2024年度中央区予算編成に関する予算要望書

中央区長  山 本 泰 人 様
2024年1月12日
 
日本共産党中央地区委員長  尾 坪   順
副委員長  細 野 真 理
日本共産党中央区議会議員  小 栗 智恵子
  奥 村 暁 子

 2024年元旦、震度7を記録する能登半島地震が発生しました。
 余震が続く中、懸命の救助作業が続いていますが、被害の大きさが日を追って明らかになっています。道路の寸断によって救援の手が届かない地区もあり、命を救う対策は一刻を争います。
 水や食料など物資が届いた避難所でも量が不足しており、上下水道の復旧にはなお時間がかかるとみられることから、給水車の派遣や、仮設・携帯トイレの確保に全力をあげること、健康と衛生の対応に万全を期すとともに、障害者に対するきめ細かな対応、ジェンダーに配慮した対応を行い、それらを進めるための人的体制を至急確保することが急務です。
 仮設住宅の建設を急ぎ、公営住宅の活用、ホテルや民間住宅の借り上げなど緊急の住まいの確保に手を尽くすことや、孤立地区の一刻も早い解消とともに、空からの輸送など緊急手段を使って物資を届けること、移動式の携帯基地局や電源の確保など通信の復旧も不可欠です。
 救援、復興は政府、自治体が総力をあげるべき優先課題です。岸田文雄政権は当面の支出として23年度予算の予備費から47・4億円の支出の方針を決定しましたが、大規模な被災者支援のためには、自治体や住民の要望を聞いて十分な予算案を組み、国会で審議し、さらに多くの予算を確保することが必要です。

 物価高騰により、多くの区民の暮らしや営業は長期に渡って厳しさが増す一方で、大企業の内部留保は528兆円を超え、一握りの富裕層に富が集中しています。
 政府は2024年度予算案を閣議決定しましたが、軍事費は初めて7兆円を超える一方、実効性のある賃上げ対策はなく、社会保障費も圧縮します。
 安保3文書を具体化するため、敵基地攻撃が可能なミサイルの取得、開発などに巨額の予算を計上し、つけ払いの新規後年度負担も過去最大です。大軍拡の財源を調達する増税については、国民の批判が強く、23年度に続いて実施を見送りましが、アジアの緊張を激化させる軍拡そのものをやめるべきです。
 社会保障費は高齢化などで増える自然増5200億円を1400億円削減し、診療報酬の改定では全体でマイナス、介護報酬は1・59%の微増にとどめます。医療機関や介護事業所の厳しい経営が改善されず、離職者の増加を食い止めることもできません。
 所得税・住民税の定額減税を実施しますが、1回だけの減税で疲弊した暮らしを立て直すことはできません。何よりも重要なのが賃上げです。労働者の7割が働く中小企業を抜本的に支援する必要があります。「賃上げ減税」も、赤字経営の中小企業には縁のない施策です。社会保険料の軽減をはじめ、すべての中小企業に直接届く支援に踏み切るべきです。
 国債費は27兆円と、歳出のほぼ4分の1を占めます。「異次元の金融緩和」を続けられなくなってきたことで長期金利が上昇しつつあり、利払いが膨らみます。
 歳入では、消費税の税収が過去最高の23兆8000億円となる見込みです。物価高やインボイス(適格請求書制度)制度の導入によって、国民の負担がますます増えることになります。
 被災地の救援と復興、そして物価高騰から生活を守り、経済の停滞を打開するには程遠い予算案です。

 小池都政では、物価高騰対策の補正予算案の全額が国の交付金で、都の独自財源を使わず、中身も不十分です。一方、「国際競争に勝ち抜く」「稼ぐ東京」をつくることを主眼にした築地市場「跡地」を含む臨海地域の「東京ベイまちづくり戦略」の大規模開発や、外かく環状道路などの大型道路建設を進め、明治神宮外苑の再開発では超高層ビル建設のため多数の樹木を伐採するなど、経済界ファーストの都政を進めています。都内の昨年11月の倒産件数は前年同月比25%増と15カ月連続で前年同月を上回り、今後さらに増加が見込まれるなか、地域経済を支えるため中小零細企業への支援が必要です。
 バブル期を越える史上最高水準が続く都税収入を、都民の暮らしと営業を守り、格差を是正するために使うべきです。
 中央区に求められるのは、こうした国や都の悪政から区民生活を守る「防波堤」の役割をしっかり果たし、今こそ、「公助」の力を最大限発揮すべきです。
 日本共産党中央区議会議員団は、区民のみなさんから寄せられている切実な要求や、わが党の政策的提起とともに、ここに916項目の「2024年度中央区予算編成に関する要望書」を提出します。
 貴職が、これらの区民要求を積極的に施策に取り入れて予算化されることを要望いたします。

 

目 次

緊急要望

一、平和と自治権拡充をつらぬき、清潔でむだのない、区民本位の区政を実現するために
1.核戦争阻止、核兵器廃絶を実現し、平和憲法と民主主義を守る
2.都区制度を真の地方自治の復権・拡充とし、区財政の確立をすすめる
3.区民に開かれた、区民参加の区政をすすめるために
4.あらゆる差別を認めず、ジェンダー平等社会を実現させる
5.清潔、公正、区民本位の行政改革をすすめる
6.「公契約条例」を制定し、官製ワーキングプアを根絶する
7.指定管理者制度の改善をはかる
8.区民の声を反映させ、未来を見通した本庁舎整備を進める
9.東京2020大会を総括し、レガシーをいかすこと

二、区民の生命、財産を守る防災・防犯対策の強化のために
1.住民自治の発揮を重視した、実用的な「中央区地域防災計画」にする
2.津波・都市型水害対策を強化する
3.防災拠点や帰宅困難者対策などを強化する
4.防災訓練を向上させる
5.情報伝達を向上させる
6.マンションの防災対策を拡充する
7.耐震改修をすすめ、災害に強いまちづくりをすすめる
8.公共施設の防災対策を強化する
9.医療体制を強化する
10.防犯対策を強化する

三、日本経済の主役である中小企業・商店の振興と地域経済の活性化のために
1.区民本位の築地市場の「跡地」利用や、地域産業・中小企業の振興をはかる
2.商店街と地域経済の活性化をはかる
3.観光・文化振興を充実させる
4.雇用を拡大し安定した雇用制度に改善する
5.消費者保護の充実強化をはかる

四、区民のくらしと福祉、健康を守るために
1.年金制度の充実をはかる
2.区民のくらしと福祉の充実をはかる
3.高齢者施設の整備をすすめる
4.介護保険制度の改善をはかる
5.保育の充実をはかる
6.保育事故を防ぎ、再発防止に努める
7.子どもの健やかな成長を保障する児童館運営をはかる
8.子どもの貧困打開など子育て支援を充実させる
9.子どもの事故、児童虐待を防止する
10.障害児・者の生活と権利を守る総合的な福祉制度を確立する
11.生活保護制度の改善と、生活困窮世帯への支援を強化する

五、保健医療・衛生活動の充実で区民の命と健康を守るために
1.新型コロナなど感染症から区民を守り、医療機関などへの支援を強化する
2.国民健康保険の負担を軽減し改善をはかる
3.年齢で差別する後期高齢者医療制度の改善をはかる
4.健康診査・がん検診などの充実をはかる
5.病気の予防・早期発見で重症化を防ぐ
6.保健教育・メンタルヘルス対策を強化する
7.受動喫煙を防止し、無煙化を進める
8.放射能から子どもと区民の命と健康を守る
9.動物との共生社会を実現する

六、環境を守るまちづくりをすすめるために
1.地球温暖化・ヒートアイランド現象に歯止めをかける
2.公園、緑地、川辺の整備・拡大をすすめる
3.公害・大気汚染対策を強化する
4.資源リサイクルをさらに推進する

七、交通政策を歩行者中心に転換し、福祉のまちづくりをすすめるために
1.自動車中心の交通政策の転換をはかる
2.「江戸バス」の利便性をたかめる
3.自転車を重要な都市交通手段として位置づける
4.バリアフリー・福祉のまちづくりをすすめる

八、100年先を見据えた「まちづくり」をすすめるために
1.市街地再開発事業等の大規模開発計画を抜本的に見直す
2.住民参加による地域資源である街の歴史や文化を生かした「まちづくり」をすすめる
3.住み続けられる住宅対策をすすめる

九、子どもたちの豊かな成長を保障する教育と、区民のための文化・スポーツの発展のために
1.侵略戦争肯定の教育や「日の丸・君が代」強制をやめさせる
2.教育委員会の民主的運営を推進する
3.ゆたかな人間形成とたしかな基礎学力を保障する
4.教員の働き方を改善し、教員が安心して誇りをもって働ける教育をすすめる
5.保護者の教育費負担の軽減をすすめる
6.教育環境を守り、安全でゆとりのある学校教育をすすめる
7.学校図書館を充実させる
8.安全な学校給食を実施する
9.障害児教育を充実させる
10.いじめの解消や不登校の問題を解決する
11.スポーツ・文化振興を強化する
12.文化の発展に寄与する図書館を運営する

 

