日本共産党の志村たかよしです。日本共産党中央区議団を代表して質問します。なお、再質問、再々質問を留保させていただきます。
まずはじめは、安倍政権が進める「戦争する国づくり」についてです。
昨日の9月19日で、安保法制「戦争法」の強行成立から丸1年たちました。
安倍首相は、参議院選挙で語らなかった安保法制・「戦争する国づくり」を、選挙が終わると具体的にすすめています。
8月31日、防衛省は、将来の軍事技術開発の方向性を示した「軍事技術戦略」や「研究開発ビジョン」を策定するとともに、来年度予算の概算要求で、大学や公的研究機関、民間企業を兵器の研究開発へ動員するための「安全保障技術研究推進制度」に、今年度予算の18倍となる110億円を計上しました。
8月24日に、稲田防衛大臣は、内戦が続く南スーダンへ11月から派遣される自衛隊のPKO「国連平和維持活動」における新たな任務の訓練開始を表明しました。
新たな任務は、離れた場所で襲撃されている他国の軍隊などのところへ、自衛隊が武器を持って加勢・支援に向かう「駆けつけ警護」や、宿営地の共同防護を想定しているため、自己防護を超えた武器が使用できることになり、安保法制の危険な新段階です。
9月12日には、安倍首相が、防衛省での自衛隊高級幹部に対する訓示で、集団的自衛権行使容認の安保法制の整備や日米新ガイドラインの策定などあげて、「今こそ実行の時だ」と本格的な運用段階への移行を求め、「自衛隊と政治とのシームレスな関係を構築していきたい」と、政治と軍事の垣根を取り払い、文民統制を骨抜きにする考えを表明しました。
文字通りの「戦争する国づくり」が進んでいるのではないでしょうか。
そこで区長にお聞きします。
第1に、南スーダンに派遣され、「駆けつけ警護」などの新たな任務によって、青森駐屯地所属の自衛隊員の命が戦闘によって失われる危険性が現実味を帯びてきました。この事実をどう受け止めていますか。
第2に、日本が攻められてもいないのに、海外で武力行使を行うというのは、明白な憲法違反だと考えますが、いかがですか。
第3に、自衛隊の派遣を許さず、「殺し、殺される」事態をくい止めるため、安保法制を発動しないよう政府に求めることが必要だと思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
10月~11月にかけて、集団的自衛権の行使などを想定した共同統合実動演習や共同指揮所演習という日米共同訓練が予定されています。
これまでは日本に対する武力攻撃を想定した訓練が行われてきましたが、今回は他国が攻撃を受けたときの「存立危機事態」「重要影響事態」などの事態も想定し、集団的自衛権の行使を含む米軍と自衛隊の連携を確認する内容となっており、まぎれもなく、アメリカとともに「戦争する国づくり」をすすめています。
そこで区長にお聞きします。
第1に、今回の日米共同訓練によって、日本が「海外で戦争する国」の道を進んでいることが明白となったと考えますが、いかがですか。
第2に、平和都市宣言をしている区として、「集団的自衛権の行使反対」と「安保法制廃止」を政府に求めるべきだと考えますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
さて、戦争放棄をうたった日本国憲法を「アメリカに押しつけられた」と誤解している人がいますが、憲法9条のアイデアは、終戦直後に幣原(しではら)喜重郎首相がGHQ最高司令官マッカーサーに提案していたことを裏付ける新たな書簡が発見されました。
マッカーサーは、これまでも憲法9条は「幣原首相の発案」と米上院などで証言していましたが、1958年12月15日付の書簡でマッカーサーは「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相が行ったのです」と述べ、「(9条は)世界に対して精神的な指導力を与えようと意図したものであります。本条は、幣原首相の先見の明と経国の才志と英知の記念塔として、朽ちることなく立ち続けることでありましょう」とたたえています。
1946年3月の「戦争調査会」で、幣原首相は、原爆よりもさらに強力な破壊的新兵器も出現するであろうときに、「何百万の軍隊も何千隻の艦艇も何萬の飛行機も全然偉力を失う」「世界は早晩、戦争の惨禍に目を覚まし、結局私どもと同じ(戦争放棄の)旗を翳(えい)して、遥(はる)か後方から付いてくる時代が現れるでありましょう」と発言し、1951年2月には、「戦争をやめるには武器を持たないことが一番の保証になる」と述べています。
一方で幣原首相は、戦争放棄と天皇制維持をセットで提案したかったが、敗戦から間もない状況で日本側から提案することはできず、「憲法は押し付けられたという形をとった」と説明しています。
そこでお聞きします。
第1に、憲法9条は占領軍の押し付けではなく、日本側の提案を受けたものであることは紛れもない事実だと思いますが、区長の認識はいかがですか。
第2に、幣原首相が述べた「戦争をやめるには武器を持たないことが一番の保証になる」という見識はもっともだと思いますが、区長のお考えはいかがですか。
第3に、世界中が戦乱の危機にあるいまこそ9条の理念を世界に広げ、平和を築いていく方向での議論が世界的に求められていると思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
アジアと世界の平和を破壊しかねない北朝鮮問題にも触れたいと思います。
北朝鮮は今年に入り、弾道ミサイルを例年以上の頻度で発射しており、8月24日に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射し、9月6日には、ノドンとみられる3発のミサイルを同時発射し、いずれも日本海に落下しました。9月9日には、5回目の核実験を行いました。このような度重なる暴挙は断じて許せません。区長と区議会は抗議文を提出しました。
日本共産党は、「国連安保理決議への明確な違反で、北東アジアの緊張を激化させ、6カ国協議などで確認された朝鮮半島の非核化方針にも逆行する暴挙」と厳しく批判しました。
北朝鮮に核兵器を放棄させるために、6カ国協議の話し合いのテーブルに北朝鮮をつかせることはいよいよ急務となっています。
