【質問項目】
○矢田美英 区長 答弁
日本共産党の奥村暁子です。日本共産党中央区議会議員団を代表して質問します。答弁によっては、再質問、再々質問を留保させていただきます。
はじめに、安保法制と安倍政権がねらう憲法改定についてお聞きします。
安倍政権が、歴代政権の憲法解釈を覆し、昨年9月19日に成立を強行した安保法制、いわゆる戦争法を具体化する動きが進んでいます。
戦争法を実行するための事実上の統合司令部として常設されている日米の「同盟調整メカニズム」(ACM)の中に、米軍・自衛隊の制服組同士で構成する「調整所」が設置されました。従来の日米間の調整枠組みと異なり、平時から自衛隊が米軍の事実上の指揮下に組み込まれる体制が作られました。
米海軍佐世保基地には最新鋭の強襲揚陸艦アメリカ(LHA6)を配備(2019年)する計画があり、東京の米空軍横田基地には、特殊作戦用の垂直離着陸機CV22オスプレイの配備も計画されていますが、これらの配備は防衛よりも、攻撃的、侵略的機能を持つものです。
まさに、安保法制が、自衛隊とアメリカ軍がともに戦争をする体制であること、日本を海外で戦争する国に作り変えていく戦争法であることが明白となっています。
安保法制によって自衛隊員の生命が危険にさらされる現実味を帯びているのが、3月に施行される改訂PKO法です。これによって「駆け付け警護」「安全確保業務」と称する自衛隊の任務が拡大され、「住民保護」や特定区域の「監視、駐留、巡回、検問、警備」の武器使用まで認められました。
現在、陸上自衛隊は、南スーダンに展開する国連PKO(平和維持活動)=国連南スーダン派遣団(UNMISS)に約350人派兵されていますが、2月17日夜から18日にかけて、南スーダン政府軍が国連キャンプ内に侵入して住民を攻撃し多くの死傷者を出しました。
日本政府は、海外派兵にあたり「国または国に準じる組織が登場しない」ことを前提にすると言っていましたが、 改定されたPKO法に基づけば、「安全確保業務」「住民保護」として、避難民を防護するため、自衛隊が「国」そのものである南スーダン政府軍と交戦する可能性があり、国際紛争への参加にあたります。まさに、憲法違反の海外での武力行使そのものではないでしょうか。
そこで区長にお聞きします。
第一に、日米の「調整所」や米軍基地での動きは、自衛隊がアメリカとともに軍事行動をとる準備の表れだと考えますが、いかがですか。
第二に、自衛隊が南スーダン政府軍を相手に「最初の1発」を撃つ危険が高まっていますが、これは、憲法が禁じる武力行使の危険性を自衛隊員に負わせることになり、憲法9条に違反すると考えますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
安保法制について、憲法学者の9割以上が違憲と認めています。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、2月24日、日本が戦争放棄・戦力不保持の憲法があるにもかかわらず、安倍政権が集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法を推進したと指摘しました。
安倍首相は、憲法第9条2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」を改定することを今年行われる参議院選挙の争点にすると公言しています。
全国紙などのメディアは「首相の改憲論 あまりの倒錯に驚く」(「朝日」6日付)、「ご都合主義の改憲論だ」(「東京・中日新聞」4日付)などと批判の社説を掲げています。
そこで区長にお聞きします。
第一に、憲法違反の安保法制を正当化するために憲法9条を変えようというのは、憲法を順守し擁護する義務がある首相自らが、憲法で権力を縛るという立憲主義を破壊することだと考えますが、いかがですか。
第二に、首相の改憲発言が相次ぐ背景には、安保法制を強行しても憲法9条があるから「戦争する国」を完成させることができないという、あせりといらだちがあると考えますが、いかがですか。
第三に、憲法9条は変えてはならないと思いますが、区長の見解はいかがですか。
それぞれお答えください。
憲法と安保法制の矛盾がますます拡大する中、2月19日、日本共産党、民主党、維新の党、社民党、生活の党の野党5党は、安保法制廃止法案を衆議院に提出しました。
また、5野党党首会談で、「安保法制の廃止」「集団的自衛権行使容認の『閣議決定』撤回」という共通の旗印を立て、国政選挙で最大限の協力を行うことを合意し、衆議院補欠選挙や参議院選挙における一人区で、候補者一本化が次々と実現するなど野党共闘が大きくすすんでいます。
日本共産党は、「小異を捨てて大同につく」のではなく、「小異を尊重して大同の道を求める」という立場で、個々の政策や主張の違いはあっても平和と憲法、民主主義を守るという大義を実現するため、野党共闘の実現に力を尽くします。
民主主義と立憲主義を取り戻そうという国民の声が、画期的な政治局面を開きました。安倍政権の暴走に危惧をもつ多くの国民は、このような野党の大同団結を待ち望んでいたのではないでしょうか。
そこで区長にお聞きします。
第一に、日本の政治史上初めてとも言える、安保法制廃止のための「5野党共闘」について、どのような見解をお持ちですか。
第二に、5野党の共同を大きく後押しする安保法制廃止をめざし立ちあがった国民の力について、どのように思われますか。
それぞれお答えください。
次は、破たん明白なアベノミクスについてです。
内閣府が、2月15日に発表した2015年10~12月期の国内総生産(GDP)は、個人消費が大きく落ち込み、物価変動を除く実質で前期比0.4%減、年率換算で1.4%減となり、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の破綻がいよいよ明らかになりました。
日銀のマイナス金利導入もアベノミクスの破綻を象徴するものです。金融の量的緩和、異次元緩和を積み重ねたうえで「万策尽きた」というのが国民の受け止めであり、マイナス金利政策は、アベノミクスの破綻を日銀が認めたことに他なりません。
安倍政権の3年間で、大企業の内部留保は初めて300兆円を突破しました。一方で、正社員を23万人減らし、非正規雇用を172万人増やしました。
政府の「労働経済白書」でさえ、消費喚起のためには企業収益の賃金への分配が重要と述べているにもかかわらず、経団連は16年版「経済労働委員会報告」で、労働者への配分を最大限抑え込むことが重要だとしていることは看過できません。
GDPの6割を占める個人消費も3年間で4兆円も減額しています
アベノミクスが大企業に過去最高益をもたらす一方、国民の消費を落ち込ませ日本経済を悪化させていることは明白です。