重点要望

(1)元旦に発生した能登半島地震について、東京都と連携し、被災地の実態、要望の把握に努め、人員の派遣をはじめ、必要な支援を迅速に行うこと。
(2)地震が続いているもとで原発の重大事故を絶対に起こさないこと、北陸電力志賀原発と東京電力柏崎刈羽原発のトラブルに関する詳細な情報を公開するよう国に求めること。
(3)イスラエルによるパレスチナ・ガザ攻撃中止と即時停戦実現のため、イスラエルとハマス双方が交渉のテーブルにつくよう日本政府として行動をとるよう働きかけること。
(4)東京都「築地のまちづくり方針」に基づいた事業者募集が今年3月までに決定するが、築地市場跡地の大規模ホテル、MICE施設やスタジアムなどの計画を中止し、緑地や公園を中心とするよう求めること。
(5)築地市場跡地の開発は、築地地域だけでなく、区内全域に多大な影響を与えることから、築地まちづくり協議会だけでなく、幅広い区民への情報提供と意見聴取を行うこと。
(6)築地市場跡地の開発では、工事中の仮囲いにデジタルサイネージを設置し周辺のまちの情報発信を行うなど、まちの活気に寄与する取組みをすすめること。
(7)最も有効な物価高対策として、また公平な税制実現のためにも、緊急に消費税を5%に引き下げるよう国に求めること。
(8)2021年10月からの登録申請が始まり、2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)を中止するよう国に求めること。
(9)コロナ禍で貸し付けたゼロゼロ融資は「別枠の債務」として返済を猶予し、事業継続に必要な新規融資も受けられるよう国に働きかけること。
(10)中小業者、個人事業主などへの家賃支援や物価高騰対策の給付金支給など、営業を支える対策を強化すること。
(11)2023年度から始まった3~5歳児の保育園の給食費無償化を継続するとともに、0~2歳児の保育料の無償化と給食費の無償化を実施すること。
(12)保育委託費「弾力運用」で、私立保育園が本来人件費に充てるべき運営費を、本部経費や株式配当に流用することは止め、保育委託費は、保育士の待遇改善などに使って、質の高い保育が提供されるよう指導すること。
(13)区の巡回指導の対象外となっており、保育室の面積に基準もなく、体動センサーも配備されない居宅訪問型保育(ベビーシッター)は、安全管理に問題があるため中止すること。安易な利用拡大を行なわないこと。
(14)東京都の補聴器補助の拡大を活用し、補聴器購入費用助成(3万5000円)の増額や制度の周知をさらに広げ、利用者を増やすこと。再購入の助成も実施すること。
(15)今年秋の健康保険証の廃止とマイナ保険証の強制を中止するよう国に求めること。
(16)来年度の国保料は、法定外繰り入れを行わない場合の仮係数に基づく 1 人当たり金額の試算が今年度に比べ5.9%増の19万1496円という大幅な値上げになっているが、一般財源を投入することを含めて、国保料の負担軽減のためのあらゆる手立てを講じ、国民健康保険料を引き下げること。
(17)区施設の整備については、計画段階初期から情報公開や説明会実施を徹底し、区民の理解のもとですすめること。
(18)自然エネルギー機器、省エネルギー機器導入の助成額は、中央エコアクトの取組みを実施している事業者、一般の事業者ともに、2024年度以降も今年度の助成水準を維持すること。
(19)新京橋連結路整備では、道路線形を見直し、立ち退く住民が生まれないようすること。
(20)市街地再開発を行う際には、その中で低家賃住宅を整備することを付置義務とすること。
(21)延焼予防など防災の観点から街路樹などの緑を増やすこと。
(22)「義務教育は無償」を定めた憲法26条にそくして、小中学校の給食費の無償化を継続すること。
(23)都立特別支援学校に通う児童生徒とともに、私立・国立、また不登校の子どもも含め、小中学生がいる世帯に対し、給食費相当額を支給すること。
(24)不登校の児童、生徒とその保護者に「登校だけを目標にしない」という文科省の基本指針をふまえた丁寧な対応や、情報提供を行なうこと。民間の支援機関の情報や親の会などの情報も提供して、当事者や保護者を孤立させない支援を行なうこと。
(25)4月年度初めからの教員欠員という事態をうまないのはもちろん、年度途中で代替教員が見つからず教員未配置となることをなくすよう都に求めること。区としても独自に非常勤講師の採用をすすめるなど教育課程に支障がないようにすること。
(26)勤務期間が単年度の非常勤職員である会計年度任用職員は、任期更新の上限を撤廃すること。正規職員として採用するなどの雇用保障や経験加算導入など処遇改善をすすめること。
(27)教育委員会事務局副参事として採用予定の任期付職員(課長職)は、正規職員としての採用に改めること。また、歴史や文化、観光資源等への造詣を深め観光や生涯学習などに生かせるスキルを持つ職員を育成することに力を注ぐこと。
(28)自衛隊員や陸上自衛隊高等工科学校の募集について、住民基本台帳情報4項目(指名・成年月日・性別・住所)を宛名シールなどの紙や電子媒体での提供は行わないこと。
(29)指定管理者が最低賃金以下で職員を募集するなど法令違反がないようにすること。
(30)江戸バスの運転手確保のための処遇改善や育成に力を注ぐこと。

2024年度予算編成に関する要望

一、平和と自治権拡充をつらぬき、清潔でむだのない、区民本位の区政を実現するために

1.核戦争阻止、核兵器廃絶を実現し、平和憲法と民主主義を守る
(1)ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求め、ロシアによる核兵器使用の威嚇を許さず、核戦争阻止、核兵器全面禁止の実現に力を尽くすこと。
(2)イスラエルによるパレスチナ・ガザ攻撃中止と即時停戦実現のため、イスラエルとハマス双方が交渉のテーブルにつくよう日本政府として行動をとるよう働きかけること。
(3)核兵器禁止条約の署名国は93カ国、批准国は69カ国(2023年9月19日現在)にのぼっている核兵器禁止条約を被爆国日本こそ批准し、核兵器廃絶の先頭に立つよう国に求めること。
(4)「安保3文書」の閣議決定によって、「敵基地攻撃能力」の保有や軍事費の2倍化を進めることは、「力対力」「軍事対軍事」による大軍拡の競争を招き、戦争を呼び込むとともに、増税や社会保障費の削減で国民生活に大打撃を与えるものであり、地方財政にも大きな影響を与えることから、断念するよう国に求めること。
(5)土地利用規制法(2021年6月強行成立)は、米軍や自衛隊の基地周辺などに暮らす住民を調査・監視し、必要があれば土地・建物の利用を制限するものであり、廃止するよう国に求めること。
(6)北朝鮮による弾道ミサイルなどの発射に抗議し、北朝鮮の軍事的挑発のエスカレートを抑えるため、国際社会が協調した外交的対応を行うよう求めること。
(7)安全保障関連法や改正組織的犯罪処罰法(共謀罪法)、「日本版NSC(国家安全保障会議)」や「特定秘密保護法」の廃止を国に求めること。
(8)構造的欠陥が明らかな垂直離着陸機オスプレイの飛来や訓練の中止、沖縄をはじめとする国内配備の撤回とともに、横田基地配備の中止を国や米国に求めること。
(9)米軍横田基地の核攻撃基地化に反対すること。東京港や晴海埠頭の軍港化を許さないこと。
(10)日本国内の米軍基地撤去、沖縄辺野古への米軍新基地建設中止をアメリカに要求することを国と都に求めること。
(11)「日米地位協定」を抜本的に改定し、世界に例のない米軍の特権をなくすよう求めること。
(12)中央区として「非核平和都市」を宣言し、ヒバクシャ国際署名への賛同、推進で、平和へのアピールを発信すること。
(13)原爆写真展や平和シンポジウム、区内の東京大空襲、学童疎開などの戦争資料や「原爆マグロ」に関する資料の収集に努めること。
(14)中央区平和展で、日本軍によるアジア諸国への加害の実態を知らせること。

2.都区制度を真の地方自治の復権・拡充とし、区財政の確立をすすめる
(1)東京富裕論による、法人住民税の一部国税化をやめるよう国に求めること。
(2)固定資産税等調整三税の都区間での配分については、都に主導権をゆだねるのではなく、区側の調整率の引き上げを強く主張する確固とした姿勢を貫くこと。
(3)広域自治体化と規制緩和で財界・大企業が活動しやすい条件づくりをめざす「道州制」の導入に反対すること。
(4)規制緩和と先端技術によって住民情報をデジタル集積し、自治体のあり方を変えてしまう「スーパーシティ構想」は撤回するよう求めること

3.区民に開かれた、区民参加の区政をすすめる
(1)議会運営委員会の議事録を区議会ホームページに掲載すること。
(2)区長、議長の公用車の運転日誌をHP上で公開すること。
(3)政務活動費の収支報告書に、帳簿、領収書等の写しもあわせてHPで公開すること。
(4)議会のインターネット中継が実施されるよう予算措置を講じること。
(5)ジェンダー平等をすすめるために各種審議会について、女性委員の登用を拡大すること。
(6)いっそうの住民参加と民主的運営をすすめるために、すべての審議会を公開し、審議経過および結果の公表をおこなうこと。
(7)審議会委員の公募の拡大と議会各会派の代表の参加を保障すること。
(8)審議会で、専門家や関係住民の意見の公述、公聴会の開催を可能とすること。
(9)住民アンケートの実施など住民の意見が直接審議会に反映できるよう保障すること。
(10)審議会での傍聴人の人数制限を廃止すること。
(11)審議会の土日・平日夜間の開催なども、適宜実施すること。
(12)区民からの苦情処理・行政監視・行政改善を求める意見の表明を通じた、区民の権利・利益の保護をはかるために「中央区オンブズパーソン制度」などを導入すること。当面、福祉、医療分野への導入をはかること。
(13)パブリックコメントの実施にあたっては、十分余裕のある公募期間の設定と徹底した情報提供をおこなうこと。
(14)区政モニター制度を、区政に対する貴重な意見聴取の機会として生かすため、モニターとなる区民の拡大など改善を図った上で復活させること。
(15)情報開示手数料を無料にすること。