国際社会が一致して制裁を厳格に実施・強化するなど、政治的・外交的努力の抜本的な強化がますます重要になっており、北朝鮮に対して、「核武装をやめて、6カ国協議声明の道を進んでこそ、未来が開かれる」ということを認識させる必要があります。
危険なのは、北朝鮮の核やミサイルによる挑発に対し、軍事対軍事の悪循環に陥ってしまうことです。
関係国にはいま一度、軍事対軍事の対抗ではなく、対話によって北東アジアの緊張緩和を図ること、6カ国協議による外交的な朝鮮半島の非核化実現の枠組みに立ち返ることが求められています。
ホワイトハウスの大統領報道官は、ミサイルが発射された6日の記者会見で、「軍事的選択肢もあるのか」と聞かれ、「外交的解決しかない」と答えています。
その点で、危惧するのが日本の安保法制です。安保法制は、軍事に対して軍事で対応するために作られたものです。北朝鮮の挑発に対して、日本が軍事で対応するということになれば、軍事対軍事の悪循環に陥ることになります。
区長は、北東アジアの情勢が緊張しているので、安保法制が必要と言う主旨の見解を繰り返し述べています。しかし、安保法制「戦争法」は、北東アジアに存在する緊張を助長するだけです。緊張緩和には、戦争という選択肢はなく、対話にしか解決への道はないと考えます。
そこで区長にお聞きします。
第1に、安保法制が北東アジアの緊張緩和に寄与するとお考えですか。
第2に、北朝鮮を6カ国協議につかせるには、国際社会が一致結束して迫っていくことこそが大切だと考えますが、いかがですか。
それぞれ、お答えください。
次は、重要局面を迎えた築地市場「移転」問題についてです。
8月31日、小池百合子都知事は、築地市場の豊洲への移転について、「安全性への懸念」「巨額かつ不透明な費用の増加」「情報公開の不足」の3つの疑問があるとして、移転延期を表明しました。
この延期発表は、移転の再検討を求める市場関係者、消費者団体、都民の大きな世論を受けたものであり、重要な判断ですが、その後の展開は、私が、昨年11月の築地の委員会で、「豊洲新市場計画が具体化すればするほど問題が噴出する」と指摘したとおり、移転中止をも考えざるを得ない重要局面に突入しました。
小池都知事があげた「3つの疑問点」について、都として徹底した検証と情報公開が求められますが、これらの点は、これまでも日本共産党が繰り返し指摘してきたものです。 そして、新たに都の調査によって建物内の空気が高濃度のベンゼンで汚染されていることがわかり、さらに9月7日の日本共産党都議団の調査で、水産棟と青果棟など主な建物の下では、盛り土が行われず、深さ4・5mもの空間となっていることが判明し大問題になっています。
水産棟の地下では「捨てコン」と言われる薄いコンクリートが敷設され、地下水とみられる水が1㎝以上たまっていて、建物内の空気が、特に高い濃度のベンゼンで汚染されていた青果棟の地下は、砂利がむき出しのうえ、10数㎝から20㎝の水がたまっていることが発覚しました。
小池都知事は、10日に緊急の記者会見を行い「すべてが入れ替えた上で盛り土されているというのは、現状では正しくないので訂正したい」「あらためて専門家の方々に判断してもらう」などと発言しました。「都民をだましたことにならないか」との質問にたいして小池都知事は「真摯に反省している」と述べました。
東京都は、これまでも市場関係者や都民に満足な情報を与えてきませんでしたが、今回判明した施設地下の空間が,専門家会議も技術会議も知らない中で決め、関係者や都民には、虚偽の説明をし続けていたことが明らかになりました。
移転を推進してきた市場関係者からも強い憤りの声が上がっています。
また、6千億円に膨れあがった整備費の疑惑とともに、落札率が100%近いという談合疑惑も浮上しており、東京都の信頼と「移転」計画を揺るがす大問題になっています。
中央区は、2012年2月に東京都と「築地のまちづくりに関する合意」を行いました。
内容は、「豊洲地区への移転整備を着実に行う」というもので、直後に開かれた第1回定例会での私の質問にたいし、区長は、「合意」の大前提は「市場予定地の土壌が完全に浄化されること」と答えています。
しかし、今回、東京都が中央区と区議会にたいしても虚偽の報告をしていたことが明らかになったのです。
そこで区長にお聞きします。
第1に、小池都知事が「移転延期」の理由としてあげた「安全性の懸念」「ふくれあがった経費」「情報公開の不足」について、どのような見解をお持ちですか。
第2に、都が土壌汚染対策について、虚偽の報告をしていたことは、「合意」の大前提である「安全性」と、都への信頼を崩すものだと思いますが、いかがですか。
第3に、豊洲新市場を巡る新たな動きが、中央区に及ぼす影響をどう考えますか。また、その影響に対してどのように対応しようと考えていますか。
第4に、東京都に対して、一定の調査結果が明らかになった時点で、都の幹部職員を全員協議会などの場に呼び、直接説明を受けるべきだと思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
私は、これまでも、財界戦略と中央区のまちづくりの関係について取り上げてきましたが、築地市場「移転」には、3つの動機があると考えています。
その一つは、大手スーパーや商社のための流通センターにすることやTPPに対応できる流通機構に転換することです。
二つめの動機は、広大な市場跡地の民間への売却と大規模開発による財界・ゼネコンの利益確保です。
私は、2005年の本会議で、日本プロジェクト産業協議会「JAPIC」が、1981年に、「築地は汐留とともに都心一等地として今後めったに発生しない大規模再開発用地なので、晴海、銀座などの開発とリンクさせて情報発信基地か都市型高層住宅として活用すべき」と提案していることや築地市場「移転」、環状2号線、JAPICの関係性を指摘しました。
そして、三つ目の動機は、環状2号線を通すことです。
鈴木都政の時代に、マッカーサー道路として塩漬けになっていた環2を延伸させて、臨海部と結ぶ計画が臨海副都心計画とあわせて公表されました。
