中央区では、国民健康保険料がひとりあたり9,447円引き上げられ、138,913円にもなります。7.3%もの負担増になり、過去5年間で額、率とも最高の上げ幅です。さらに40歳から64歳を対象に介護納付金が1,287円増の32,457円上乗せされ大きな負担増となります。
今回の引き上げは、国保の広域化方針が示されたことを受け、一般財源の繰り入れ割合を毎年縮小させ、16年度は一般財源から繰り入れる割合を33%に縮小し、さらに17年度は25%に縮小することを決定しましたことによるものです。
23区では国保料額を抑制するため、制度上は保険料で賄う高額療養費を、全額一般財源を繰り入れ区民の負担を抑えてきましが、広域化の2018年度には残り25%の繰り入れをゼロにすることから、大幅な値上げになることは必至です。
2016年の決算資料によると国庫負担率は、2006年から2015年の10年間で5%以上削減される一方で、保険料は約1.4倍になりました。
国庫負担率の引き上げを国に求めることと一般会計からの繰り入れを増額すべきです。
国民健康保険制度は、憲法25条に基づく社会保障の柱です。保険料の値上げは、負担能力に応じて税金や保険料を納め、所得を再配分するという税金や社会保障の機能を弱めるものです。
国保加入者に毎年毎年保険料負担の引き上げを求める道は破たんしています。重い国保料の支払いが生活を困難にし、アベノミクスの経済失策により、国民の所得が全体として低下する中で、滞納世帯の増加や、病気になっても必要な医療が受けられない状況が広がっています。国民皆保険制度が根底から破壊されかねない保険料の値上げを認めることは出来ません。
以上の理由により、日本共産党中央区議会議員団は「議案第16号」に反対します。