4.あらゆる差別を認めず、ジェンダー平等社会を実現させる
(1)ジェンダーの視点を、あらゆる政策や施策の基本にすえる「ジェンダー主流化」を推進すること。
(2)東京都や区部でも制定が相次いでいるパートナーシップ条例や多様性を尊重する条例にならい、性的少数者を含むあらゆる人への性別を理由にした差別をなくすための条例や施策を中央区として推進すること。
(3)リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を重視し、子どもたちが年齢・発達に即した科学的な「包括的性教育」を受けられるようにすること。学校や公共施設、駅などのトイレへの生理用品の配備をすすめること。
(4)「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」(内閣府)も参考に、女性トイレの利用時間を鑑み、避難所や公共施設で女性トイレを増やすこと。
(5)ジェンダー平等社会をつくるために、一律10万円給付の受取人を「世帯主」としたような、日本国憲法の理念にも反する「世帯主」規定を廃止するなど、コロナ危機への対応のあらゆる面で、ジェンダーの視点を貫くこと。
(6)「男女平等・多様性社会推進会議」(仮称)などを設置し、男女平等とともに性の多様性を尊重しあう社会の実現に向けて、LGBTなど性的マイノリティーの人権について理解を深める取り組みを行うこと。
(7)2023年3月に改定された「男女共同参画行動計画2023」をふまえ、意識啓発と男女平等教育を強め、実効ある施策の推進を図ること。男女別賃金の公表制度によると82.4%となっている中央区の全職員の男女の給与差異をなくすことや、その他のジェンダーギャップも「見える化」し、事実に基づいた格差解消の施策を推進すること。
(8)日本の女性労働者の、53.9%(2023年11月総務省「労働力調査」)が非正規雇用で、正社員でも、女性の賃金は男性の78.1%(厚生労働省、2023年賃金構造基本統計調査)で、非正規を含む平均給与では、男性563万円、女性314万円(国税庁、民間給与実態統計調査2022年分)という雇用環境を改善するため、女性差別撤廃条約、男女雇用機会均等法の内容を区内企業へ徹底すること。
(9)DV、デートDV、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメントなどの相談機能を充実させ、被害者対策の強化をはかること。その際、プライバシーが完全に守られる場所を使用すること。
(10)男女平等センター「ブーケ21」が、ジェンダー平等社会のための拠点施設として機能するよう、利用者の声を生かした取り組みを強化すること。
(11)ブーケ21に設置しているピアノは適宜調律をおこなうこと。
(12)子育てと仕事を両立し、人間らしく働けるルール確立など「ワークライフバランス」推進のため、各企業に強力に指導徹底するよう国に求めること。
(13)「ワークライフバランス認定企業」の普及啓発をさらに促進すること。
(14)「ヘイトスピーチ解消法」の趣旨を捉え、区としても差別扇動行為の根絶と共生社会実現のため力を尽くすこと。
(15)ヘイトスピーチ及びヘイトデモが行われることが予測される場合には「正当な理由があると認められた場合、公園など公共施設の利用を拒むことができる」とした法務省の「参考情報」を生かし、情報収集に努め、公共施設の使用を認めないこと。
(16)部落排外主義と暴力的「糾弾権」の温存、利権あさりの永久化をねらう部落解放同盟が主催する集会等に、財政的な援助や職員・教員の派遣などいかなる形態でも行なわないこと。

5.清潔、公正、区民本位の行政改革をすすめる
(1)統一協会と中央区との関係について、統一協会の関係団体等も含め、開催されたイベントや講演会への区の係わりや、ボランティア団体を語った活動への区の支援などがないか徹底した調査を行い、調査結果を区民に公表すること。
(2)行政改革は、住民本位の立場にたった行政の簡素化、住民サービスの向上をめざすことを目的にすること。
(3)「中央区行政経営方針(2023年3月策定)」により、「受益者負担の適正化」の名のもとに区民負担を増やしたり、民間活力の活用として業務の民間委託化をすすめることは止めること。
(4)民間や区民との「協働」の名のもとに、自治体の公的役割を後退させないこと。
(5)財政調整基金は執行残による積立を増やすのではなく、年度内に必要な施策に活用すること。
(6)地方と財源を奪い合うことになるふるさと納税制度の廃止を国に求めること。
(7)税や保険料等の通知書の記載や徴収に誤りがないよう細心の注意を払うこと。
(8)住民情報を扱うシステムやプログラムの不備があった際には、一度契約した事業者だからと安易に契約し続けるのではなく、事業者の選定見直しを検討するなど厳しく対応すること。
(9)住民の行政機関などが保有する個人情報を企業のもうけのために利活用するデジタル関連法の撤回とデジタル庁は廃止するよう国に求めること。
(10)行政のデジタル化がすすめられるもと、どんな自己情報が集められているかを知り、不当に使われないよう関与する権利、自己情報コントロール権、情報の自己決定権を保障することを国に求めること。
(11)国民監視と個人情報の漏洩の恐れのあるマイナンバー制度の中止を求め、「行政のデジタル化」を口実にした行政窓口の縮小や紙による手続きは廃止せずに、住民の相談機能としても対面窓口のサービス体制を充実すること。
(12)情報漏えいやプライバシー権侵害の危険があり、国・自治体による個人情報の一元管理、民間企業による個人情報の利活用を促すことに加え、中小企業に対しても重い罰則で管理実務と責任を押しつけることから「マイナンバー制度」の中止を国に求めること。
(13)マイナンバーカードの取得は任意であることを徹底し、窓口等でマイナンバーの記載を拒否した場合にも不利益が生じないようにすること。
(14)恩恵を受けられる人が限られているマイナポイントを付与するなどし、マイナンバーカード取得を誘導することや、利活用を強引にすすめることはやめること。
(15)個人情報保護を徹底するため、戸籍など個人情報を扱う業務は区が直接行うこと。
(16)自衛隊員や陸上自衛隊高等工科学校の募集について、住民基本台帳情報4項目(指名・成年月日・性別・住所)を宛名シールなどの紙や電子媒体での提供は行わないこと。
(17)従業員のマイナンバーを記載した住民税特別徴収税額の決定通知書を各事業所へ送付しないこと。
(18)2005年11月に二人にした副区長は、一人に戻し、条例上も「一人副区長制」に変更すること。
(19)人口増とニーズの多様化に対応出るよう職員を増やし、人数削減や非正規化を行わないこと。
(20)勤務期間が単年度の非常勤職員である会計年度任用職員は、任期更新の上限を撤廃すること。正規職員として採用するなどの雇用保障や経験加算導入など処遇改善をすすめること。
(21)区職員の障害者雇用については法定雇用率を大幅に上回るようにすること。
(22)区職員の長期休職者の8割がメンタル疾患であるという現状を踏まえ、未然防止、早期発見、再発防止のため、相談体制の強化や職場環境の向上などの改善に取り組むこと。
(23)本庁舎まで出向かなくても、特別出張所で生活保護の申請などの相談や手続きが完結的に受けられるようにすること。

(24)区施設の整備については、計画段階初期から情報公開や説明会実施を徹底し、区民の理解のもとですすめること。
(25)各種イベントへの大企業の協賛・参加によって、行政が歪められないようにすること。
(26)区が発行するチラシやパンフレットの作成について、職員のデザイン力向上などのスキルアップをはかること。
(27)区発行の刊行物に企業の広告掲載はやめること。
(28)相生の里や人形町保育園、桜川公園のPFI事業については、PFI方式ありきではなく、経費面などの事業性や区民へのサービス面から検討・見直しをはかること。
(29)長期的に見れば経費増となるPFI手法を、区の施設計画に安易に導入しないこと。
(30)PFI事業の運営状況を住民や議会が適切にチェックできるようすること。
(31)東京電力、NTT、東京ガスなどの電柱等の道路占用料は、適正価格に近づけるため毎年改訂すること。

6.「公契約条例」を制定し、官製ワーキングプアを根絶する
(1)区が発注する公共事業や指定管理者も含め、業務委託に関わる労働者の賃金水準を確保するため「中央区公契約条例」を早期に制定すること。
(2)公契約条例の制定にあたっては、公契約に関わる労働者の実態を調査し、賃金水準など関係者や社会保険労務士などの専門家の意見を幅広く取り入れること。
(3)「公契約法」を制定するよう国に求めること。
(4)プロポーザルにおける参加業者選定の手続きや選定結果、参加業者が提出した提案書などの詳細を公表すること。
(5)総合評価入札制度は、公正な労働基準や下請け業者との適正な取引なども含めて判断できるように改善すること。
(6)担当者の裁量の余地の多い随意契約や指名競争入札は、より公開性の高い「制限つき一般競争入札」への移行をいっそうすすめること。
(7)工事積算と予定価格の見積りは、科学的で正確なデータにもとづいて厳正におこなうこと。
(8)予定価格と受注側の見積り内訳書について、公正な立場から審査する「積算審査制度」を導入すること。
(9)入札監視委員会の審議対象になっている委託料契約の随意契約・プロポーザル方式については、いっそうの監視を強めること。
(10)工事の契約などで応募したのち、最終的に辞退した事業者に対し聞き取りを行なうなどし、1社のみの入札となることを防ぐための方策を講じること。
(11)契約案件では、総合評価の要件として男女の賃金格差の是正についての評価を盛り込むこと。
(12)官製ワーキングプアをなくすため、非正規職員を順次、正規職員に切り替えること。
(13)「下請け二法(下請代金法・下請振興法)」を大企業に守らせるよう、指導を強めること。
(14)建設関係下請け企業の経営を守るため、区発注の公共事業における受注ゼネコンの前渡し金が同比率で下請け企業に渡されているかについて発注者として点検・指導すること。
(15)設計労務単価が、下請け企業や一人親方などとの契約にきちんと反映するよう指導するとともに、社会保険労務士などの専門家による抜き打ち調査を拡充すること。
(16)業務のアウトソーシングを安易に行わないこと。
(17)退職自衛官に限定して任期付職員(防災計画等担当副参)として任用する制度は見直すこと。

7.指定管理者制度の改善をはかる
(1)いま以上の指定管理者制度の導入をやめるとともに、導入した施設は順次直営に戻すこと。
(2)指定管理者の選定や評価の詳細な情報や、指定管理者が作成した「仕様書」を議会に提出すること。
(3)指定管理者公募で応募したにもかかわらず、辞退した事業者への聞き取りなどを行ない、辞退者を減らす努力を講じること。
(4)指定管理者が実施する「利用者アンケート」に寄せられた利用者の意見・要望を公表させ、管理運営にいかすよう指導すること。
(5)指定管理者を対象とした「労働環境調査」を拡充・継続し、社会保険労務士による抜き打ち調査などを行い、常に労働条件・環境の改善をはかること。
(6)指定管理者が最低賃金以下で職員を募集するなど法令違反がないようにすること。
(7)区民館の管理や予約方法は利用者本位となるよう絶えず改善に努めること。

8、区民の声を反映させ、未来を見通した本庁舎整備を進める
(1)一旦白紙となった本庁舎整備を再検討する際は、各出張所の機能向上と地域に応じた本庁業務の分散や、本庁舎と出張所のネットワークの充実等とあわせ、総合的に検討すること。
(2)ICT等加速度的な技術開発が進む将来の社会を見通し、本庁舎への一極業務集中を避けるために、各出張所における業務の拡大や分散等を検討すること。
(3)議会棟の在り方、議事堂の位置づけ等、将来的な議会活動のあり方を整備計画に反映できるように議会とともに検討すること。
(4)現本庁舎を、耐震性や補強工事等の再検討で、最新の技術のもとで長寿命化して活用することも検討すること。
(5)本庁舎を新設する場合、床面積や容積率は最小限のものとし、巨大な本庁舎を建設しないこと。
(6)築地川アメニティ構想と連動させて、ブロッサム・本庁舎の用地を一体化した巨大な再開発事業とならないようにすること。
(7)本庁舎整備は、社会情勢や地権者、デベロッパーの意向に左右される「市街地再開発」の手法で行わないこと。
(8)本庁舎整備に当たっては、区民への情報公開を徹底すること。
(9)パブリックコメントは複数回実施し、区民の要望を幅広く聞き取り、計画に反映させること。
(10)区民の声や要望を聞き取り、計画に反映させるため、パブリックコメントだけでなく区民へのアンケート調査を行うこと。
(11)本庁舎整備についての職員アンケートを、非正規職員・業務委託職員等も対象にして行い、結果を公表すること。