直近の「中央区内景気動向調査」(15年12月)を見ると、現状判断DIは全体で前回調査よりも5.6ポイント低下、先行き判断DIは1.0ポイント低下し、合計で48.0となり、50ポイントを割っています。家計動向関連DIは7.4ポイントの大幅低下、企業動向関連DIも4.0ポイント低下し、「全体的に区内景気は芳しくない状況である」とまとめられています。このように区内の景気動向にもアベノミクスの失政は波及しています。
1月に発表された2015年の企業の廃業数は全国で26,699件、倒産した企業の2.7倍にのぼっています。景気の先行きに不安があり後継者も見つからないなどの理由で、黒字にもかかわらず廃業を余儀なくされる企業や商店が増え事業継承ができないと言うことは、日本経済にとっても、地域経済にとっても損失です。中央区でも例外ではないでしょう。
アベノミクスの破たんが次々と露呈し、区民生活に不安が広がるもと、中央区に求められるのは、国の悪政から区民の生活を守る防波堤となることではないでしょうか。
そこで区長にお聞きします。
第一に、アベノミクスの破たんは明白だと思いますが、いかがですか。
第二に、安倍政権の経済政策による区民生活への影響をどう考えていますか。
第三に、区内の廃業問題の認識と事業継続への支援策をどのように考えていますか。
それぞれお答えください。
次に、区長の所信表明についてお聞きします。
2016年度予算案を見ると、過去最大の約950億円となりました。予算のうち3割が土木建築費で、その半分近くが市街地再開発事業に充てられるという23区でも特異な自治体となっています。
超高層タワー型マンションを林立させる大規模な市街地再開発事業や、規制緩和によるマンションなどの建設ラッシュにより、中央区の定住人口は19年連続して増え続け、昨年4月には14万人を突破しました。こうした急激な人口増による保育所や学童クラブ、特養ホームなどの施設不足は、多くの待機児・待機者を生んでいます。
出生数が2000人台になる中、小学校の教室は1学年で約1000人分しかないという異常事態も起きています。
これまでに、出産支援タクシー券の3万円から1万円への減額や敬老祝い品の削減、保育料値上げ、区立駐輪場有料化などの区民サービス削減や区民負担増が進められてきましたが、これらは「住民の福祉の増進をはかる」という地方自治体の役割に反しています。
今でさえ、施設不足や福祉切り捨ては大問題なのに、区長は所信表明で「人口は今後も増え続け、開発動向を踏まえた推計では、平成36年頃には20万都市も見込まれる」「人口増を視野に入れつつ、新たな区政の舵取りが求められる」と、さらなる人口増を肯定しています。そして、「現下の課題や新たな難題に挑み続け~「『世界一の都市』を目指す東京の牽引役としての自覚を胸に、~持てる力の全てを注ぐ決意」だと述べ、今後もマンションだけでなくオフィスビルなどもどんどん建設し、定住人口、昼間人口ともに増やし、東京一局集中をすすめようとしています。
そこで、お聞きします。
第一に、区長が言う「現下の課題や新たな難題」の主な要因は、急激に人口を呼び込んだことにあると思いますが、いかがですか。
第二に、区長は所信表明で「多様化する区民ニーズに的確に応えていくためには、効率的・効果的な行財政運営に一層つとめていかなければならない」と述べていますが、多様化する区民ニーズに応えるためには、20万人の定住人口を前提にするのではなく、中央区に相応しい適正人口の設定と身の丈に合ったまちづくりへの見直しをおこなってこそ、真に効率的・効果的な行財政運営が実現すると思いますが、いかがですか。
第三に、「世界一の都市」づくりに「力の全てを注ぐ」ということは、「福祉の増進をはかる」という自治体本来の姿を失い、舵取りの方向がまちがっています。市街地再開発事業などの大規模開発を抑制し、福祉の増進に力を尽くすべきではありませんか。
第四に、区長は所信表明で「多様な観光事業の展開やイベントによるにぎわいづくりを切れ目なくつづけることが中央区の末永い発展に結びつく」とも述べていますが、イベントがどのように末永い発展に結びつくのですか。真の発展のためには、区民のくらしと区内業者の営業を安定させていくことが求められると思いますが、いかがですか。
第五に、舛添都知事は、都議会第一回定例会で、2020年東京五輪は「招致時の状況をはるかに超える膨大な事業となりつつある」「大会準備が本格化するについて、数多くの課題が顕在化してきている」と言及しています。区長は五輪開催がもたらす深刻な課題についてどのように認識していますか。
それぞれお答えください。
次に、子どもの貧困についてお聞きします。
貧困と格差がいっそう拡大している中で、子どもの貧困が社会問題になっています。
日本政府は2009年に初めて公式に相対的貧困率を発表しましたが、「子どもの貧困率」(06年)は約7人に1人で、当時、経済協力開発機構(OECD)諸国のなかでも最悪水準に位置しているとして大問題となりました。その後も悪化傾向を続け、昨年発表された最新数値(12年)では子どもの貧困率は約6人に1人へ拡大しています。
3年前の国会では「子どもの貧困対策法」が全会一致で成立し、今年2月23日には超党派の国会議員でつくる「子どもの貧困対策推進議員連盟」が国会内で設立されるなど、今、子どもの貧困をなくすことは、日本の将来にかかわる大問題だとの認識が広がっています。
比較的、高所得の世帯が多いと考えられている中央区でも、就学援助を受けている要保護世帯、準要保護世帯の子どもの割合は、2014年度は小学生で6人に1人、中学生で4人に1人となっています。
そこで、お聞きします。
第一に、区長は、区内での貧困の実態、特に子どもの貧困についてどう把握していますか。お答えください。
第二に、日本で相対的貧困に該当するのは、単身者では手取り所得が約122万円、2人世帯では約173万円、3人世帯では約211万人、4人世帯では約244万円に相当する世帯となります。中央区で、全世帯に占める3人世帯で手取り所得が211万円以下の世帯と、211万円~300万円以下の世帯の比率はそれぞれどのようになっていますか。
それぞれお答えください。
厚生労働省が、昨年11月4日に発表した「就業形態の多様化に関する総合実態調査」では、パートや契約社員、派遣社員など正社員以外の労働者の割合は40%(2014年10月1日時点)で、1987年の調査開始以来、初めて4割に達しました。とりわけ深刻なのは、働き盛りの世代で非正規社員が急増していることです。
また、長時間労働により、毎日夜遅くまで働き子どもと十分に向きあう時間が取れないという働き方も深刻な問題です。中央区は交通至便な場所ですが、職住接近の弊害としてさらに労働時間が長くなるという事情もあります。
夫が夜遅くまで仕事で忙しく、一人っきりで赤ちゃんと向き合わなくてはならないことにストレスをため「子どもと2人でいることがこわい」と言う方や、両親ともに仕事が忙しいため、子どもは学童クラブを区立と民間の2つ掛け持ちで通い、帰宅が10時になるという話も聞きます。
長時間労働を是正し、誰もが人間らしく働ける社会にすることで、夫婦がともに子どもときちんと向き合える生活の余裕を確保することが必要です。