築地市場は現在地で再整備することになっていたため、環2は、地下を通す計画でしたが、2001年、石原都知事が豊洲移転を強引に決めたため、環2計画は「地上化」へと動き出しました。
その後の経緯を見てみます。
東京都が、環2地上化への計画変更を2004年2月に発表すると、5月の「断固反対する会」で、「万が一、市場移転が強行された場合のため」と言って築地市場移転を前提としたビジョンの作成を決めました。10月には、都による環2「地上化」の住民説明会が開かれました。
翌11月の委員会で、私が住民説明会についての見解を求めたところ、当時の企画部長だった吉田副区長は、「地上化案は反対が多い。しかし、市場の移転と全く同様で、環状2号線も地上化で強行された場合に、どう備えていくか考えなければならない」と方針転換を合理化する答弁をしました。
そして、2006年2月の「断固反対する会」で「移転反対」の旗を降ろし、6月には、環2地上化への都市計画変更案について都から説明を受ける全員協議会が開かれ、翌年の中央区都市計画審議会を経て「地上化」実施へと進みました。
まさに、中央区は東京都が強引だから、「万が一」に備えるとして、築地市場「移転」と環2「地上化」への道筋をつけてきたと言えます。
そこで区長にお聞きします。
第1に、築地も環2も反対から容認・推進へと転換したことは、中央区の歴史にとっても消すことができない汚点を残したと思いますが、どのように総括しますか。
第2に、中央区が築地市場と環2の問題で、反対の立場を貫き通していれば状況は大きく変わっていたはずです。築地・環2・オリンピックで東京都と歩調を合わせてきた中央区の責任は重大だと考えますが、いかがですか。
それぞれお聞かせください。
現在の状況をみると、豊洲市場は開場を延期すればオープンできるという状況でないことは明らかです。
立地条件が悪く貧弱な交通アクセス。水産と青果を移動する物流動線の悪さ。円滑で迅速な物流が阻害される3区画に分断され重層化している売場棟。不十分な仲卸店舗の排水システム。ろ過海水を流すことができない床。活魚水槽に入れる海水の量が制限され、鮮魚を運ぶターレット、フォークリフトの積載量も制約される床の耐荷重の弱さ。
そして、解明しなければならない、建物の耐震性能や構造計算の違法性。土壌汚染対策。膨れあがった整備費。移転用地選定の経過など山積しています。
このような問題の解決にどのくらいの時間がかかるか、また都が出した調査の結論に都民が納得するのか不透明です。
農水省としても、福田内閣がわが党の笠井亮衆院議員の質問に対する答弁書で閣議決定した、「都民・関係者の理解をえること」と「土壌汚染対策の安全性」を確認するまでは、許認可できる状態ではありません。農水省も世論を意識して慎重にならざるを得ないでしょう。
これらの流れを見れば、移転するにも、今後、どれだけの時間がかかるのか、どれだけの税金が投入されるのか、先の見えない状況です。信頼を失った東京都のもとでは、これ以上豊洲への移転計画を進めることは困難になったと言えるのではないでしょうか。
その間、築地市場は長期間にわたって営業を続けることになり、早急な築地市場施設の耐震補強と改修が求められますが、10年、20年維持できる工事をすれば、豊洲への移転が中止になっても築地で営業を続けられます。
小池知事も、移転中止を否定せず、総合的に判断すると発言しています。
築地市場の地元中央区の行動が、築地市場「移転」問題の帰趨を左右すると考えます。
築地市場が移転してしまえば、地域経済に深刻な影響を与えるのは目に見えています。
先日、八丁堀の印刷業者の方から「市場が移転するので廃業を考えていたが、移転が延期になったのでしばらく仕事ができる。ぜひ、移転を中止させて欲しい」との声が寄せられました。
私は、これまで繰り返し、「築地の問題で、強権政治や強引なやり方は長くは続かない。矛盾は出てくる」と指摘し、区長が、築地市場移転反対、環2「地上化」反対の原点に立つことを求めました。
都と区の「合意」は虚偽の上に成り立っているのですから、「豊洲地区への移転整備を着実に行う」という合意を破棄し、この新たな情勢の変化のもとで、地元中央区が、原点に返って「移転反対」の立場に立つことは、小池都知事の背中を押し、築地市場を守る決定打になると確信します。
専門家が指摘しているように、日本のゼネコンの技術を持てば、築地で営業しながらの整備・改築は十分可能です。
また、豊洲の建物は、徹底した安全性を確立したうえで、商業モールやイベントホールなど他の用途に転用することも可能です。しかし、耐震上も安全上も保障できない施設なら、取り壊しの運命となるでしょう。更地になった場合は、バスの駐車場などに使えます。
築地市場「移転」が不透明になったことをうけ、環状2号線を使わなくても、選手村から円滑にアスリートを競技場に運べる方策を考えなければならず、これによって築地市場移転とオリンピックのスケジュール的な関係はなくなりました。
そこでお聞きします。
第1に、豊洲新市場はあまりにも欠陥が多く、卸売市場にふさわしくないと考えますが、いかがですか。
第2に、どの角度から見ても、豊洲市場を使用することは不可能な状況で、「移転中止」の可能性がたいへん強くなったと思いますが、いかがですか。
第3に、豊洲の施設と土壌汚染対策の安全性と信頼性が失われてしまった今、『合意』を破棄して、あらためて現在地再整備の立場に立つべきと考えますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
次は、受動喫煙対策についてです。
先月、中央区議会に、受動喫煙防止対策に関わる陳情が4件提出されました。
4件の内の3件は、飲食業団体やたばこ業界からのもので「法制化による強制的な規制」を危惧する内容です。
しかし、共通する認識は、2020年の東京オリンピック大会を契機に、国や都の法制化の動きを前提としていることです。
IOC「国際オリンピック委員会」は、1988年に禁煙開催方針を採択し、カルガリー大会以降、会場の内外が禁煙化され、2010年にはIOCと世界保健機関が「たばこのないオリンピックをめざす合意文書」に調印し、以来、オリンピック会場だけでなく、飲食店を含む屋内施設が全面禁煙の国や都市で開催されることが慣例となっています。2008年の北京をはじめ、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオデジャネイロの大会では、国や都市で受動喫煙防止の法整備が行われています。