9.東京2020大会を総括し、レガシーをいかすこと
(1)東京五輪の汚職事件の徹底追及と国民の税金も投じられた1兆4000億円にのぼる総経費の検証を国、東京都に求めること。
(2)スポーツへの関心を高め、新しい競技に触れ合う機会を増やすため、個人でも気軽に指導を受けられるインストラクターを五輪施設へ配置するなど、ソフト面の充実をはかるよう都に求めること。
(3)晴海選手村整備は、市街地再開発制度を脱法的に乱用し、13ヘクタールの都有地が1㎡10万円以下という激安価格で特定建築者(大手不動産会社を中心にした11社)に払い下げられ都民の財産が失われることとなるため、土地価格を適正価格に変更して推定1,209億円に上る都の被害を回避するよう、都に求めること。
(4)ハルミフラッグのマンション事業者には都有地を相場の10分の1で払い下げたのに、学校などの公共施設建設のための都有地を中央区は2分の1の価格で購入した不公平を正し、減額を求めること。
(5)1戸あたり100万円の開発協力金は、選手の宿泊棟として使われる板状住宅部分からも徴収するよう再度交渉すること。
(6)ハルミフラッグ整備による人口増に対応するため、まちづくりや公共施設整備、江戸バス運行費用、交通機関整備、コミュニティ形成などに要する財政負担を東京都に求めること。

二、区民の生命、財産を守る防災・防犯対策の強化のために

1.住民自治の発揮を重視した、実践的な「中央区地域防災計画」にする
(1)感染症のリスクが高い、超過密で地震に脆弱な都市づくりを加速させる「東京一極集中」政策を転換し、災害に強い、防災・環境を最優先にしたまちづくりに抜本的な転換をはかること。
(2)「予防原則」に立脚した防災計画にするため、住民や専門家の参加も得て、定期的に河川、地下街、住宅密集地、ガソリンスタンドなどの火災発生危険箇所、避難施設、道路、消防・救助施設などを総点検し、結果を公表するとともに、補強、改造、応急対策を進めること。
(3)「中央区国土強靭化地域計画」は、国際競争力の強化など大規模開発を推進する根拠としないこと。
(4)「中央区地域防災計画」は、東京都の新たな被害想定で示された「定量化が困難な事象、時間の経過とともに変化する被害と課題」を踏まえて見直すこと。首都直下地震だけでなく、東海・東南海・南海の3連動地震におけるM9以上も想定し、津波や液状化、原発事故も含めたものになるよう抜本的な検討見直しをおこない必要な対策をとること。
(5)「中央区地域防災計画」は、実用的・実践的な計画とすること。扱いやすい計画とするため、対策項目は簡明にし、個別対策についての手順や実施基準は、別途マニュアル等で提示すること。
(6)防災拠点や小学校区単位、あるいはさらに小規模地域の単位で、住民の参加と協力で「わがまち」を総点検し、地域の特性に合わせた被害想定と防災計画づくりにとりくむこと。
(7)住民との共同作業で総合的まちづくりマップ・防災マップの作成をおこなうこと。
(8)区内での関東大震災等の災害状況の資料収集・分析をおこない、今後の防災対策に生かすこと。
(9)消防団が訓練場所を確保できるよう支援すること。
(10)消防団員の報酬や費用弁償の大幅引き上げ、処遇改善を都に求めると同時に、区としても独自に支援を強化すること。
(11)二次被害防止のため、応急危険度判定士を拡充すること。

2.津波・都市型水害対策を強化する
(1)3連動地震等の大地震による津波の破壊力を前提とした防潮堤や港湾施設の緊急点検と対策などを最優先で行うこと。
(2)都市型水害対策強化のため、地下鉄、ビルの地下室、地下街などの点検と対応をはかり、自衛水防組織の設置支援をすること。
(3)本庁舎の地下にある非常発電設備は、浸水被害を受けないよう万全を期すこと。
(4)水害・津波などについて危険な地域の情報を区民に十分提供すること。
(5)浸水ハザードマップの浸水区域内にある高齢者や障害者施設等は災害時タイムラインを作成し早めに避難できるように計画を立てること。
(6)津波・高潮対策のための水門は、災害時にスムーズに開閉できるよう、中央区災害対策本部と東京都建設局江東治水事務所との連携を強化しておくこと。
(7)津波・高潮発生時などの災害時に住民が速やかに避難できるよう、タワーマンションやオフィスビルなどを「一時避難ビル」または「津波避難ビル」に指定するなどの体制を整備しておくこと。
(8)災害時に備え、地域住民・町会とタワーマンション・オフィスビルの協力体制が速やかに構築できるよう、区が指導・援助すること。
(9)国が想定した荒川の大規模な氾濫時の被害想定を踏まえ、対策を強化すること。
(10)川沿い、海沿いに設定されている広域避難場所は、大津波や高潮被害を想定して再検討するよう都に求めること。
(11)区内各所に海抜数値を記載した看板等をさらに設置し、居住者・在勤者に情報を提供すること。
(12)地中に水が浸透する透水性舗装を歩道・車道に広く普及させること。
(13)在宅避難者に対して、食料や物資を届けるとともに、保健指導員を派遣するなど、避難所だけでなく車中泊の被災者を含めた命と健康を守る手だてを尽くすこと。
(14)女性、子ども、高齢者、障害者の現状を把握し、ジェンダー平等の視点にもたって、安心できる生活環境の整備を図ること。

3.防災拠点や帰宅困難者対策などを強化する
(1)マンションなどでの在宅避難者や、障害者・寝たきりの高齢者がいるため避難所に行けない区民への情報が行き届くようにし、災害援助法に基づいた物資や食料などの支援を「プッシュ型」で行なうこと。
(2)広域避難場所、避難路、一時集合場所等については、電柱や区の掲示板などを活用して、系統的に周知を図ること。
(3)約63万人という昼間人口を考慮し、避難場所等の再検討や対策を立てるとともに、国や都に必要な施策を講じるよう要請すること。
(4)都立晴海高校など都の指定施設となっている場所も、防災マップにわかりやすく表示すること。
(5)防災拠点・避難場所の活動計画には、女性・高齢者・障害者・介助者の参加を得て意見を反映させ、さらに実践的なものに改善すること。
(6)トイレの洋式化や手すりの設置など防災拠点・避難場所のバリアフリー化を早期にすすめること。
(7)防災拠点・避難場所における自家発電の整備や発電能力の強化をはかること。
(8)避難生活に伴う生活不活発病(廃用症候群)の予防対策や精神面でのケアなど、避難所でのケア体制を充実強化すること。
(9)エコノミークラス症候群予防のため、避難所での簡易ベッドの備蓄をさらに増やすこと。
(10)国交省の通知などに沿って、避難所環境の改善及び感染症対策に有効であるベッドの備蓄、食事スペースの確保、トイレの改善などを推進すること。
(11)新型コロナなど感染症対策として、密を避け分散避難ができるよう、できる限り多くの区施設を避難所として開設する計画を作ること。
(12)住民の理解と同意を得て「災害時地域たすけあい名簿」の登録者を増やすとともに、避難や救助の際に活かせるようにすること。
(13)保育所など女性と幼児が多数を占める施設への発災時の支援体制を充実させること。
(14)防災拠点の地下にある備蓄倉庫を上階に移設すること。
(15)避難所の感染症対策としてマスクや消毒液などを十分備蓄すること。テントや間仕切りを各避難所に必要量備蓄すること。そのための備蓄倉庫の増設も進めること。
(16)災害時に助産師や保健師が速やかに対応できるよう、区として、避難所への派遣体制を拡充すること。
(17)災害弱者の避難時に有効で、幼児から大人まで対応できる「おんぶひも」を希望するすべての災害時要援護者に貸与すること。
(18)区内事業所が、区の「防災計画」に見合った防災対策、帰宅困難者対策、事業継続計画(BCP)を策定するよう指導すること。とくに大企業への指導を強めるとともに、多数を占める中小企業に対しては、指導・啓発とともに必要な援助をおこなうこと。
(19)「防災計画」が実効力を持つものにするために、事業所、労働団体および行政の恒常的協議機関を設けること。
(20)帰宅困難者対策は、都との協力体制を強化し、訪日外国人も考慮した受け入れ施設の拡充や施設に関する情報発信、施設への誘導などきめ細やかな対策をたてること。
(21)携帯電話やスマートフォンなどの電子通信装置の非常用充電器やWi-Fiを防災拠点だけでなく、副拠点やその他の区施設にも配備すること。
(22)オストメイトへの装備品(ストマ用パッチ等)を、福祉避難所だけでなく各防災拠点にも備蓄をすること。
(23)「被災者生活再建支援法」を、すべての被災者を対象にした生活再建・自立を支援することを目的とした制度とするよう国に求めること。
(24)延焼予防など防災の観点から街路樹などの緑を増やすこと。

4.防災訓練を向上させる
(1)住民の自主的な防災組織の育成をいっそう重視し、地域からの住民参加の防災まちづくりをすすめ、より実践的な防災訓練を行うこと。
(2)マンション・団地内のコミュニティの促進、マンション住民と既存の住民防災組織との協力・共同をすすめるための支援を行うこと。
(3)あらかじめ準備されたプログラムに沿って、訓練会場で行なわれる「展示訓練」方式を見直し、実践的な防災訓練に改善すること。
(4)緊急時の様々な状況を想定した思考訓練によって、緊急時の判断能力、向上を図る「ロールプレイ型図上訓練」「ブラインド型訓練」に定期的に取り組むこと。
(5)中央区総合防災訓練は中央区全域を対象とし、いっせい実施すること。
(6) 防災訓練への障害者の参加を積極的に促し、日常的に地域と障害者の連携が図られるよう支援すること。
(7)「福祉避難所」の開設訓練を地域の障害者や住民などとともに行うこと。
(8)発災時の初動体制確立のため、消防署や消防団などの専門機関と自治体、住民との連携を重視し、防災訓練もこの見地で行なうこと。
(9)災害時における事業所と町会との連携強化のため、日常的な協議や共同の防災訓練などが行われるよう区が支援すること。
(10)発災時の職員の参集体制については、日頃から定期的に実践的な訓練を行い、体制の強化を図ること。
(11)防災訓練に参加している自衛隊は防災の専門組織ではないことを忘れず、「区のお知らせ」などの刊行物での広報や防災訓練の場において、目立つような取り扱い方はしないこと。
(12)防災訓練において、自衛隊が「主役」のようなあり方を改めるよう、都に強く要請すること。
(13)防災訓練への米軍の参加に反対すること。
(14)災害時における事業所と町会との連携強化のため、日常的な協議や共同の防災訓練などが行われるよう区が支援すること。