また、正社員が当たり前の社会をつくり、国民の所得を増やすこと、社会保障のセーフティーネットを拡充し、暮らしを支えることが求められます。
そこでお聞きします。
第一に、子どもの貧困は、非正規雇用の拡大や、長時間働かなければ生活していけないような低賃金といった雇用破壊により生まれていると思いますが、区長は子どもの貧困を生み出す社会を是正するために何が必要だと思いますか。
第二に、中央区は、仕事と家庭生活の均衡を保つための一定の基準を満たす、従業員300人以下の事業所を、「ワーク・ライフ・バランス認定企業」として認定していますが、認定企業は6年間で19社にとどまっています。中央区には23区で2番目に多い約37,000の事業所がありますが(2014年7月1日現在。経済センサス)、その内約99%が300人以下の事業所です。長時間労働を是正するため、認定企業を増やす余地はまだまだあります。この取組事態の周知の工夫や、長時間労働が生産性を上げるわけではないということを広く発信していく必要があると思いますが、いかがですか。それぞれお答えください。
日本の高すぎる教育費も、貧困の広がりに拍車をかけています。
昨年11月24日、経済協力開発機構(OECD)は、2012年の加盟各国の国内総生産(GDP)に占める学校など教育機関への公的支出の割合を公表しましたが、日本は3.5%で比較可能な32カ国中、最下位でした。
2014年に策定された「中央区ひとり親家庭実態調査」(児童育成手当受給者対象、回収率54.2%)では、「子どもの学費等の奨学金制度の充実に取り組んでほしい」「家庭の経済状況に子どもの教育が左右されないような制度がほしい」など子どもの教育に関わる切実な声が紹介されています。
党区議団にも「中学生の塾の費用が3教科で月5万円、夏期・冬期・春期講習も入れると年間80万円位になる」といった具体的な声が寄せられています。
そこでお聞きします。
第一に、現在、中央区ではスクールソーシャルワーカーは中学校にしか配置されていませんが、スクールソーシャルワーカーとは社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持ち、子ども本人と向き合うことに加え、家庭や行政、福祉関係施設など、外部機関と連携しながら、子どもを取り巻く環境を調整する役割を担っており、家庭訪問もできる貴重な存在です。昨年の決算特別委員会で私が小学校にも配置を拡大することを求めたところ、「検討していきたい」との答弁でした。1日も早い配置を求めますが、いかがですか。
第二に、国の公的支出を大幅に増やし、給付型奨学金制度の創設や学校教育の無償化など、お金のある、なしに関わらず誰もが学べるようにすべきだと思いますが、いかがですか。
第三に、保護者負担を軽減するため、中央区でも学校給食費の無料化と18歳までの医療費無料化の実施を求めますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
著しく拡大している貧困ですが、とりわけ、ひとり親世帯では深刻です。
昨年発表された相対的貧困率最新数値(12年)では、ひとり親家庭の子どもの貧困率は50%を上回り、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国で最悪となっています。
また、総務省の「全国消費実態調査」によると、母子家庭は月944円の赤字だということです。
2014年に策定された「中央区ひとり親家庭実態調査」(児童育成手当受給者対象、回収率54.2%)の結果を見ると、年収は200万円未満が約44%、300万円未満は約70%となっており、物価が高い中央区で暮らしていくのは大変なことです。
「働いている」という回答は87.8%ですが、雇用形態の内訳は「常勤(正社員)」が33.4%と最も高いものの、「パート・アルバイト」26.9%、「派遣・契約社員」14.5%を合わせた非正規が41.4%で、正社員よりも高くなっています。
住宅に関しては、年収200万円~300万円未満の世帯の半数が、7万円~15万円未満の家賃負担をしており、所得から考えると、家賃負担の割合が重くなっています。
「中央区ひとり親家庭実態調査」では、区の支援施策に対する要望として「中央区の家賃が高い。ひとり親住宅、区の住宅は日本橋地域にはなく、倍率が高い」「ひとり親世帯住宅が空かないので、民間賃貸住宅に入り生活するしかない」「一生住める家を、都営・区営で増やしてほしい」など住宅支援を要望する声があがっています。
そこで、お聞きします。
第一に、区立ひとり人親住宅や区営住宅の拡充、民間賃貸住宅への家賃補助を求めますが、いかがですか。
第二に、今、経済的に苦しかったり、ひとり親で食事が十分にとれない子どもたちに、栄養バランスのとれた食事を提供する「子ども食堂」が、勝どき地域でも開催されています。「放っておけない」と善意から立ち上がった人たちの努力に任せるだけではなく、行政としての支援が求められると思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
次は、シルバー人材センターについてです。
昨今、シルバー人材センターにかかわる問題が各地で噴出しています。その多くが就業にかかわる問題です。シルバーで働く会員は、労働者ではなく、請負、個人事業主とされていますが、この間、この解釈の変化が生まれています。シルバー人材センターの「就業打ち切り」および「偽装請負問題」が争われていた横浜市では、労基署が「きわめて労働者制が高い」と判断しましています。
昨年6月、わが党区議団にも、シルバー人材センターから「就業打ち切り通知が送られてきたが、理由の説明がなく納得できないという」会員の方たちから相談がありましたが、現時点でも説明がない異常な状態が続いています。
シルバー人材センターは、1986年の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正により法制化されました。
中央区シルバー人材センターの定款では、「第3条」に、「センターは、社会参加の意欲ある健康な高齢者に対し、地域社会と連携を保ちながら、その希望、知識及び経験に応じた就業並びに社会奉仕等の活動機会を確保し、生活感の充実及び福祉の増進を図るとともに、高齢者の能力を生かした活力ある地域社会づくりに寄与することを目的とする。」ことを掲げています。
就業打ち切りの説明が拒否されたために、会員の日々の生活に精神的な苦痛を与えることは、「生活感の充実及び福祉の増進を図る」という目的に逆行するものです。
シルバー人材センターの事務局には、これらの目的を遂行するための事務を行う役割があり、会員の訴えを聞き、適切な判断と手立てをとることは当然のことで、就業打ち切りについての説明を求められた場合、それに応える責任があります。事務局には、「就業専門員」も配置されているのですから、「会員による自主的・主体的な運営」が適切に行われているのかの監督責任もあります。さらに理事会、理事長には、問題が起こったときに、調査や事情聴取など行い、目的にそった適切な運営に立ち戻す責任があります。
