20160307 福祉保健委員会付託

「議案第39号 中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する反対意見

2016年3月7日 小栗智恵子

 「議案第39号 中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に対する反対意見を述べます。
 本議案は保険料の賦課限度額の改定を主な内容としています。
 保険料の均等割軽減制度の判定所得の見直しについては、所得金額の引き上げによって5割軽減と2割軽減の対象者を広げることになるので評価するものです。
 一方「賦課限度額の改定」は、中間所得層の負担軽減を図るためとされていますが、医療分2万円増で54万円、後期高齢者支援金分も2万円増の19万円、介護納付金は据え置きで16万円、合計で賦課限度額は89万円となります。高額所得者と比較して中低所得者の負担率が重い国保制度の欠陥をそのままにした部分的な手直しのため、中間所得層の中で、軽減される世帯と負担増となる世帯が生まれることになります。
 全国の自治体で、国民健康保険の財政悪化は深刻です。そもそも、年金生活者や失業者も加入する国保は、適切な国庫負担なしには成り立たない制度です。ところが国は、社会保障予算を抑制するために、国保の国庫負担を削減しつづけてきました。中央区では、国保の総会計に占める国庫負担率は、1984年は44%でしたが、2014年には22%へと半減しています。
 国は、18年度から国保の財政運営の中心を現在の市区町村から都道府県に移す方針ですが、これでは国保の構造的矛盾は解消できません。むしろ自治体からの国保への繰り入れが減らされ、保険料アップになる危険があります。危機を加速させる逆行でなく、負担軽減の仕組みを確立するとともに国庫負担の抜本的引き上げこそが急務です。
 以上の理由により、日本共産党区議会議員団は、「議案第39号中央区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に反対します。

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