5.情報伝達を向上させる
(1)「緊急告知ラジオ」をさらに普及させるため、周知と頒布を継続すること。
(2)「中央エフエム」の「中央区からのお知らせ」や企画番組を充実させるなど視聴者の利用促進をはかり、日常的に区民に親しんでもらえる番組づくりをすすめること。
(3)「中央エフエム」が、情報伝達能力を最大限発揮して、災害時をはじめ区民に必要な情報提供を機敏にできるよう、区は日頃から協議し、財政的支援を含む援助を行うこと。
(4)防災行政無線屋外スピーカーは、聞き取りやすくなるよう改善に努めること。
(5)防災情報伝達等のためのデジタルサイネージ(電子看板)の普及をはかること。
(6)区内すべての保育施設に防災無線の配備を行うこと。
(7)防災拠点だけでなく、副拠点でも情報収集できるようポータブルテレビを配備すること。
(8)避難情報の受信として、建物内でも届きやすい特性を持つポケベルの受信機貸与をすすめること。
(9)国際化が進み、インバウンドが拡大している現状にあわせ、多言語での情報伝達についての研究と施策の充実をはかるここと。
(10)2019年の台風時、区のHPにアクセスが集中しフリーズしたことを教訓に、対応策に万全を期すこと。

6.マンションの防災対策を拡充する
(1)頻発している豪雨災害などに備え、区内マンションの水害対策の総点検をすすめること。特に、地下に電気系統の設備を設置しているマンションの実態調査を早急に実施すること。
(2)浸水被害に備え、止水板を準備する支援をすすめること。
(3)マンションの耐震改修をすすめるため、費用助成制度のPRと管理組合への支援を強化すること。
(4)高層ビル・マンションなどにおける長周期地震動、長周期パルス地震動の被害を最小におさえるとりくみをすすめること。
(5)マンションの非常用電源整備をすすめること。
(6)エレベーターの閉じ込めを防止するP波感知型地震時管制運転装置の設置等の補助制度を新設すること。
(7)エレベーター停止に伴う救助・復旧対策の強化を図ること。
(8)閉じ込め事故を想定し、エレベーター内に防災キャビネット配備の指導を行い、導入する際は財政支援を行うこと。
(9)防災対策を通じて、マンションと町会との連携を深められるようなインセンティブ施策を展開すること。
(10)「中央区防災対策優良マンション認定制度」の周知をはかり、すべてのマンションが防災力向上のための財政支援を受けられるようにすること。
(11)自宅避難の長期化に伴う食料支援をプッシュ型で行うこと。
(12)防災行政無線屋外スピーカーが聞き取りにくい問題をフォローするため、マンションの「緊急告知」放送システムの普及を積極的にすすめること。
(13)マンションごとの「震災時活動マニュアル」作成の重要性と緊急性を周知し、作成を援助すること。

7.耐震改修をすすめ、災害に強いまちづくりをすすめる
(1)広域ライフライン施設が被災した場合、地域・地区ごとの自立性が確保できるよう、施設の多重化を図り、様々な代替施設の整備を図ること。
(2)断水への対策として、隅田川及び区内水路から消防水利、生活水を確保するための浄化装置の配備等の対策を強化すること。
(3)耐震補強工事を促進させるため、区内の工務店や建築業者、建築士などと連携するとともに、区民負担の軽減を図ること。
(4)中央区耐震促進協議会による耐震性総点検の結果が、耐震改修、補強工事等につながるよう努力すること。
(5)木造住宅の簡易耐震診断の体制を充実させ、丁寧な指導と援助によって耐震診断から補強工事へと着実に移行されるようにすること。
(6)特定緊急輸送道路沿いではない区内の木造住宅にも耐震化助成が適用されるよう、助成対象の拡大を都に要請すること。
(7)耐震補強促進の立場からも、「月島ルール」による路地を生かしたまちづくりについて、小街区ごとに住民参加で協議の場をつくり、具体的なプランづくりを支援すること。
(8)百貨店、病院などの特定建築物の耐震補修を早急にすすめるため、耐震改修促進法を有効に機能させるよう、都と協力して対策を強化すること。
(9)特定建築物の実態調査をおこない、防災面に着目したデータを把握すること。
(10)耐震改修促進法の対象でありながら、対策を怠っている企業を公表できるようにするなど、法律の改正を国に求めること。
(11)ブロック塀調査に基づき、危険なブロック塀の改修をすすめるため、撤去・改修のための補助をおこなうこと。

8.公共施設の防災対策を強化する
(1)災害時に重要なマンパワーとなる正規職員を増やし、災害時の対応改善をはかること。
(2)区内公共施設の自家発電能力の総点検をおこない抜本的に強化すること。
(3)指定管理者制度のもとで運営されている区内施設の防災マニュアルをたえず点検し、区の業務継続計画(BCP)と連動して施設職員が俊敏な行動をとれるようにすること。
(4)区内施設における実践的な避難訓練の定期的な実行を義務付けること。
(5)公園等の改修時には、かまどベンチやマンホールトイレの設置など、災害時を想定した整備をすること。

9.医療体制を強化する
(1)医薬品の備蓄や基幹病院への無線の配置、緊急搬送システム、広域的な救急医療体制を都と協力して強化すること。
(2)災害時の医療諸活動の充実のため、医師会との協力関係をさらに強化すること。
(3)病院など医療機関の耐震性強化と耐震性水槽の完備・充実と自家発電能力の強化に協力し、区内中小病院・クリニックを重要な救急医療機関として位置づけ、その保全対策をはかること。
(4)在宅サービスを受けている人たちの状況を把握しているケアマネージャーの所属する事業所と協力し、緊急対応能力の向上を計ること。
(5)ホームヘルパー、看護師、ケアマネージャー、保健師、医師等への防災教育を系統的に行い、災害時の連携の確立に努めること。
(6)災害時に、在宅支援サービスを受けている高齢者を受け入れる社会福祉施設の充実をはかること。
(7)特別養護老人ホーム・リハポート明石などの災害時受け入れ能力を再点検し、拡充に努めること。
(8)AEDを事業所・商店、町会・自治会、マンション管理組合などが購入・リースで設置する場合、区が補助すること。

10.防犯対策を強化する
(1)「安全で安心なまちづくりを推進する条例」の運用にあたっては、プライバシーの侵害、相互監視、行政への警察の介入などの事態を絶対にもたらさないように、たえず最大限の配慮をおこなうこと。
(2)犯罪の発生を予防するために、空き交番の解消やパトロール体制の充実に応じた人員の配置など防犯活動の強化を都と警視庁に求めること。
(3)勝どき5~6丁目・豊海町地区に交番を設置すること。

三、日本経済の主役である中小企業・商店の振興と地域経済の活性化のために

1.区民本位の築地市場の「跡地」利用や、地域産業・中小企業の振興をはかる
(1)東京都「築地のまちづくり方針」に基づいた事業者募集が今年3月までに決定するが、築地市場跡地の大規模ホテル、MICE施設やスタジアムなどの計画を中止し、緑地や公園を中心とするよう求めること。
(2)築地市場跡地の開発は、築地地域だけでなく、区内全域に多大な影響を与えることから、築地まちづくり協議会だけでなく、幅広い区民への情報提供と意見聴取を行うこと。
(3)築地市場跡地の開発では、工事中の仮囲いにデジタルサイネージを設置し周辺のまちの情報発信を行うなど、まちの活気に寄与する取組みをすすめること。
(4)区が移転を容認した責任を自覚して、移転の上にコロナや物価高騰に苦しむ区内飲食店や関連業者への相談窓口の開設と生活支援をおこなうこと。
(5)築地魚河岸の運営や財政状況、利用客の増減傾向などをこまめに把握し、議会に適宜報告すること。
(6)中小企業、個人事業主、フリーランスに持続化給付金・家賃支援給付金を再支給するとともに、コロナ危機が終焉(しゅうえん)するまで継続するよう国に求めること。雇用調整助成金のコロナ特例も継続するよう求めること。
(7)国や東京都の支援対象外となる事業者でも利用できる支援金や給付金、区独自の家賃補助制度を実施すること。
(8)コロナ禍で貸し付けたゼロゼロ融資は「別枠の債務」として返済を猶予し、事業継続に必要な新規融資も受けられるよう国に働きかけること。
(9)近年の物価高騰により仕入れ値や燃料費の高騰の影響を受けている事業者が活用できる融資制度を創設すること。
(10)危機に対応できる強い経済をつくるために、“外需だのみ”“インバウンド(訪日外国人観光客)だのみ”でなく、内需と家計、中小企業を経済政策の軸にすえること。人間の命にかかわる必要不可欠なものは可能なかぎり自分の国でつくり、国民を危機から守る本当の意味での強い経済へ転換すること。
(11)最も有効な物価高対策として、また公平な税制実現のためにも、緊急に消費税を5%に引き下げるよう国に求めること。
(12)江東区が実施したような大規模な産業実態調査(2021年)を行い、事業者と消費者の要望を具体的につかみ、施策に生かすこと。
(13)2014年6月に成立した「小規模企業振興基本法」にもとづき、中小企業支援を具体化すること。「小規模企業振興基本条例」(仮称)を制定し、中小業者団体の委員を入れた審議会を設置して、施策の具体化をはかること。
(14)「中小企業振興条例」「ハイテクセンター条例」に基づき、ハイテクセンターの機能を充実させること。
(15)店舗の賃料、リース料などに対する補助金制度を創設すること。
(16)商工業融資あっせん制度は、金融機関の貸し渋りをやめさせ、申し込みから貸し付けまでの期間も短縮するよう指導すること。
(17)区のあっ旋融資制度について、信用保証協会の保証の対象外とされた事業者に対する融資は、区が金融機関と損失契約を結ぶなど、融資の道を開くこと。
(18)信用保証制度の「責任共有制度」の拡大をやめ、全額保証に戻すなど信用補完制度を充実させるよう国に求めること。
(19)債権者との合意で債務整理を図るガイドラインについて、コロナに適用する場合の特則として金融超過示した認識「コロナ禍で制度融資を利用した中小・個人事業者の事業再生のため、東京信用保証協会の融資を債権放棄できる」旨を事業者に周知すること。区の融資制度でもこうした倒産手続き以外の対応を適宜すすめること。
(20)小規模企業への社会保険負担軽減のための制度改善を国に要望すること。
(21)金融庁が金融機関の中小企業融資実態の把握に努めることを国に求めること。
(22)日本政策金融公庫など政府系金融機関による中小企業への資金供給を拡大するよう国に求めること。
(23)地域と中小企業への資金供給、仕事づくり支援などについての金融機関の取り組みを評価する「地域金融活性化法」を制定するよう国に求めること。
(24)中小業者の自殺の要因の1つとなっている、中小企業融資における個人保証制度を廃止するよう国に求めること。
(25)違法な「下請け切り」をやめさせること。
(26)減り続ける中小企業対策費を1兆円に増額するよう国に求めること。
(27)中小企業の法人税率の引き下げをはかるよう国に求めること。
(28)中小企業・自営業者にたいし、消費税の免税点を引き上げ、納税実務の負担を大幅に軽減するよう国に求めること。
(29)事業主、家族従業者の働き分を必要経費として認めると共に、女性差別撤廃条約の「差別法規」に当たる所得税法56条の廃止を国に求めること。
(30)地場産業である印刷製本出版関連業への「総合支援策」を具体化するためプロジェクトチームを作ること。
(31)伝統工芸の保存、継承と後継者づくりの支援をすすめること。
(32)創業者支援の施策を強化すること。
(33)既存中小ビルの再生活用と結びつけ、SOHO改修補助事業を再開すること。
(34)印刷・ファッション業界に共通するデザインの分野で、若手デザイナーのSOHOの活用を支援し、人材や仕事の集積を図ること。
(35)地域経済の振興と消費者の生活に役立っている「共通買物・食事券」(ハッピー買物・食事券)は、購入限度額を10万円に戻し、発行額の増額や頒布回数を増やすなど、利便性を高めること。
(36)事業承継セミナーの開催や事業承継設備投資助成の実施、事業承継専門家派遣など、中小商店の後継者支援策の充実をはかること。
(37)製造業、建設業、印刷関連など分野別・業種別の「振興プラン」を策定し、それぞれの振興対策を行うこと。
(38)各分野・業種の中小企業、自営業者、家族従業者の悉皆調査を実施し、営業・生活・健康などの実態を把握して、施策の充実に活かすこと。
(39)滞納している事業者の実態把握につとめるとともに、「納税緩和制度」に基づき、換価・納税の猶予で分納を認め、事業継続や生活の維持を保障すること。