また、中央区は、「働く意欲のある高齢者にその機会を提供し生きがい対策を進めるため、『公益社団法人中央区シルバー人材センター』に対して、円滑な事業運営が図られるよう基礎的運営費の補助などを行ってい」(中央区政年鑑)ますから、区にも「高年齢者の福祉の増進」「経済及び社会の発展に寄与する」という目的を果たすための指導責任があると考えます。
そこで区長にお聞きします。
第一に、就業に当たって会員に渡される「就業確認書」には、「不適正・不適格等と判断され、上記就業提供期間満了を持って終了となる場合は、その2週間前までに通知します。」とあります。この「不適正・不適格等」に該当する事例はどのようなものですか。
第二に、シルバー人材センターが、就業の希望と知識、経験がある会員の就業を打ち切るのであれば、「社会参加の意欲ある健康な高齢者に対し、その希望、知識及び経験に応じた就業の活動機会を確保する」という「目的」から見ての打ち切る理由とともに、どういう点で不適正・不適格だったのかを説明する必要があると思いますが、いかがですか。
それぞれお答えください。
以上で1回目の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。
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奥村暁子議員の御質問に順次お答えいたします。
初めに、安保法制についてであります。
北朝鮮による先月四日の長距離弾道ミサイル発射と一月六日の核実験の強行は、国際社会の平和と安全に対する重大な脅威であり、区議会とともに厳重に抗議したところであります。このように繰り返される北朝鮮の暴挙に加え、世界各地で頻発するテロなどにより厳しさを増す我が国の安全保障環境を背景に、昨年、新たな安全保障法制と日米協力体制が構築されたものであると認識しております。昨年十一月に設置された日米の同盟調整メカニズムは、先月の北朝鮮のミサイル実験において活用され、円滑な連携が図られたとされております。今後とも、地域の安定、さらには東日本大震災のような大規模災害への対処など、我が国と国際社会の平和と安全に資する良好な協力関係を築いていくことが重要であります。また、PKO部隊への任務付与などの安保法制の具体的な運用につきましては、憲法の平和主義の理念のもと、国の責任において慎重な審議や検討がなされるものと考えております。
次に、憲法第九条と安保法制をめぐる議論についてであります。
憲法第九条や安保法制につきましては、現在、さまざまな意見や議論があり、そうした中で、野党共闘などの動きがあることも承知しております。一方、安保法制について、政府は憲法第九条の合理的な解釈の範囲内であり、立憲主義に反するものではないとしております。憲法改正と安全保障政策は国の根幹にかかわる事項であり、国民的議論が幅広く展開されることが重要であります。その上で、国権の最高機関である国会において十分な審議がなされるべきものと認識しております。本区といたしましては、引き続き、あらゆる施策を通じて平和のとうとさを国内外に訴えてまいりたいと存じます。
次に、アベノミクスについてであります。
日本経済の近況においては、経常利益の増加による企業業績の改善や高水準の有効求人倍率が続く雇用情勢など、上向きの経済指標も見られております。そのような中、年明けからの急激な株安や円高などにより、先行きに対する懸念も広がっており、予断を許さない状況にあると認識しております。アベノミクスに対する評価は、こうした国内経済の状況に加え、中国や新興国を初めとする世界経済や資源価格の動向など外的要因による影響、さらには我が国が直面する少子高齢・人口減少社会への対策の成果も含め、国において総合的に判断されるものと考えております。
次に、区民生活への影響についてであります。
先月十五日に内閣府が発表したGDP速報値では、実質成長率、名目成長率ともに前期に引き続きマイナスとなりました。一方、月例経済報告は、四カ月連続で、一部に弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとされており、回復基調の流れに大きな変化はないものと認識しております。しかしながら、本区景気動向調査においては、二期連続で数値が低下したことから、これまでと同様に、区民生活を守り、中小企業を支援する立場から、区内外の景気動向を注視し、適宜適切に対処してまいりたいと思います。
次に、区内事業所の廃業と事業継続への支援についてであります。
本年一月に東京商工リサーチが公表した二○一五年休廃業・解散企業の動向調査においては、全国的に中小企業の倒産は減少しているものの、後継者難や先行きの不透明感、人手不足などから、余力を残しながらも廃業する事業者が多いとされております。区内事業所の廃業状況を把握することは困難であり、また、区における商工相談の中でも、事業継続に関しての相談実績は、ここ数年ない状況であります。したがいまして、今後、具体的な相談があった際には、中小企業の事業継承や創業等を支援する東京商工会議所のビジネスサポートデスクと連携しながら、適切に対応してまいります。
次に、人口増加と区民ニーズへの対応並びに福祉の増進についてであります。
本区は、かつて著しい人口減少により、にぎわいの喪失という深刻な危機に直面しておりました。そこで、都心に人が住めるようにしようを合い言葉に、全庁を挙げて総合的な施策に取り組み、今では基本構想に掲げた目標をはるかにしのぐ人口十四万都市となりました。まさに、人集まらずして繁栄なしと申しますように、定住人口の増加は、本区の生命線である活気とにぎわいの創出と、さらなる飛躍・発展のために不可欠なものと認識しております。区民はもとより、本区の魅力に憧れを抱き、転入を希望される方々の期待に応えていくことは、基礎自治体に課せられた責務であります。区といたしましては、今後とも、全ての区民の幸福追求、特に福祉の充実に総力を挙げ、誰もが幸せを実感できる夢と希望に満ちたまちづくりに邁進してまいります。
次に、イベントの開催についてであります。
本区は、伝統ある老舗や多彩な産業が集積し、我が国の社会経済を牽引する旺盛な経済活動が営まれております。こうした商工業のまち中央区のさらなる発展に向け、これまでも観光や文化を初めとしたさまざまな施策の充実や各種イベントを開催してまいりました。また、地域においても、盆踊り大会や餅つき大会など、一年を通じて多彩なイベントが行われており、こうした歴史と文化に裏打ちされた連続的なイベント等の開催が本区の活気に結びついているものと認識しております。四年後に迫った東京大会に向け、国も二十万件もの文化イベントを展開していく予定であります。今後、ますます増加が見込まれるインバウンドの取り組みやにぎわいの創出によって、地域が潤い、ひいては、こうした施策が区民福祉の向上に寄与していくものと考えております。
