議案第三十一号「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」にたいしての反対意見

2016年3月8日 志村孝美

 議案第三十一号「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」にたいしての反対意見を述べます。
本議案は、東京都市計画日本橋・東京駅前地区地区計画及び東京都市計画晴海地区地区計画の変更に伴い、当該地区計画の区域内における建築物の用途等に関する制限を定めるものです。
 「日本橋・東京駅前地区」については、「都市施設に位置づけられたバスターミナルの用に供する建築物の部分及びそれらに附属する工作物」を「壁面の位置」の制限の除外規定に追加するもので、賛成できます。
 「晴海地区」については、条例改正によって、晴海の選手村跡地に180mの超高層ビルが建てられることになります。
 計画されている2棟の超高層住宅は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村として活用されるものではありません。
 実際は、オリンピックを利用して財界、デベロッパーの利益を得るための開発事業と言っても過言ではないでしょう。
 晴海地区は、将来的には地下鉄が通る計画があるものの、その具体化が進まない中、現状では、橋を使うことでしか他地域とアクセスがとれない約40・7hの島であり、ここに、4万数千人の住民を生活させるというまちづくりを進めようとしています。
 交通アクセスが橋を使うしかないという土地で、突発事故や災害などが起きたとき4万数千人もの住民の安心・安全の確保が十分できるとは思えません。
 また、中央区の海の玄関となる晴海などの臨海部での超高層建築物は、風の道をふさぎ、CO2排出を増加させ、内陸部のヒートアイランド現象をさらに悪化させるものです。
 大規模開発により、大企業及び開発業者は、莫大な利益を得る一方で、行政には、インフラ整備や住民ニーズへの対応など重い負担、将来へのツケが課せられます。
 安定した行財政運営による区民サービスの提供と区民生活の安心安全を確保するためにも、このような大規模開発中心のまちづくりは、見直しが必要です。

 以上の理由で、日本共産党区議団は「議案第三十一号」に反対します。

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