世界を見ると、北京市は、2008年のオリンピックを機に、喫煙禁止規定の範囲を拡大し、さらに、室内での全面禁煙に84%の市民が賛成という調査結果を受けて、2014年に職場、公共施設の屋内、公共交通機関での全面禁煙を盛り込んだ喫煙規制が制定され昨年から実施されています。
また、韓国では、2012年に公共施設内、14年には、敷地面積100平方メートル以上の飲食店・喫茶店などで禁煙。15年には、規模に関係なく禁煙となりました。
ニューヨーク市では、2003年に無煙条例が施行され、09年に医療施設の敷地内や出入口での喫煙を禁止し、11年には、人の集まる公園や歩行者広場での喫煙が禁止され14年には、電子たばこが無煙条例の対象になりました。
興味深いのは、無煙空間が年々拡大するなか、10年間で、市内の飲食業の数が47%増え、観光業の利益は100%以上増加していることです。
ニューヨーク市の健康・衛生保険部の元課長は、「無煙条例が、観光、レストラン、バーをだめにするとたばこ産業は宣伝したが、根拠がないことがわかった」と、今年日本で開かれた「国際シンポジウム」で発言しています。
そもそも、タバコの葉には非常に強い神経毒を持つ猛毒の一種であるニコチンとタールが含まれています。タールには4000種類もの化学物質があり、発ガン性を含んだ物質は人体に悪影響を与えます。
また、ニコチンは一酸化炭素と結合することで心臓に悪影響を与え、高血圧や動脈硬化・狭心症・心筋梗塞などの疾患を発病させます。
ニコチンが脳に達すると、快感を生じさせる物質「ドーパミン」が放出されるため、気持ち良い・落ち着くという感情が起きますが、ニコチンが切れるとイライラしたり落ち着きが無くなったりするため、もう一服喫煙したくなるという依存性や中毒性があり、禁煙が続かない原因となっています。
厚生労働省は、「たばこ産業はいのちより利益を優先している」「たばこ会社は、魅力的なパッケージで装った新製品を宣伝し、販売して、巧妙にごまかし続けている」と、たいへん厳しい指摘をしています。
そこでお聞きします。
第1に、たばこの人体における有害性と受動喫煙にたいする被害についてどのような認識をお持ちですか。
第2に、公園や区役所も含む区立施設での「無煙化」に取り組むべきと思いますが、いかがですか。
第3に、受動喫煙防止を達成するためには、区民をはじめ飲食店や事業所等の支持と認知が必要です。今後、区としてどのような施策や条例化を考えていますか。
それぞれお答えください。
次は、保育施設における「災害共済給付制度」加入についてです。
第2回定例会で、わが党の小栗議員が、今年3月に日本橋の事業所内保育所で起きた乳幼児の死亡事故について取り上げ再発防止を訴えましたが、残念ながら、その後も、全国で同様の事故が相次いでいます。
今月の2日には、板橋区の認可保育所でうつぶせ寝による1歳児の死亡事故が起きました。この保育所の運営は、中央区でも「ほっぺルランド」の名前で保育所を運営しているテノ・コーポレーションです。そして、同じ日に、千葉県君津市の認可外施設で生後11ヶ月のお子さんの死亡事故が起きています。
保育における死亡事故のほとんどが、我が子が、どのような理由でどのような状態で亡くなったのかを知ることができないのが実態です。親御さんの精神的苦痛はどれほどのものでしょう。
日本橋でのうつぶせ寝による死亡事故を受け、東京都から注意喚起の通知が出されたことを踏まえ、中央区は、私立認可保育所等への巡回指導のなかで、午睡時における安全管理の取り組みの強化を進めています。
そこでお聞きします。
第1に、巡回指導の人数と指導方法、および、「通知」後に、すべての対象施設で巡回指導が行われたのか、うつぶせ寝を放置していた施設はあったのか。それぞれお聞かせください。
第2に、うつぶせ寝による死亡事故が頻繁に起きる背景に何があると考えますか。
第3に、区内すべての保育施設で、うつぶせ寝による事故が起きないようにするために、区として考えていることは何ですか。
それぞれお答えください。
いま、事故調査の面で、注目されているのが、独立行政法人日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」です。
この災害共済給付制度は、事故調査は当然のこと、保育者や施設の過失の有無にかかわらず一定の補償があり、当事者が救済される仕組みになっています。加入対象は、「特定教育・保育施設」「特定地域型保育事業」となっています。
しかし、認可外施設などは、災害共済給付制度の加入対象となっていないため、民間の賠償責任保険での対応となり、過失が認定されなければ、一切の補償はありません。
このため、制度の加入対象となっていない認可外施設などにおける事故では、責任回避を意識した施設や保険会社からの指示により、事故の詳細が明らかにされないだけでなく、謝罪もないままウソを重ねるといった例も珍しくはありません。
3月に死亡事故を起こした日本橋の事業所内保育所を運営するアルファコーポレーションは、いまだに被害者家族に謝罪の言葉さえかけていないという不誠実な態度をとっています。
こんな事態を放置して良いものでしょうか。
2015年度から子ども・子育て新制度がスタートしましたが、2015年の保育所における死亡事故は、1年間で14件にものぼっています。
国は、待機児童対策として「企業主導型保育所」で解消しようとしています。
そこでお聞きします。
第1に、民間を含め、区内すべての認可保育所が、「災害共済制度」に加入しているのでしょうか。
第2に、区内にある認可外保育施設の「賠償責任保険」への加入状況はいかがですか。 第3に、すべての保育・教育関係の施設や事業等を災害共済給付制度の対象とし、加入を義務づけるような法の整備を国に求めるべきだと思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
最後は、入学準備金の入学前支給についてです。