2.商店街と地域経済の活性化をはかる
(1)商店街活性化対策として、商店街の自主的取り組みの促進と支援を強化し、共同事業やICT化への支援をおこなうこと。
(2)商店街の空き店舗や空きテナントは、高齢者の休憩所や「赤ちゃんフラット」として利用するなど有効に活用すること。
(3)魅力ある地域づくりにつながる商店リニューアルへの助成制度を創設すること。
(4)事業継承の相談支援窓口を充実させること。
(5)商店街の歩道に自転車や看板類などが放置されたままにならないよう環境整備に努めること。
(6)パチンコ店での店頭看板は、性的な描写など青少年への刺激が強いものもあるため、掲示を控えるよう事業者に指導すること。
(7)希望する商店街での「歩行者天国」実施を支援すること。
(8)横山町馬喰町街づくり株式会社に対する「YYパーク(区立駐車場)」の無償貸付については、利益の分配禁止や役員の無報酬、事業・決算報告の提出、区の調査権義務付けなど、区との契約内容が確実に履行されるよう、点検、調査、確認を怠らないこと。
(9)店内飲食は10%、テイクアウトは8%など、仕入れから販売まで膨大な実務負担が強いられる複数税率を中止し、緊急に5%に引き下げること。
(10)2021年10月から登録申請が始まり、2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)を中止するよう国に求めること。
(11)500兆円を超えた大企業の内部留保に5年間2%ずつ課税し、中小企業の賃上げを支援することや非正規社員の正社員化、下請け企業への取引の適正化に使って、消費を活発にし、内需を増やす経済政策をとるよう国に求めること。
(12)「新製品・新技術に関する助成金」制度を導入し、資金援助を強化すること。
(13)固定資産税、相続税の負担軽減と評価方法における収益還元方式の導入をおこなうよう国に求めること。
(14)区内中小企業・業者向け官公需発注を増やし、物品関係や印刷物などの中小企業への発注率を金額で80%に引き上げること。
(15)中小企業同士のジョイントベンチャー(共同事業体)を維持し、物品の分割・分離発注をすすめるなど、中小零細企業向け発注を拡大すること。
(16)再生可能エネルギー関連産業やオーダーメイドの福祉機器製造など様々な分野でのビジネスチャンス、社会的ニーズに応えた製品の研究・開発や販路開拓への異業種協力などへの支援を強めること。

3.観光・文化振興を充実させる
(1)文化・芸術を大切にする国・自治体をつくるために、「文化・芸術はぜいたく品でなく、人間が生きていくうえで必要不可欠」という立場にたって、大切に守り、育てる施策をすすめること。
(2)観光振興を抜本的に強化するため、「観光振興課」を創設し、積極的に観光行政を推進すること。
(3)東京都と連携して、コロナで打撃をうけている文化芸術にたいし、新たなイベントへの支援にとどまらず、「場」や「担い手」に対する支援を強化すること。施設や事務所などの固定費への支援を行うこと。
(4)銀座・日本橋・築地などの伝統的商業地区や隅田川、日本橋川、朝潮運河などの水辺を観光資源として生かし、郷土資料館や歴史ボランティアの協力もえて、史跡なども活用した観光振興に力を注ぐこと。
(5)江戸文化の歴史の道として、「四十七士の道」のルート整備を行ない観光資源として活用すること。
(6)月島などの下町の町並みを観光資源として活用できるよう景観の調和を図りながら耐震化や保存などができる財政支援を行うこと。
(7)江戸バス停留所に「まちかど案内版」を設置し、来街者が気楽に散策できるようにすること。
(8)観光案内標識や名所旧跡の案内板は、標識やデザインの表示を統一し、適宜、更新を行い、汚れや破損などについては修復すること。
(9)「中央区近代建築100選」に選出された建築物・町並みを、積極的に観光振興に生かし、維持・保存に努めること。
(10)観光情報センターの情報量やPR方法などの充実をはかり、地域経済の活性化につながるようにすること。
(11)公衆浴場を貴重な文化・観光資源及び福祉的役割を果たす施設として位置づけ、後継者の育成や財政支援など維持・拡充に努めること。
(12)公衆浴場閉鎖を防ぐため、銀座湯や勝どき湯のように確保浴場として存続・維持するしくみをつくること。
(13)公衆浴場利用者を増やすため、周辺自治体とも協力し、広域的な取組みを進めること。
(14)「まるごとミュージアム」を観光施策の重要な情報発信イベントと位置づけ、マンネリにならないように、地域とともに内容の充実をはかること。

4.雇用を拡大し安定した雇用制度に改善する
(1)人間らしく働ける労働のルールをつくるために、1990年代からの新自由主義による労働法制の規制緩和路線を抜本的に見直し、労働者の権利が守られ、大企業に責任を果たさせる労働のルールをつくるよう国に求めること。
(2)中小企業への支援策を抜本的に拡充し、全国一律最低賃金制で時給1500円以上を実現するよう国に求めること。
(3)新卒者の就職活動を改善するために、学業と両立でき、学生の負担を軽減する就職活動ルールの策定や就職活動する学生への支援を国に求めること。
(4)新卒未就職者への職業訓練の提供などの対策強化を国に求めること。
(5)労働時間規制を取り払う、高度プロフェッショナル制度(「残業代ゼロ」制度)の廃止を国に求めること。
(6)残業代ゼロで働かせ放題の裁量労働制の対象業務の拡大をやめるよう国に求めること。
(7)同一労働でも賃金格差を容認する限定社員制度の廃止を国に求めること。
(8)非正規雇用労働者の処遇改善を国に求めること。
(9)労働者派遣法の見直しを国に求めること。
(10)長時間労働を是正するために、時間外労働の限度基準告示(週15時間、月45時間、年360時間など)を法定化することを国に求めること。
(11)「サービス残業」根絶法を制定し、無法なただ働きを一掃するよう国に求めること。
(12)区の入札指名参加資格に若者の雇用促進、特に正規雇用の促進を条件に加え、青年の雇用環境を改善すること。
(13)入札時の評価基準に男女の賃金実態を加えるなどジェンダー平等の視点を盛り込み、企業の社会的責任を果たさせるよう促すこと。
(14)区として中央区内の青年の就労実態を把握すること。
(15)区主催の若年者合同就職面接会や就職ミニ面接会など企業の協力を得て若者の雇用支援策を拡充するなど、中央区在住の若者の正規雇用につながるよう努力すること。
(16)商工会議所・工団連などと協力し、新卒者など求職者に中小企業の魅力を知らせる取り組みを強化し、中小企業への就労促進を図ること。
(17)日本橋問屋街の専門学校との共同事業などの経験を生かして、若者の雇用促進につながる事業に力をいれ、雇用拡大につながる施策を増やすこと。
(18)区独自に「緊急雇用対策基金」の創設など、予算措置をとり雇用創出事業をおこなうこと。
(19)失業した区民を対象にした「生活つなぎ資金」制度を創設すること。
(20)住民のくらしと地域経済の基盤を守るため、違法・脱法雇用、ブラック企業の根絶を図り、安定した雇用を拡大するよう企業・事業所に働きかけること。
(21)労働者の権利をわかりやすく説明するとともに、「日本国憲法」を併載した区独自の「ポケット労働法」を発行し、成人式での配布など、積極的に活用すること。普及のため、わかりやすいポスターやパンフレットなどを作成すること。
(22)「シルバーワーク中央」の雇用契約を含む高齢者雇用促進事業をさらに充実させ、高齢者の就業機会をさらに増やすこと。
(23)中央区勤労者サービス公社「レッツ中央」は、会員の声を生かし、事業内容をさらに充実させ、魅力あるものとすること。
(24)「レッツ中央」加入促進のため、各種刊行物の配布方法や活用方法に工夫を凝らすなどPRを強化すること。