次に、東京大会の開催に伴う課題認識についてであります。
選手村整備につきましては、晴海地区のまちづくり協議会を初め、将来ビジョン検討委員会、晴海をよくする会など、地域団体の方々から将来を見据えた良好なまちづくりに係る多くの御意見、御要望をいただいております。また、平成二十五年度に実施した区民等意識調査におきましても、区民が懸念する事項として、大会時のセキュリティーや大会後も含めた交通対策などが挙げられており、区内全体に大きな影響を及ぼすものであると認識しております。こうした課題の解決に向けましては、開催都市決定後、東京都に対して三度の要望書を提出し、その対応や方策について鋭意協議を進めてきているところであります。区といたしましては、今後とも大会開催による区民生活に与える影響を最小限にとどめるとともに、大会後の魅力あるまちづくりの実現に向けて、都とも協議を重ねながら全力で取り組んでまいります。
次に、子供の貧困についてであります。
経済的に困窮した共働きやひとり親の家庭の中には、最低限の生活にもお困りの保護者や、一人で過ごす時間の多い子供も見受けられます。こうした家庭環境では、子供の学習意欲や向上心が十分に育まれにくい要因もあるため、区としても、学習支援事業など、子供が健やかに育成される環境の整備に取り組んでいるところであります。なお、区が保有する課税情報では、世帯単位での所得状況を把握することができないため、所得階層別の世帯比率は算出しておりません。
次に、貧困の要因と対策についてであります。
非正規雇用で生計を維持する世帯は、正規雇用者と比べ、雇用が不安定で賃金も低く、経済面や生活面でゆとりを持てない傾向があることから、雇用対策や働き方の見直しなど、仕事と生活の調和を実現できる社会づくりが大切であると認識しております。現在、区では、ワーク・ライフ・バランスの推進が企業等の生産性の向上にもつながることを積極的に発信し、本年度の四社を含め、これまで二十三社をワーク・ライフ・バランス推進企業と認定しております。今後も、本事業のPRに努め、認定企業の拡大に取り組んでまいります。
次に、学校給食等の無料化についてであります。
区では、学校給食法の規定に基づき、保護者の負担とする経費のうち、食材料費のみを給食費として負担していただき、就学援助を必要とする保護者には給食費を全額支給し、負担の軽減を図っております。したがいまして、学校給食費の無料化は考えておりません。また、十八歳までの医療費無料化も、児童人口が増加する中、喫緊の課題である保育所整備などの重点施策に財源を配分していく必要があるため、慎重な検討が必要と認識しております。
次に、区立ひとり親住宅や区営住宅の拡充と民間賃貸住宅への家賃補助についてであります。
本区は、これまでも再開発等により、ひとり親住宅を含む区立住宅七百十八戸、借上住宅四百三十八戸の確保や、区営住宅百三十戸など、さまざまな機会を捉えて、可能な限り区民住宅の整備に努めてきております。ひとり親住宅や区営住宅の拡充については、整備に要する財政負担や土地の確保が大きな課題であります。また、民間賃貸住宅への家賃補助についても、財政負担はもとより、公平性や継続性の観点から、慎重な対応が必要です。こうしたことから、限られた財源と多くの課題がある中で、新たな住宅整備や家賃補助制度の導入は困難と考えております。
次に、こども食堂についてであります。
昨年十二月に、勝どきにおいて、NPOと企業が協力し、高校生までを対象に無償で食事を提供する催しが行われたことは承知しております。経済面や子育てなどにおいて困難を抱える家庭に対しては、学習支援や生活支援、就労支援、経済的支援など、幅広い視点での総合的かつ継続的な取り組みが必要であると考えております。現在、国や都において、子どもの居場所づくりなどを通じた貧困対策が検討されております。区といたしましても、こうした動向を注視しながら、NPOなどの関係団体等とも連携し、子供が地域で安心して暮らせ、健やかな成長が図られるよう取り組んでまいります。
次に、シルバー人材センターについてであります。
シルバー人材センターは、発注者からの受注を適正に遂行するため、接遇マナー研修など、就業の質向上に取り組むとともに、守秘義務の遵守等を就業規約や就業会員の心得に定めております。そして、就業の適正化・公平化を図るため、理事会の諮問機関として就業適正委員会を設置し、長期間就業の是正や不適任等就業者への対応を行っております。就業終了の説明につきましては、シルバー人材センターと会員との関係は、雇用契約ではなく請負契約であるため、理由は説明しておりませんが、契約が終了しても、新たに就業を希望される方には、次の就業先を紹介しているところであります。
私からの答弁は以上であります。
教育問題についてお答えいたします。
初めに、スクールソーシャルワーカーの小学校への派遣についてであります。
現在、小学校では、いじめ、不登校等の問題については、スクールカウンセラーや専任教育相談員と連携して対応しております。小学校へのスクールソーシャルワーカーの派遣については、社会経済状況が目まぐるしく変化し、家庭環境も複雑化していることから、中学校での活動状況を検証し、その必要性を引き続き検討してまいります。
次に、教育に関する国の取り組みについてであります。
本区では、学校教育法に基づく就学援助のほか、全ての保護者を対象に、修学旅行費や卒業アルバム代の補助、学校給食の米飯給付など、独自の取り組みを行い、保護者負担の軽減を図っております。一方、国においては、平成二十六年八月に子供の貧困対策に関する大綱を策定し、この大綱に基づき、昨年十二月には、ひとり親家庭等への教育の支援に関する施策が取りまとめられたところであります。教育委員会といたしましては、引き続き保護者負担の軽減を図ってまいりますが、国の責任において実施されるべき施策に必要な予算が確保されることは非常に重要であると認識しており、子供の貧困対策の動向を注視してまいりたいと存じます。
答弁は以上です。
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では、初めに、安保法制、戦争法についてお聞きします。
区長からは、北朝鮮の弾道ミサイル発射の問題ですとか、日本周辺、世界での安全保障環境の変化のために安保法制も必要だという、これまでと同じ答弁でしたけれども、抑止力になるということで安保法制、戦争法を強行しながら、北朝鮮は今回弾道ミサイルを発射しているわけですし、結局のところ、抑止力にはなっていない。軍事的な対応では、こういう堂々めぐりを呼ぶだけで、解決にはならないと思いますが、その点についての御認識を一度伺いたいと思います。
それと、大規模災害への対処としても安保法制は必要だという御発言もありましたけれども、これは安保法制でなくても対応できると思うので、その点についても、もう一度御答弁いただきたいと思います。