「子どもの貧困」が年々深刻になっています。特に、経済的な理由で食費が制限される、病院にも行けない、進学もできない。その社会の「普通の生活」ができないという「相対的貧困」、「生活の苦しさが見えにくい貧困」が広がっています。日本では、普通の生活水準の半分以下で暮らす家庭の子どもの割合は、6人に一人となっています。
2014年9月、千葉県銚子市の県営住宅で母子家庭のお母さんが13歳の娘さんを殺害し、無理心中を図るという事件が起きました。生活困窮の中、中学の制服代としてヤミ金融からお金を借りてしまい、返済の脅しに追い詰められていたところに、県営住宅から退居を求める張り紙をされたのが、きっかけになったと言われています。
入学準備と言えば、2月、3月という必要な時期に必要な額が支給されることが望ましいのに、支給は6月、7月となっています。
23区内では、板橋区、世田谷区で中学1年生に対する就学援助の入学準備金が、小学6年生の3月時点で前倒し支給されています。
八王子市では、小学1年生の入学準備金を入学前の3月に支給しています。
また、受験の費用負担も重いものですが、社会福祉協議会を窓口にした「受験生チャレンジ支援貸付事業」を知らない方もいらっしゃいます。高校や大学に入学すれば返済する必要が無いこの制度の活用が求められます。
そこでお聞きします。
第1に、入学準備にかかる費用の保護者への負担の重さについてどのような認識をお持ちですか。
第2に、就学援助における入学準備金は入学前に支給するよう改善すべきと思いますが、いかがですか。
第3に、「受験生チャレンジ支援貸付事業」の周知状況と活用状況、及び、現制度についてどのような評価をお持ちですか。
それぞれお答えください
以上で第1回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
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志村孝美議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、南スーダンへの自衛隊派遣と日米共同訓練についてであります。
安保法制やその具体的な運用につきましては、国の責任におきまして適切に行われるものと考えております。また、安保法制は我が国の存立を全うするとともに、将来にわたり国民の命と平和な暮らしを守るため、あらゆる事態に切れ目のない対応を図ろうとするものであると認識しているところであります。
次に、憲法第九条についてであります。
憲法第九条につきましては、日米のどちらが提案したかは両説ありますが、新たな史料が見つかったことは承知しているところであります。本区は、これまでも憲法の平和主義の理念を区政の根幹に据えまして、あらゆる施策を通じて、戦争絶対反対、核兵器廃絶、テロ撲滅を国内外に訴えてまいりました。現在、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、必要最小限度の自衛措置については、国の責任において、適切に対応されるべきものと考えております。本区におきましては、引き続き平和のメッセージを発信していくとともに、東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会を通じて、本区を訪れる世界の人々に恒久平和の大切さを訴えてまいります。
次に、北朝鮮問題についてであります。
北朝鮮のたび重なる核実験の強行やミサイル発射実験は、北東アジアを初め、国際社会の平和と安全を損なう暴挙であり、断じて許すことはできません。安保法制は、こうした状況の中で、我が国の安全・平和を維持しつつ、北東アジアを含め、国際社会の安定に寄与するよう運用されるものと認識しております。世界平和は、国際社会が一丸となって取り組むことにより、実現されるものであります。国は、各国と世界平和に資する良好な協力関係を築いていくとともに、六カ国協議の実現に向けて、外交努力を重ねていくことが重要であると存じます。
次に、豊洲新市場の現状認識についてであります。
先月の小池百合子東京都知事が指摘した市場移転延期の三つの理由や、その後明らかになった豊洲新市場の建物の地下空間等に関しましては、現在、都において安全性の検証や調査が進められているものと認識しております。さらに、食の安全・安心の確保は、当然のことながら市場移転の大前提であり、区といたしましても、現在進められている都の調査結果を注目しているところであります。また、移転延期等により区民や区内事業者に混乱が生じないよう、最大限努めていくことが区の責務であり、引き続きしっかりと対応してまいります。今後、都は信頼回復に向け、十分な説明や正確な情報公開など、真摯に対処していくべきものと考えており、東京都から説明を聞く機会を設けるかどうかにつきましては、調査結果の内容等を見きわめた上で、必要に応じて要請してまいりたいと考えております。
次に、築地市場移転をめぐる経費についてであります。
築地市場の移転問題につきましては、三十年を超える長い期間にわたり、多くの関係者が先の見えない不安の中で真摯に議論を重ねながら、本年十一月の移転に向けて準備を進めてまいりました。当初、現在地再整備を求めていた本区は、平成二十三年三月都議会で移転関連経費を含む予算が可決され、移転が明確化されたことを受けとめ、食文化の拠点としての活気とにぎわいを確実に継承、発展させていくため、全力で取り組んでいくことといたしました。その取り組みの一環として、築地魚河岸の整備を進めてきたところであります。また、築地市場の移転の議論とは別に、地域内交通の円滑化など、交通環境の改善に資する基幹道路として環状二号線の地上化の検討がなされていたものと認識しております。このように、区といたしましては、将来にわたって活気とにぎわいのある築地のまちづくりを第一に考えた区政運営を推進してきたところでございまして、当面は来年一月以降に予定されている都知事の判断を注視してまいりたいと考えております。
次に、豊洲新市場の開設についてであります。
