2016年11月29日 日本共産党中央区議会議員 小栗智恵子
議案第74号 「中央区自転車の放置防止に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対意見を述べます。
本議案は、新たに区立銀座六丁目地下駐輪場を設置するとともに、当該駐輪場の利用手続きを定めるために提出されたものです。
駐輪場が不足している銀座地区に、新たに収容台数408台の区立駐輪場を開設することは放置自転車を防止するためにも必要なことだと考えますが、2015年4月から有料化された他の区立駐輪場と同じ使用料負担に加え、この駐輪場は地下機械式のため一時利用の際も1000円の識別カードが必要となり、利用者負担がさらに増えるのも問題だと考えます。
中央区では平成24(2012)年に、「自転車利用のあり方」が策定され、自転車の走行ルール周知の徹底、自転車道や自転車レーンの整備、集合住宅や事業所等におけるサイクルシェア促進、放置自転車防止の積極的な啓発活動、駅周辺の駐輪場整備における鉄道事業者との協力など、さまざまな課題が示されました。
環境負荷が少ない交通手段としての自転車を安全・安心・快適に利用することや、モビリティ・マネジメントの徹底、パーク・アンド・ウォークの構築、広報・教育などによる自転車走行マナーの改善など、総合的に自転車施策を推進するためには、区民の理解と協力が不可欠です。
また、駐輪場の有料化の変更に当たっては、利用者のみならず広く区民に周知し、合意を図っていくという方針を掲げていました。
しかし、区は、十分な駐輪場の整備計画も示さず、区民や利用者の事前合意も図らないまま昨年4月から、駐輪場の有料化と放置自転車撤去・保管料徴収を進めたため、駐輪場利用者は減少し、2015年度決算では、駐輪場登録台数は予算計上時の想定の半分だったことが明らかになりました。放置自転車も解消せず、区民の理解が得られていないことは明らかです。
この際、中央区自転車利用のあり方で示された自転車利用環境整備の実現を目指して、有料化の是非も含めて見直しをはかり、区民の声や知恵を生かし、区民の意識を高め、区民参加で自転車走行空間の将来像や快適な自転車環境をつくり上げていく合意形成を図ることが必要だと考えます。
そうした検討がないまま、有料駐輪場を拡大する本議案には賛成できません。
以上の理由により、日本共産党区議団は、議案第74号に反対します。