それと、憲法九条の改正については、合理的な判断のもとに実施されるものだということでしたけれども、戦争法、そして憲法九条改正の問題について、憲法の専門家である憲法学者の九五%の方が違憲だという声を上げている。そして、戦争法については、三人の憲法学者が、昨年、安保法制は違憲だと、きちんと発言している。また、さらに内閣法制長官を務められた方々、最高裁の元長官、元判事らも憲法違反だと、はっきり述べているわけですので、どう考えても、私はこれは憲法九条には違反するもので、憲法との整合性がとれるものではないと考えますので、区長の御見解をもう一度お示しいただきたいと思います。
それと、区長は、これまで安保法制に対しては肯定的な発言もされてきましたけれども、憲法九条は大事だということは繰り返し述べてこられたと思います。そして、あらゆる施策の根幹に平和を据えるということも繰り返してきたので、憲法九条、これについては、きちんと反対だという声を上げないと、これまでの答弁と矛盾したものになると思うんですが、憲法九条改正をどう思うのか、はっきりと述べていただきたいと思います。
それと、アベノミクスの破綻、これは、私が質問で示したのは、全て国の統計ですので、国の統計で明らかにこれは破綻だと判断できる数字が並んでいるので、アベノミクスが破綻しているということについても、きちんと認めるべきだと思います。
二月十四日付の「ウォール・ストリート・ジャーナル」でも、アベノミクスを打たれ弱いボクサーに例えて、強力なパンチを持っているはずだったけれども、実はガラスの顎だったということがわかったという評価もありまして、アベノミクスのトリクルダウンの経済学、大企業が潤えば、それがやがて庶民にも回ってくるということは現実に全く起きていないわけですから、やはり国民の懐を直接温めていく政策に切りかえるべきだと思いますので、その点についても御見解をお示しください。
それと、廃業問題についてなんですけれども、区での調査は難しいということですが、全国でのこういうデータがあるので、全国というのはその自治体自治体のそれぞれの業種での廃業の情報を集めて、それが一つの全国での総数となって、データとなってあらわれているわけですから、私は調べることも可能だと思いますので、なぜ無理なのかという点について、もう一度伺いたいと思います。
それと、廃業に対して、具体的な相談というのがないということなんですけれども、これももう廃業するとなると、諦めてしまって、なかなか相談に至らないということや、区の相談に足を運ぶということに考えが至らない、そういうこともあると思うので、周知の問題もあると思います。ベンチャーの支援ですとか、融資というのももちろん大事なんですけれども、こうした廃業の問題について向き合うという気持ちも必要だと思いますので、その点についても御見解をお示しください。
それと、所信表明についてですが、なぜ想定以上に人口がこうしてふえてしまって、施設が足りなくなっているのかということの検証をしなければ、今後も同じことを繰り返すことになると思います。想定をはるかにしのぐ人口増ということも区長の御発言でありましたけれども、なぜそんな想定以上に人口がふえてしまったのか、この検証が必要だと思います。
それと、新しく転入してくる方たちに対して希望を与えるようなまちづくりを進めたいという旨の御答弁もありましたけれども、新しく転入されてきた方たちも、保育園がない、学童がない、特養がないなどなど、施設が足りないということで非常に困っているわけで、そういう意味からも、新しく転入してくる人たちにとって、希望を与えるようなまちづくりになっているのか。確かに、都心ですし、憧れもあって、住みたいと思われる方は多いかもしれませんけれども、実際に住んでみてどうだったのかといえば、私の周りでは、非常に施設が足りない、大変だということが言われていますので、そういった声は区長に届いていないのかという点について確認させていただきたいと思います。
それと、オリンピックに関して、セキュリティーの費用が非常にかかるということですけれども、これも、やはり戦争法と絡みますが、海外で戦争するようなことをアメリカと一緒に進めていけば、さらにテロの危険も増して、セキュリティー費がふえていくということもあるので、この認識についても御答弁いただきたいと思います。
それと、子供の貧困対策についてです。やはり区長は、区内での貧困の実態について、どういう認識を持っているのかということがはっきりしませんでした。中央区での所得ごとの割合、所得ごとの世帯数というものも出ないということです。でも、私がいろいろ聞くお話では、学校の中では、小学生が眼鏡をつくろうとしても、その親が二つ買うと割引になるお店があるので、母親が眼鏡をつくるまで子供の眼鏡をつくるのを待ってほしいと懇願されるというようなことや、中学校を卒業して、その後、経済的な理由から、都立高校にしか絶対に行けないんだということを相談されて、初めてそういう貧困の状態にあるということがわかったということなど、そういう実態も聞いています。中央区では裕福な方が比較的多いとされているので、なかなか貧困が見えづらいというのはあると思うんですけれども、必ず存在しているわけですし、そういう貧困の状態を区として把握していく、そして対策をとっていこうという気持ちが大事だと思います。なかなか民間の企業、団体などで調査しようとしても難しい。それは、やはり区が一番情報も持っているわけですし、実態を把握するには適切だと思いますので、これについても考えていただきたいと思いますので、御見解をお示しください。
それと、国が貧困をなくすために抜本的な対策を打ち出していくことはもちろん大事なんですけれども、国がやらないのであれば、国がやるまでは、区として支援することがやはり必要だと思います。就業支援や保険料を独自に引き下げていく、区営の住宅をふやす、家賃補助をする、生活保護の申請を水際で食いとめるような水際作戦を行わないとか、区でできることもたくさんあると思います。住宅については、区立のひとり親住宅の直近の倍率が三十三倍で、区営住宅の直近の倍率が五十二倍、これだけの人が応募して入れない。そして、ひとり親家庭の実態調査でも、住宅費が非常に高いということで、住宅支援を望む声が多く出ているわけですから、やはり区として住宅を整備していくということが、家賃の高い中央区だからこそ必要だと思いますので、その点についても再度御見解をお示しください。
それと、シルバー人材センターの問題ですけれども、適切な対応は行っていると言いながら、理由は説明していないということなんですが、昨年九月の福祉保健委員会で我が党の小栗議員が、シルバー人材センターの就業の適否についてどう判断するのかと質問した際に、区の答弁は、何らかの形でトラブルとか、そういうことがあった場合には、就業適正委員会のほうで実際に調査をして、それを理事会に上げて、最終的には決定する。そういうことがあったということは、当然本人もお知りになっているので、御本人の意見も聞いた上で、最終的には決定していくような形になりますという答弁があるんですけれども、結局、就業終了書を一方的に送付された方々には、何の意見聴取もありませんし、説明というのは、今に至るまでされていませんので、区として、やはりきちんと説明していく義務があると思いますので、その点についても御見解をお示しください。