豊洲新市場の移転に関連したさまざまな課題については、市場開設者である東京都の責任で適切に対応すべきものと考えております。都知事は、先月末の会見で、新たな移転の時期は調査の進展を待ち、できる限り速やかに判断すると話しておりましたが、その後明らかとなった豊洲新市場の建物の地下空間の安全性についても、今後開催予定の専門家会議での検証が待たれるところであります。本区といたしましては、引き続き都知事の判断を注視してまいりたいと考えております。
次に、受動喫煙対策についてであります。
初めに、たばこの有害性についてであります。
喫煙は、肺がんを初め、循環器疾患、糖尿病など、生活習慣病の危険因子であり、また受動喫煙による健康への悪影響につきましても、科学的に明らかにされているものと認識しております。
次に、区施設の受動喫煙対策についてであります。
現在、区施設におきましては、施設の構造や利用者の特性を踏まえ、禁煙や分煙としているほか、公園においては、児童が多く集まる場所や遊具付近には灰皿を設置せず、児童や公園利用者が煙の影響を受けないよう配慮しているところであります。今後とも、非喫煙者を健康被害から守るため、こうした取り組みを続けてまいります。
次に、区民や飲食店等の理解についてであります。
飲食店では、営業への影響を懸念される方もおり、条例などによる一律の規制は難しいものと考えております。そこで、区といたしましては、飲食店への利用する方が禁煙や分煙施設を識別できるよう、表示ステッカーを作成し、食品衛生講習会などの機会を捉え、活用を呼びかけているところであります。今後とも、こうしたステッカーの普及により、区民や飲食店の方々の受動喫煙対策に対する理解を深めてまいります。
次に、保育施設における乳児のうつ伏せ寝についてであります。
区では、現在、園長経験者を含む保育四名体制で巡回指導を実施しており、従前より、睡眠チェック表の確認やうつ伏せ寝の危険性について事例を示すなど、指導を行っております。なお、五月までに私立認可保育所や認証保育所などの施設において、一回目の巡回を終了し、うつ伏せ寝への対応を確認の上、必要に応じて指導助言行ったところであります。
次に、うつ伏せ寝と死亡事故の因果関係につきましては、必ずしも明確に証明されているわけではありませんが、うつ伏せ寝はあおむけ寝の場合より乳幼児突然死症候群のリスクが高いことが、厚生労働省等の通知にも示されております。区といたしましては、乳児の睡眠時において、ゼロ歳児は五分ごと、一歳児、二歳児は十分ごとのチェックを徹底していくよう、今後とも指導してまいります。
次に、災害共済給付制度についてであります。
本制度につきましては、全ての区立保育所が加入しておりますが、私立の保育施設につきましては、認可保育所が七カ所、小規模保育事業所が一カ所の加入となっており、未加入施設は民間の賠償責任保険等に加入しております。なお、認証保育所を含めた認可外保育施設における賠償責任保険につきましては、事業者が事故等に備えて、基本的に加入しております。また、災害共済給付制度は、保険制度とは異なり、国、保育事業者、保護者で運営に要する経費を負担し合う互助共済制度であることから、加入義務化にはなじまないものと思われます。しかしながら、児童の災害に対して厚い給付が受けられる大きなメリットがありますので、区といたしましては、園長会等を通じて本制度を周知し、加入の促進を図ってまいります。
次に、受験生チャレンジ支援貸付事業についてであります。
まず、本事業の周知方法ですが、事業案内を区立中学校等に毎年配布するとともに、本庁舎及び社会福祉協議会の相談窓口におけるチラシ配布やポスター掲示、さらに国のお知らせやホームページにも掲載するなど、幅広い周知に努めております。昨年度の実績は、貸付件数が五十七件、貸付額が約七百万円であり、ほとんどの受験生が希望どおりの進学を果たし、貸付金の返済を免除されております。区といたしましても、本事業を通じて、子供の学習や受験の意欲が高まるなど、進学を希望する低所得世帯の子供の大きな支えになっているものと受けとめております。
私からの答弁は以上であります。
教育問題についてお答えいたします。
入学準備の負担軽減についてであります。
新たな学校生活を迎えるに当たっては、学用品や標準服などを一度に買いそろえることが必要となり、費用が一時的にかさむものと認識しております。本区は、これまで保護者負担の軽減に積極的に取り組んでおり、就学援助における新入学の準備に対しても、二十三区で唯一、小学生では二万円、中学生では五万円上乗せしております。しかしながら、入学前の支給につきましては、前年の所得を認定基準とする支給方法の見直しや、それに伴うシステム改修など、さまざまな課題があり、直ちに実施することは困難であると考えております。
答弁は以上です。
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最初の、戦争する国づくりについてですけれども、余りにもひどい答弁漏れではないですか。私は、第一、第二と詳しく、今起きている事実について区長の見解を問うているんです。だから、再質問です。
PKO、南スーダンですけれども、ことし七月に首都ジュバで、二百七十人以上が死亡した大規模な戦闘が発生しました。この数日の報道ですけれども、そのときに、PKOに参加する自衛隊の宿舎の隣のビルで二日間にわたって銃撃戦が起きた。そこでは、政府軍の兵士が二人死んでいるんです。ですから、そういうところに自衛隊が行く。こういうところに駆けつけ警護をすれば、自衛隊員が武器を持って行くわけです、その戦闘の場所に。そういう現実。自衛隊の青年が命を奪われるかもしれない、また他国の青年を殺すかもしれない、そういう現実が起きるのではないか、こういう事実をどう受けとめるんですかということを聞いているんですから、ぜひ答えてください。
それ自体が、海外で武力行使してはいけないという憲法に違反しているのではないか。このことも答えない。だめですよ。これもちゃんと答えてください。
それから、日米共同訓練も、安保法制を経て、集団的自衛権の行使を容認してアメリカ軍と一緒にと、今までと内容が違うんです。そのことについて、もうはっきりしているのではないかということ、戦争をする国づくりに進んでいるのではないかと、そういうことを尋ねているんですから。これは、区長の見解を聞いているんです、国の責任で適切にやるとか、そういうことを聞いているのではない。事実に基づく、区長の見解を聞いています。