5.消費者保護の充実強化をはかる
(1)消費生活センターが消費者保護の中心的部署として機能できるよう、消費生活専門相談員を増員するとともに、長期的な安定した雇用条件に改善するなど体制の強化を図ること。
(2)消費者問題の相談窓口が消費生活センターであることを区民に広く周知する広報活動をさらに強化すること。
(3)区民から寄せられた食品安全問題や製品事故、悪質商法などの被害、多重債務問題などは消費生活センターで一元化すること。そのために区の各部署や法律相談が把握した場合、相談者の同意のもと、すみやかに消費生活センターに連絡し、相談につなげる連携体制を確立すること。
(4)東京都消費生活条例の改正(2015年7月施行)をふまえ、「消費者被害の防止及び救済に関する条例(仮称)」を制定すること。
(5)「振り込め詐欺」「母さん助けて詐欺」「還付金詐欺」等の特殊詐欺の被害から区民を守るため、創意工夫し、被害情報を随時流し、常に注意を喚起すること。
(6)特殊詐欺撃退のため、自動通話録音機の無料貸し出し制度を広く区民に周知し、拡充をすすめること。

四、区民のくらしと福祉、健康を守るために

1.年金制度の充実をはかる
(1)無年金者をなくすため消費税によらない「最低保障年金制度」を早急につくり、当面、最低月額5万円保障し、その上に支払った保険料に応じた額を上乗せするよう国に求めること。
(2)無年金者数とその生活状況の把握に努め、必要な高齢者には生活保護制度を適用して生活の安定をはかること。
(3)国民年金の満額を現行の月額6万6,250円から8万3,000円に引き上げ、生活できる年金に近づけること。
(4)物価も賃金も上がったときに年金額を抑制する「マクロ経済スライド」は、すみやかに撤回するよう国に求めること。

2.区民のくらしと福祉の充実をはかる
(1)年末年始に行われる各種支援の情報を、全体像が分かるようにして、ホームページ、SNSへの掲載などを通じて積極的に広報すること。支援を必要とする人たちに、情報がいきわたるよう発信すること。
(2)消費税減税や社会保障などの財源は、応能負担の原則をつらぬいて確保するよう、富裕層や大企業への優遇を見直して応分の負担を求め、所得の再配分という経済の持続可能な成長にとって不可欠な仕組みを構築するよう国に求めること。
(3)「全産業平均より月10万円安い」とされる、介護・障害福祉・保育等で働く労働者の賃上げ・処遇改善を行うこと。その際、国費による賃金への直接補助とともに、介護報酬、障害福祉の報酬、保育単価などを抜本的に引き上げ、それらを利用者の負担増に跳ね返らせないための財政措置を講じるよう国に求めること。
(4)生活困窮者向けの貸付金の返済免除制度の拡充、住居確保給付金の支給期間を限定せず、延長などの措置を講じること。
(5)応急小口資金融資、生活福祉資金ともに、必要な人が速やかに利用できるよう要件を緩和し、周知を広げること。
(6)出産祝金の上乗せ支給など、区独自の支援策を継続、充実させること。
(7)ひとり親世帯への給付金の再支給や、児童扶養手当、児童育成手当の増額、食料支援の拡充など、国、都と連携してすすめること。
(8)老人福祉法の基本理念「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする(第2条)」に基づいて、福祉施策の充実をはかること。
(9)高齢者の社会参加の促進に大切な役割を発揮しているシルバーパス(所得が125万円以下の方は1,000円、125万円を超えると、2万510円)は、低所得者を無料にするよう都に求めること。シルバーパスは、中間段階に3,000円のパスをつくること。
(10)「生活のために働く高齢者」の要望に応えるために労働条件等の改善や希望する期間十分に働けるよう「シルバー人材センター」を指導すること。
(11)高齢者所在不明問題を教訓に、各部署が連携し、高齢者の生活実態をつかむ悉皆調査を行うこと。
(12)地域見守り事業の拡充をはかるため、ボランティアの活動支援を強化すること。
(13)認知症の早期の発見・診断から、初期の相談と家族への支援、終末期のケア・看取りまで、切れ目なく治療と支援を行う、医療・保健・福祉の連携体制の構築をすすめること。
(14)「区のお知らせ」など区の刊行物配布をシルバー人材センターなどに委託し、見守り活動の規模を全地域に広げること。
(15)高齢者の安否確認のため、高齢者給食サービスや新聞配達・宅配業者・日本郵政などと協定し、緊急時の通報ネットワークや見守りシステムを拡充すること。
(16)「見守りキーホルダー」の周知をはかり普及に努めること。
(17)緊急通報システムの普及をはかること。
(18)在宅で介護をしている家族の精神的・経済的負担の軽減を図るために「おとしより介護応援手当(現行月額2万円)」をさらに増額すること。給付漏れをなくすため、周知徹底すること。
(19)「敬老買物券」贈呈の年齢対象を70歳からに戻し、贈呈額を2012年度の水準に戻すこと。
(20)「通い慣れた銭湯に入りたい」という希望をもつ高齢者に対して、安全面に配慮しながらの付き添いや入浴手伝いなどを実施できるようにすること。       
(21)「社会から孤立した結果、死後長期間放置される」孤立死をなくしていくために、一人でも安心して暮らせるコミュニティづくりなど総合的な施策を実施すること。
(22)2020年6月に勝どきで起きた高齢の親子の孤立死を教訓に、ひとり暮らし高齢者への支援に加え、同居している家族がいる場合にも支援できるしくみを構築すること。
(23)配食サービスは複数の事業者と提携し、高齢者が各自の嗜好に合わせた選択ができるよう充実させること。

3.高齢者施設の整備をすすめる
(1)「相生の里」「人形町」「晴海苑」のグループホームは、所得に応じた家賃補助制度を導入し、高額な家賃の軽減策を講じること。低所得者向けの枠を確保すること。
(2)特養老人ホームの待機者(280人:2023年3月末)を一刻も早く解決するために、施設の増設で待機者ゼロをめざすことを区政の重点施策に位置づけること。
(3)小規模特養ホーム(定員30名)や地域密着型特養ホーム(定員29名)のさらなる増設をはかること。
(4)要介護1・2でも、特養ホームの申し込みができる区独自の基準をつくること。
(5)認知症グループホームなどの整備目標を引き上げ、グループホームの「サテライト型」の早期実現を国に要請し、整備をすすめること。
(6)小学校区ごとにグループホーム、デイサービスセンター、リハビリセンター、小規模多機能型居宅介護施設を設置し、身近な在宅サービス拠点と介護サービス基盤の整備に全力をあげること。
(7)リハポート明石や特養ホームなどで夜間体制などのスタッフの充実が図られるよう、区としても支援すること。
(8)重症患者向けの急性期病床と長期療養のための療養病床を、強制的に減らす計画をやめるよう、国に働きかけること。
(9)ケアハウスや高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)、サービス付高齢者向住宅(サ高住)の整備を計画的に進めること。低所得者も入居できる家賃水準とすること。
(10)区立住宅や、区施設の建て替えの際は、高齢者住宅・低所得者向け住宅を併設すること。

4.介護保険制度の改善をはかる
(1)国が2026年度予算編成までに結論を出すとしている「介護予防・日常生活支援総合事業」の対象を「要支援1・2」から「要介護1、2」まで広げ、要介護者の訪問介護やデイサービスを「総合事業」に移すことや、ケアプラン作成の有料化は行わないよう、国に求めること。
(2)国が2027年度までに結論を出すとしている、現在原則1割負担の利用料を2割負担とする対象範囲の拡大することは中止するよう国に求めること。
(3)「改正」介護保険法(2017/5/16成立・地域包括システムの強化のための介護保険等の一部を改正する法律)による「現役並み所得」者の利用料負担を3割に引き上げることや40~64歳の保険料総報酬割導入による負担増は中止するよう国に求めること。
(4)利用料が2割負担になった世帯(2015年8月から実施。単身世帯で合計所得金額280万円以上、2人以上世帯で合計所得金額346万円以上)、利用料が3割になった世帯(2018年8月から実施。単身世帯同340万円以上、2人以上世帯同463万円以上)へ区独自の軽減制度を作り、1割に戻すこと。2割、3割負担の対象をふやす改定は行わないこと。
(5)介護従事者の処遇改善(2022年2月から新たに開始)は全産業平均給与と比べて不十分であり、ケアマネージャーや訪問看護師、福祉用具相談員などが対象から外されているなど問題が多いことから、介護従事者全体の処遇改善を行うよう国に求めること。
(6)福祉施設での人員配置基準の見直しで労働環境を改善し、人員不足や一人夜勤を解消するよう国に求めるとともに、区でも支援を強化すること。
(7)テクノロジー機器の導入と引き替えに、職員の配置基準を引き下げることはやめること。
(8)介護報酬の削減路線をあらため、介護職員の賃金の引き上げ、職員配置基準の改善、長時間・過密労働の是正につながる報酬体系へ転換することを国に求めること。
(9)高齢者、障害者両方に対応できる「共生型サービス」の創設については、サービスの質が担保され、高齢者、障害者の願いに適う事業となるようにすること。
(10)「『我が事・丸ごと』地域共生社会」構想の名で、地域住民の助け合いを行政サービスの代替として組み込むことで、地域福祉や社会保障に対する公的責任を後退させないこと。
(11)「介護度改善」によるインセンティブや軽度者、生活援護の切り捨てによる給付抑制はおこなわないこと。
(12)介護保険制度の調整交付金5%を確実に自治体に交付するよう国に求めること。
(13)サービス利用の申請の際、「チェックリスト」で安易に「新総合事業」に誘導するのでなく、誰もが要介護認定を受けられるようにすること。
(14)軽度に認定されがちな「要介護」の認定制度を見直し、身体的な面だけでなく、高齢者の生活状況や介護の実態を総合的に判断すること。
(15)家族の状況、「介護者不在」や「住宅問題」などの問題を抱えている要介護1・2の認定者についても、特養の申込みができるようにすること。
(16)老健施設と介護医療院の多床室(相部屋)の部屋代を新たに月8千円徴収する保健外しによる利用者負担増はやめること。
(17)要介護認定申請について、本来、介護サービスが必要とされるのに申請していない高齢者をなくすため、訪問活動などを積極的に行なうこと。
(18)訪問介護サービス及び介護予防訪問介護サービスを日中独居者も受けられるようにすること。
(19)区として「虹のサービス」の充実や利用料の助成などの生活支援をおこなうこと。
(20)介護施設を利用する際の居住費や食費の負担を軽減する「補足給付」を元に戻すよう国に求めること。
(21)区独自に、打ち切られた高齢者の「補足給付」を復活させ、負担の軽減を図ること。
(21)高齢者の「補足給付」を復活させ、負担の軽減を図ること。
(23)低所得者支援として区独自に実施していた介護保険利用料3%の減額制度を復活させ、利用者負担軽減をはかること。
(24)軽度の要介護者に対する福祉用具貸与やホームヘルパーなどのサービス提供が削られることのないようにすること。
(25)要介護度が下がったことで、特殊寝台などが介護保険利用対象から外され、利用料が全額負担になる制度を見直すよう国に求めること。
(26)要支援1、2の認定者への生活援助、通所介護サービスは、無資格者でもよいとされる「緩和型」の代替えサービスへの誘導をやめ、希望に応じて、改定前の水準で受けられるようにすること。
(27)新総合事業で行われる生活支援の主体は専門職と明確に位置づけ、「住民ボランティア」による生活支援は、ボランティアの特性を生かした補完的役割を果たす存在として育成すること。
(28)区と「おとしより相談センター」(地域包括支援センター)が地域の高齢者の実態を把握し、行政が責任をもって地域住民と協力しあい、高齢者を地域でささえる、安心のネットワークをつくること。
(29)介護保険や民間事業所では対応できない人をケースワーカーが直接救済する体制を強化すること。
(30)「おとしより相談センター」の人員体制を強化し、見守りネットワークや高齢者虐待対策を充実させ、地域における高齢者の生活を総合的に支える役割を発揮できる拠点として発展させること。
(31)介護保険サービスを利用していない高齢者世帯に対しても定期的に訪問し、生活状況の把握ができるようアウトリーチ型のサービスを充実させること。
(32)「おとしより相談センター」の存在を知らない高齢者やその家族に、認知度を高める努力をすること。
(33)介護福祉士資格取得を支援すること。
(34)介護従事者を対象に、LGBTなど性的マイノリティーへの理解を深めるための研修を行うこと。