以上で二回目の質問を終わります。(拍手)
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どうも。安保法制につきましては、先ほど来言っているとおりでありますけれども、北朝鮮に対して抑止力にならないのではないかということでありますけれども、新たな経済制裁なんかも加わるわけでありますから、これは北朝鮮にとっても大変な事態を迎えているのではないかな、こういうふうに思いますね。私も北朝鮮へ行ったことがありますけれども、本当にすばらしいまちであり、人々が住まわれているわけでありますが、そういう人々が不幸にならないようにというふうに願うわけでありますから、こういう、今行っているような暴挙、国際社会に対してのさまざまな行動は厳に慎んだほうがよろしい、そういうふうに思いますね。そのための抑止力、これはやはり日本、アメリカ、韓国、中国、周辺国がこぞって高めていく、これは重要ではないかな、こういうふうに存ずるところであります。
それから、憲法の平和主義、これはしっかりとこれからも堅持していくというのは、もう国のほうでも言われているわけでございますから、そういう理念のもとに、さまざまなPKO部隊などの行動も具体的に運用されていくもの、こういうふうに思っているわけであります。
それから、憲法九条を初め、憲法問題につきましては、私の考えはもう終始一貫しておりますね。何度も答弁させていただいているとおりでございまして、国の最高機関である国会で十分な審議がなされるべきであるということに尽きるわけでございますし、また日本は独立国家であるわけですから、それである以上、主権国家としての固有の自衛権、これはもう否定されるわけがない、こういうふうに私自身は思うところでございます。
それから、アベノミクスについてでありますけれども、「ウォール・ストリート・ジャーナル」以外でも、いろいろなマスコミの皆様方は論議されて、批判は批判、また破綻だとか、いろいろな論調は出ているところでございまして、それは言論の自由でありますから、さまざまな観点から批判なり御指摘されるのは自由なのではないでしょうか。
ただ、私としては、区長ですから、区民へのさまざまな影響がどうなるのかという観点ですね。これはもう区議会の皆様方と一体となって、適宜適切に判断、また行動していかなければならない、こういうことで、さまざまな経済的な指標、動向など、こういうものもしっかりと読み解きながら対応しているところでございます。やはり何といっても、こういうまちですから、景気がどんどん上昇することを願っているわけでございます。そういう中で、廃業する云々という事業者につきまして、区のほうの資料、調査結果が不十分であるということでございます。この点につきましては、他の理事者から答弁させたいと思います。
また、人口増加についてでありますけれども、これは呼び込んで人が来るのではないわけでございまして、何か呼び込んだから来たのではないかと言われますけれども、人口が十七万二千百八十三人から七万一千八百六人まで、四十五年間も減少に減少を続けてきたわけでありますから、総合的な人口回復施策、これは議員の皆様方と一体となって進めてきました。ただ、いらっしゃい、いらっしゃい、中央区へいらっしゃいと言って、住宅をつくったから来るかというと、そんなことはないわけで、福祉の充実であるとか、さまざまな魅力ですね。住んでみたいまちナンバーワンだと言われたこともありますし、住みたいまちナンバーワンと言われたこともありますし、また成長都市ナンバーワンと言われたこともありますし、活力あるまちということで、「日経ビジネス」ですか、二十三区で一番に評価されたりするわけでございますけれども、これはもう区議会の議員の皆様方と一体となって、福祉を初め、各施策が大いに充実したからこそ、人に来ていただいているわけでございます。これはさまざまな点で、こんな魅力がないまちなら、もうどこか行きたいということであるならば、かつての人口減少時代と同じようになってしまう、人というのはそういうことじゃありませんか。自分たちの考えで、このまちは住むのにいいと感じるからこそいるのであって、ここは魅力がないなと思ったらどこかへ行ってしまう。今、各自治体でもそういう自治体が多くなっている。それはやはり人というのはそういうものではないでしょうか。そういうふうに私は思うわけでございまして、そういう意味では、これからもさまざまな面で子供を産み、育てやすい自治体ナンバーワンを目指して、保育所、保育園、こういうものも東京駅前にもつくろうではないかということで取り組んでいるわけでございます。福祉も同様でございまして、福祉の中央区と言われるように、これからも邁進してまいりたい、そういうふうに存ずるところであります。
家賃補助につきましては、民間、区立住宅、区営住宅、各種の施策、先ほど戸数まで述べましたけれども、どんどん充実を図って、四十六戸しかなかったのが、千三百戸近くにまでふえているわけでございます。また、民間に入られている方の家賃補助となると、これは、先ほども申しましたけれども、公平性など、さまざまな問題が生じるおそれがあるのではないかな、こういうことを懸念しているところであります。
シルバー人材センターにつきましては、他の理事者から答弁させます。
私からは以上であります。
私からは、休廃業・解散件数についてお答えいたします。
ただいま御質問の中では、東京商工リサーチの二万六千六百九十九件というお話が出ていたと思います。似たような数値では、同じく帝国データバンクが同じ一年間の調査結果を出しております。これが二万三千九百十四件、東京商工リサーチと数字が違ってまいります。これはなぜかというと、東京商工リサーチ、帝国データバンク、それぞれがお持ちのデータベースのそのデータを使ってのそれぞれの資料ということでございまして、区市町村別の内訳等が出ている状況ではございません。
また、経済センサス等で区内の事業所数というのは、統計上出ているところでございます。例えば、三年前の平成二十四年は三万七千三百三十三事業所があった。二十六年の調査においては、三万七千七百四十九という、その間の数字の変化はありますが、その間にどの事業所が消えたとか、どの事業所が生まれたとか、そういう個々の事業所別のデータはないわけでございます。もちろん、なくなった事業所が、それが廃業でなくなったのか、倒産でなくなったのか、転出でなくなったのか、そういう事由は一切押さえていないというところでございますので、私どもとしては、休廃業・解散件数については掌握できないところでございます。