それから、北朝鮮の問題ですけれども、安保法制が安全・平和に寄与すると言うんですけれども、実際、安保法制が施行されて半年で北朝鮮は十数発の弾道ミサイルを発射して、五回目の核実験を強行している。中国の船籍の領海侵入も、ことし八月で二十三隻になった。つまり、安保法制が、そういう意味では、全く力を発揮していないわけです。ですから、こういう問題も、やはり安保法制ではなくて、外交的な、平和的な枠組みの中で解決しなければならない、そういうふうに思っています。そのような答弁もされていましたけれども、しかし、安保法制が安全・平和に寄与しているという認識は、事実を見ても間違いだ、このことは指摘させていただきます。
築地市場も、やはりこれは東京都の判断とか、それだったら小池都知事の記者会見を聞けばいいわけです。区長に聞いているんです。築地がある地元の区長として、どうなのかということです。
最近、地下空間の水に、ヒ素、六価クロムが検出されたというようなこともありました。それから、別の報道では、臭素とかアンモニアとか、そういうものも検出されたと。つまり、入れかえた土でも地下水が浸透してきている。これは空間だからわかったので、盛り土をしたところでも、やはり浸透していると私は思うんです。このように、今まで安全だと言っていたことが、実際は、正確な調査はこれからかもしれないけれども、しかし、盛り土をやっていたということがやっていないことを含めて、これは都民へうそをついていたということなんですけれども、合意をした区長として悔しくないか。虚偽の報告をされて、何だ、安全性もどうなんだ、本当に都の信頼を覆すものではないかというようなことでの質問なんですから、このことについての区長の見解もお聞かせいただきたいというふうに思います。
それから、今起きている問題は、延期が何年になるか、また移転を中止するか、これはわからないけれども、今現に起きている。それが中央区に及ぼす影響が余りないような認識で、区長の今の答弁だと、しっかり見ていくみたいな、こんなことなんですけれども、そのような中央区への影響の認識なのかという点について、再度お聞かせいただきたいと思います。
結局、こういう状況の中で、移転中止の可能性も生まれてきたと。万が一、豊洲に移転するかもしれない。状況が逆転しているんです。こういうときに区長の本心は、豊洲への着実な移転なのか、現在地にやはり残ったほうがいいのか、区長はどう思っているのか、それが僕は大事だと思うんです。今、都の認識はあるんです。自分の区として、どういう行動がこれから必要なのかということを、いろいろな状況を見きわめながら行動はしなくてはいけないんですけれども、区長自身の本心をぜひはっきり聞かせていただきたいというふうに思います。そういう意味では、やはりこういうときに勇気を持って現実を直視していく、それで、そもそもの移転反対の立場、きのう、きょうといろいろ区長もテレビにも登場しておりますけれども、やはり移転反対の立場、初心に戻って、ぜひ力を発揮していただきたいと思います。
たばこについては、吸う吸わないはその人の判断ですので、やはり有毒性を社会全体で周知することとか、子供のときから、例えば麻薬とかドラッグというものとともに、たばこの危険性というものを周知することも重要になっているというふうに思います。
保育ですけれども、これからいろいろな、直営ではない保育所がどんどん出てきます。例えば、巡回指導の人数もふやさなくてはいけないでしょうし、また、死亡事故が起きないように、保育士の労働環境も改善しなくてはいけないと思います。区長にお聞きしたいんです。ですから、区内で保育中の死亡事故を起こさせないという区長の決意、これがあれば、いろいろなことができると思いますので、ぜひこれもはっきり見解を聞きたいと思います。
それから、見えない貧困をつかみやすいのは、私は学校だと思います。いろいろ困難があるかもしれないけれども、入学準備金の前倒しは、ほかでやっているところもあります。それだけではなくて、子供たちのためにできることは、他の先進的な経験も学びながら、ぜひ実施をしていただきたいというふうに思っています。
以上で再質問を終わります。(拍手)
どうも。いろいろ質問いただきまして、ありがとうございます。
南スーダン、大変な問題ですね。報道等で私も知っておりますけれども、大変な緊迫した状況になっているわけであります。自衛隊のPKO部隊による駆けつけ警護につきましては、国の参加五原則は、そちらで御指摘されているとおりでございまして、停戦合意が存在すること、それから受け入れ国などの同意が存在する、中立性が保たれていると。要件が満たされなくなった場合には終了して撤退することができると。そういう五原則などの前提条件が満たされていれば憲法違反とはならないということが国の見解でございまして、そういう意味におきまして行われているということでございますが、御指摘のとおり、随分緊迫しているわけでありますから、さまざまな問題が起こらないようにと念願しているところであります。
また、防衛大臣は、どう部隊に新任務を付与するかについて状況を見きわめていかなければならない、こういうふうにも述べているわけであります。
いずれにいたしましても、国の責任において、我が国を守る守らない、また、国際的な協調体制、こういうことが非常に大切になっているわけであります。
また、日米共同訓練、これはもうこれまでも何回も行っているわけであります。日米同盟調整メカニズムの中での演練というんですか、そういうものを実施するものと認識しているわけでありますけれども、やはり余り周辺国を逆に刺激するようなことにならないようにというのは願うところであります。
