2016年11月29日 日本共産党中央区議会議員 小栗智恵子
議案第73号「中央区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例」に対する反対意見を述べます。
本議案は、「廃棄物の排出者に対する受益者負担の見直しに伴い、廃棄物処理手数料の額を改定するため」と説明されています。
改定内容は、手数料原価と手数料とのかい離(3.5円/kg)を解消することを目的として、事業系一般廃棄物処理手数料を3.5円引き上げ、キロ当たり40.0円に改定、あわせて家庭廃棄物の臨時・多量排出時の手数料やごみ処理券などを改定するとしています。この改定で、有料ごみ処理券が45リットル券1セット10枚が320円の値上げで3420円になります。
本条例案に反対する第一の理由は、中小企業や商店に負担増となるからです。
空前の利益を上げている大企業と、アベノミクスの恩恵など全くない中小企業や商店では負担能力が全く違います。手数料の値上げはさらに営業を圧迫します。
第二に、収集運搬分については、本来、各区で決定すべきことですが、二十三区で同額の値上げを行うとしていることも問題です。
清掃事業は、平成12年(2000年)に移管され、ごみの収集運搬は各区が実施、ごみの焼却などの処理処分は一部事務組合を設立して共同で行うことになり、廃棄物処理手数料も各区の条例で定めることになりました。しかし、一般廃棄物処理事業者が各区から収集する廃棄物の混載を認めていることや、改定額などの統一的な取り扱いの要望があったこと、中間処理が共同処理であることなどを理由に、区長会で改定内容を確認して各区同じ手数料に決めています。
各区の自主性と減量の努力による経費の削減などが反映されないことになります。
第三に、ごみ処理原価にすべての処理処分経費を反映させる考えから、設備プラント更新等の減価償却費や償却利子も含めているため、ごみの量は減っているのに、ごみ処理原価は年々上がっているのは問題です。
また、各区で行う収集運搬においても、ごみ減量とリサイクルによって区の収集ごみは年々減少し、清掃職員数も減らしているのに、収集運搬手数料は下がっていません。
原価計算の算定基準のそのものの見直しとあわせ、過大な設備投資などの処理費用全体の削減と、費用負担の適性化が必要だと考えます。
第4に、清掃事業の効率的な運営はもちろんのこと、ごみ問題の解決のためには、出たごみをいかに処分するかではなく、発生源で減らす抜本的な改革が必要です。
中央区ではごみ量全体に占める事業系ごみ量は84%にのぼり、可燃ごみの中で発生量が多い「その他の紙類」と「生ごみ」の再利用率が低いことが、事業系ごみの削減がすすまない要因となっていることから、ごみの減量・リサイクルへの重点的な取組が急務です。
以上の理由から、日本共産党区議団は、議案73号に反対します。
以上の理由から、日本共産党区議団は、議案第七十二号「中央区事務手数料条例等の一部を改正する条例」に反対します。