それから、周知に問題があるのではないかというお尋ねがございました。私どもは、経営相談については、広く情報を提供しているところでございます。また、商工関係団体とか工業団体、それから東京商工会議所中央支部とも連携しながら、こういう経営相談は、区はいつもオープンにしているということをお伝えしているところでございますので、今後とも経営相談を皆様方にたくさん御利用いただきたいと思っていますので、その周知に努めてまいりたいと思っているところでございます。
私からは以上でございます。
どうも恐縮でございます。答弁漏れがあったということでございます。
二○二○年東京オリンピック・パラリンピックのセキュリティーに、安保法制によって危険性が増すのではないかという御指摘がございましたけれども、いろいろな面から、これはもう万全を期して、警察、消防の皆様方、また各方面の皆さんと東京都や国と力を合わせて、どんな問題も起こらないように、しっかりとセキュリティー対策をやってまいりたい、対応してまいりたい、こういうふうに存ずるところであります。
以上であります。
私からは、子供の貧困に関します区内の実態ということでお話がございましたので、その点についてお答えしたいと思います。
確かに、数の上でどういうふうに把握するかというのは、区の保有データの中では非常に難しい状況がございます。国等でもさまざま、総体的な貧困率ということで数字が紹介されているところでございますが、これも国民生活基礎調査ですとか消費動向調査、こういった既存の統計資料の数字をもとに、こういった数値を出しているということでございまして、区におきましては、世帯単位での所得状況を把握するのが、データ上はなかなか難しいという実態がございます。
また、この問題を考えるときに、数というのも一つ基礎データとしてはそれなりに価値があるというふうに考えておりますけれども、やはり区という、日々区民と接するような、相対するような業務を遂行する中で、子供をめぐりましても、生活相談の窓口でございますとか、子育て関係のさまざまな相談の窓口がございます。こういったところで、お一人お一人、個々の世帯の状況等を丁寧にすくい取りまして、どういった支援が必要なのかというのを関係部署が連携しながら対応しているところでございますので、今後もそういった基本的な姿勢を持って、この問題に対しても真摯に向き合って取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。
私からは以上でございます。
私からは、シルバー人材センターについてお答えいたします。
シルバー人材センターの会員との請負契約の満了につきましては、その後、継続するかどうかということについて、就業適正委員会等の諮問を受けた上、理事会のほうで決定しているところでございます。
委員会での私の発言の中身でございますけれども、何らかのトラブルがあった場合どうなるかということにつきましては、そういった事態になれば、何らかのトラブルがあったという事実は、そこに就業されているその方は、当然のことながら御承知だろうということで私は発言させていただいたというふうに考えております。もし、御本人の意向を聞いた上でなければ、そういった措置をとらないというふうに捉えたとすれば、私の発言の本意ではございませんので、この場で訂正させていただきます。
以上です。
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では、初めに、シルバー人材センターの件ですけれども、委員会での答弁で、何らかのトラブルという意味で発言したということだったんですけれども、小栗議員はトラブルがあったということを言ったわけではないので、これはトラブルについての対処という意味で聞いたのではないということを確認しておきたいと思います。
それと、シルバー人材センターについては、国からの通達も出ていまして、会員から具体的に就業などに関する話し合いの申し入れがあった際には、話し合いの機会を設けるということを促す内容の通達も出されているので、私はやはり、区としては、やめることになった理由について、きちんと説明をするべきだと考えます。
それと、廃業件数について言いますけれども、予算特別委員会で資料として出されている倒産数というのも、東京商工リサーチが出しているのではないかと思います。東京商工リサーチの調べで廃業もわかるのではないかと思いますので、この点は指摘にとどめて、また確認も後日していきたいと思います。
それと、区長から、人々が犠牲にならないためにも安保法制が必要になってくる、抑止力をやはり肯定するような発言がありましたけれども、やはり人々を犠牲にしないために戦争法は廃止していかなくてはいけないし、日本としてやるべきことは、憲法九条があるから、平和がこれまで守られてきたんだということを、この体験談を世界に発信していくということが最も大きな国際貢献になると考えます。
それと、固有の自衛権は当然あるわけで、これは当たり前のことなので、集団的自衛権の行使は、やはり私は必要ないと考えます。
それと、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のコメントについては言論の自由だということなんですけれども、やはりこうやって客観的な報道で、こうしてアベノミクスの破綻は明らかだという声があるわけですから、そういう声にもきちんと耳を傾けていくべきだと思います。
そして、区民への影響ということを区長として何よりも考えているということですけれども、やはり区民への影響ということでは、アベノミクスが株価を上げるために危険な株式の運用というのもどんどん進めて、その中で公的年金の株式運用額を引き上げたことで八兆円の赤字が出ているとか、それに対して安倍首相が、想定の利益が出ないようなら当然支払いに影響すると言って、年金支給額の減額があるということも当然のように話したようなこと、これは許せることではないと思いますし、国民がこつこつ払ってきた国民年金や厚生年金の支給額が引き下げられるということが実際に起これば、これはやはり区民にとっても大きな影響になると思いますので、アベノミクスに対しても批判的な目を区長として持っていくということも私は必要だと思います。
それと、人口増についてですけれども、一時本当に七万人まで人口が減ったときには、人口をふやしていくというのは大きな課題だったということはわかりますけれども、やはり施設が足りていない、ここまで人口をふやして、人口をコントロールするすべもなく、またさらに拡大して行政の需要も増す、しわ寄せが区民に寄せられるということではいけないと思います。やはり福祉の増進に力を注ぐという自治体本来の姿に立ち戻るべきだと思います。
それと、国民の新たな運動、戦争法廃止に向けての運動についてですけれども、こうして自由で自発的な行動が各地で起こってきたというのは、本当に戦後かつてない新しい風だと思います。日本の歴史でも初めての市民革命的な動きが開始されたと考えます。
戦争法廃止のために共闘を粘り強く広げるために頑張る決意を述べて、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)