それから、北朝鮮問題、これは本当に大きな問題ですね。北朝鮮、五回ですか、核実験ね。これは大問題で、断固反対で、議長と一緒に抗議文も出しておりますけれども、安保体制に違反しているのは北朝鮮なんですからね。北朝鮮が安保法制に違反しているわけでございまして、そういう意味で、北朝鮮が核実験をやめたり、長距離ロケット弾の発射、こういうことを行わないようにということを願い、また六カ国協議ですね。何といっても話し合い、外交ですね。話し合えば、私はわかり合うと思うんですよ。だから、なぜ六カ国でしっかりと、そういう枠組みまでできているわけですから、話し合わないのか、そこが不思議でね。お互いに、どんなに仲が悪くても、話し合えば、おのずから道というものは、平和への道、戦争は愚かなものというのは、日本人はもう身にしみてわかっているわけで、世界中の方々もわかっているわけでありますから、そういうことは武力の強化であるとか、武器の強化とか、緊張の強化とか、そういうことではなくて、話し合う、このことが一番大事なことではないかな、こういうふうに思っているわけでございます。
この間も、加藤紘一さんという、前、防衛庁長官をやられたり、内閣官房長官をやったり、自民党の幹事長をやられて、東根市さん、議長さんと一緒に二十五周年ということで行きましたけれども、亡くなられて、自民党と加藤家、合同葬が青山斎場で行われましたけれども、駐日大使も見えていれば、ジェラルド・カーティスさん、有名な学者や、もちろん総理も見えておりました。YKKと言われる中のお一人の山崎拓さんが、私も聞いたことがありますけれども、憲法には一つの加筆もしないというのが自分の考えだということを言われたということを告別式で言われておりましたけれども、中国大使も告別の御挨拶をされておりましたし、ジェラルド・カーティスさんも挨拶されておりまして、中国語、英語で学生と話し合ったりされた方でございますけれども、やはり平和を願う政治家がどんどん日本にも育っていくように願うところでございます。
また、築地市場移転問題、これも本当に驚きましたね。大変なことになってきているわけでございまして、小池百合子都知事が、三つの理由ですか、こういうことがこれから一月には次第次第に明らかになっていくんでありましょうけれども、やはり情報公開をしないといけないということでありましょうし、それによって安全性が、食べ物ですから、安全性ということを条件に、本区も移転ということを決断したわけでございますし、まず安全ということで、これが一番重要なのではないでしょうかね。いろいろな問題に波及しつつあるわけでありますけれども、食の安全をしっかりと、これは東京都の責任で行うということを言われて今日まで来ているわけでありますから、そういう面で、これからも食の安全性をしっかり守っていただきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
これからどうなるか、どういうふうに判断するんだというのは、まだ動いている最中でございますから、これは区議会の皆様方と一体となって、その時その時一つ一つ、重要な段階に来ているわけでありますから、これは区民の皆様、区議会の皆様だけでなく、東京都全体で、国全体で考えていかなければならないというふうに思っているわけであります。
保育園、これは死亡ゼロ、これはもちろん目指して、しっかりといきたいというふうに思っているところであります。
以上であります。
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時間もないんですけれども、PKOですけれども、五原則と言いますけれども、実際、隣のビルで戦闘が起きた、駆けつけ警護に来てくれといったときに、五原則があるからというので、ジュバみたいな戦闘のところで、逃げるなんていうのは実際できない。そういう意味では、現実的ではないんです、そんな話は。だから、そういうことはきかないから、出してはいけないんだ、駆けつけ警護の安保法制を発動してはいけないんだということを私は言いたいと思います。
それから、日米共同訓練は、言ったように、今回から違ったんです。集団的自衛権の行使容認を踏まえた内容だから、中身が変わってきているというふうに言いたいと思います。
それから、北朝鮮、区長も力説されていましたけれども、対話なんです。ただ、なぜ進まないのかというと、アメリカが北朝鮮が核を捨ててから協議しようと。それを言っているため、それをまた北朝鮮が口実にして、協議なんて、そんなものではできないということで核開発するという、そういう指摘もあるんです。だから、話し合いをするためにはどうしたらいいのかというのを、本当に知恵を出し合って具体化しなければならないというふうに思っています。
平和の問題は、いつも平和、平和と言うんですけれども、事実がどうなっているか見ながら、的確に判断していただきたいと思います。
築地市場ですけれども、安全であったから移転を判断したという、そういうようなことを言ったようなんですけれども、築地市場が築地にあるという、地域経済の問題として、しっかり位置づけると。原点に戻るということが大事だと思うんです。ぜひ、そういう意味では、沖縄の基地問題の翁長県知事を私はぜひ見習ってほしいんですよ。県民の立場に立って、国を相手にして果敢に闘っている。
そういう意味では、豊洲がこれまで六千億円かけて、このありさまですからね。今後、どれだけ莫大な税金を投入して調査、検証、汚染対策、施設改修を進めるのか。こういうことが都民の理解を得られるのかどうか。それは小池都知事の判断することだと思うんですけれども、世論がそれを許すのかどうか、そういうのが問われているし、今の使い勝手も含めて、市場関係者がどうなのか。今、汚染地豊洲のイメージがどっと広がってしまっているわけですから、ここでどれだけいくのか。安全・安心な豊洲というふうにはならないというふうに私は思うんです。
ですから、区長はこういうような現実も直視しながら、区民が求める立場、地域経済、そういうこれまでの本当に初心に戻る。今、移転を阻止する可能性があるわけなんです。ですから、今、東京都の中でいろいろな議論がされるけれども、地元中央区の矢田区長、また議会が、もうこんなところはだめだ、築地市場移転は反対なんだということを上げれば、これはまた大きなマスメディアの話題になるし、また区長へのインタビューも来るかもしれません。ですから、これからの中央区の経済も、築地市場の未来も、今、本当に重要な局面にかかっている。そのことを強く皆さんと一緒に認識していきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)