5.保育の充実をはかる
(1)2023年度から始まった3~5歳児の保育園の給食費無償化を継続するとともに、0~2歳児の保育料の無償化と給食費の無償化を実施すること。
(2)「子ども・子育て支援新制度」のもとでも、子どもの権利保障を基本に、格差のない保育・教育を実施すること。
(3)児童福祉法24条1項の区市町村の保育実施責任を最大限発揮するとともに、現行保育水準を後退させず、維持・拡充をはかること。
(4)子ども・子育て支援事業計画の実施にあたっては、量の見込みと確保策をたえず点検し、量とともに質の確保を重視すること。
(5)厚労省の「保育指針」改定により、「乳幼児の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」に子どもを当てはめ評価するような画一的な保育を行わないこと。
(6)「保育指針」に盛り込まれた「国旗・国歌に親しむ」ことを子どもに強制するような保育を現場に持ち込まないこと。
(7)都市部における認可保育園建設の課題である土地の確保のため、国有地の無償提供や、土地確保のための国庫助成制度の緊急創設を国に求めること。
(8)都有地・国有地の活用などについて関係機関と協議を進め、晴海の交通機動隊跡地の活用を早期にはかること。
(9)待機児童対策は、園庭のある、質の高い区立認可保育所を基本にすること。
(10)民間企業の参入で、保育環境や保育条件に格差を生まないようにすること。
(11)安全・安心の保育を実施するため「認可保育所整備の手引き」の運営実績を見直すなど改定をはかること。
(12)年度当初には子どもが少なくても、その後増えていくことも見越した保育士配置ができるよう年間を通じた保育士確保の支援を行なうこと。
(13)保育所の入所認定は、保護者の就労状況だけでなく、子どもにとっての保育の必要性を基本に行うこと。
(15)認定こども園は保育所型を基本とすること。
(16)76年ぶりに改善される4~5歳児の配置基準にあわせ保育士を増員すること。さらに保育所の保育室面積や保育士配置基準の最低基準を改善するよう国に求めるとともに、区立保育所の整備は質の高い水準をめざすこと
(17)保育士の処遇改善のために、全産業平均と比べて月約10万円の賃金格差の解消にむけ当面月額5万円を引き上げる措置を政府に求め、保育士不足を解消できるようにすること。
(18)民間保育所の運営費不正受給問題を教訓に、調査体制を強化し、不正がおきないよう努めること。
(19)保育委託費「弾力運用」で、私立保育園が本来人件費に充てるべき運営費を、本部経費や株式配当に流用することは止め、保育委託費は、保育士の待遇改善などに使って、質の高い保育が提供されるよう指導すること。
(20)国は都区部の保育士の給与を年間約440万円と想定して運営費を支給していることから、相当額が保育士給与に充てられるようすること。区独自の保育士加算を増額し、処遇改善を行うこと。
(21)現在、保育所や介護サービス事業所の職員の住まいとしても活用している区の借り上げ住宅は、事業者との契約だけでなく、個人としての契約できるしくみとし、利用拡大をはかること。
(22)指定管理者のもとで働く保育者の労働条件や人員配置、研修状況などをきちんと把握し、適切な指導を行い、保育の質を向上させるよう努めること。
(23)アレルギー食の対応など、調理師・栄養士の負担が増大している現状に対応するため、保育園に、調理師・栄養士を適切に配置すること。
(24)病児・病後保育の受け入れ枠の拡大、時間延長、土日預かりなど拡充をはかること。
(25)現在対象となっていない7ヶ月未満の児童の病児・病後保育について緊急に対策を講じること。
(26)認証保育所の入園料補助をおこなうこと。
(27)障害児保育を充実させるため、より多くの保育者が、幅広い障害に対しての研修に参加出来るよう財政支援を充実させること。
(28)保育施設は「企業主導型保育所」に頼らず、保育の質がきちんと確保された「認可保育所」ですすめること。
(29)ファミリーサポートセンター事業は周知方法を工夫するなど、提供会員を増やすよう努力すること。

6.保育事故を防ぎ、再発防止に努める
(1)晴海4丁目につくられる大規模な認定こども園は、保育士の目が行き届くよう小グループに分けるなどし、万全な安全対策をとること。
(2)中央区での保育中の死亡事故が相次ぐ事態を踏まえ、家庭的保育事業者(保育ママ)での乳児死亡事故を教訓に、安全管理面でリスクの高い一人での保育は中止すること。
(3)痛ましい乳児の死亡事故を繰り返さないため、2018年7月の保育ママにおける死亡事故を受けて設置された「中央区家庭的保育事業における重大事案の再発防止のための事後的検証委員会」がとりまとめた「中央区家庭的保育事業における重大事案の再発防止のための提言」(12項目)に基づいた保育を確実に実施すること。
(4)送迎車や公園での子どもの置き去り防止のため、保育士の配置基準見直しと併せ、複数の保育者による確認作業の徹底など、有効な対策がとられるよう区の指導強化をはかること。
(5)区の巡回指導の対象外となっており、保育室の面積に基準もなく、体動センサーも配備されない居宅訪問型保育(ベビーシッター)は、安全管理に問題があるため中止すること。安易な利用拡大を行なわないこと。
(6)事故が発生しやすい睡眠中や食事中などの場面を、ビデオ等の機器を活用して記録することを保育ママに義務づけること。
(7)保育ママは、研修修了だけでなく、保育士、保健師などの有資格者を条件とし、複数配置を義務化するなど、規制を強化すること。
(8)地域型保育事業や保育施設における保育中の死亡事故を根絶させるための研修会を増やすとともに、区との連携を密にし、保育の質の確保・向上を図ること。
(9)子どもを中心とした保育を実践するための基本的な指針となる「保育の質のガイドライン」を、保護者、保育施設関係者、学識者などとの議論をふまえて策定すること。
(10)「保育の質のガイドライン」は、子どもの権利、職員に求められる資質、保育環境、保育内容、安全管理、保護者支援、地域の子育て支援、運営体制など具体的な項目を示すこと。
(11)認可外のすべての保育施設について、巡回指導をさらに強化し、抜き打ちの訪問調査も行なって、適切な保育がなされるよう体制を強化すること。
(13)無過失保険「日本スポーツ振興センター災害共済」にすべての保育施設が加入するようはたらきかけること。また、すべての認可外保育施設、ファミリーサポート制度、一時預かり事業も対象とするよう国に求めること。
(14)車道・歩道の形状やブロック塀、その他の建築物などもあわせ、通園路の安全確認を警察などとも連携し、定期的に行なうこと。

7.子どもの健やかな成長を保障する児童館運営をはかる
(1)学童保育の待機児を「プレディプラス」で解消せずに、児童館を増設して学童クラブを実施すること。民間物件の活用も検討すること。
(2)児童館は、外遊びのできる広場を最大限に確保すること。
(3)住民要望の強い豊海地域に児童館の増設をすすめること。
(4)児童館でおこなわれている乳幼児クラブをいっそう充実させること。
(5)学童保育の延長保育の有料化は中止し、無料に戻すこと。
(6)児童館・学童保育は、直営に戻すこと。

8.子どもの貧困打開など子育て支援を充実させる
(1)国連・子どもの権利条約に基づき、すべての子どもが差別されることなく、命と健康、文化、教育による全面的発達と意見表明、社会参加等を権利として保障する社会をめざし、仕事と子育ての両立、経済的負担の軽減、「子どもの貧困」の解決など、総合的な子育て支援策に全力をあげること。
(2)政府が「こどもまんなか社会」を掲げて設置した「こども家庭庁」について、家庭を過度に強調し、父母に子育ての自己責任を迫ることはやめ、公助として抜本的に子育て支援策を拡充するよう求めること。
(3)児童手当の18歳までの支給、児童扶養手当など子育て世帯に向けた継続的・恒常的な支援を拡充すること。
(4)ひとり親家庭等への児童育成手当の増額をはかること。
(5)子どもの医療費無料化を国の制度として実施するよう求めること。
(6)子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、出産支援祝品(タクシー利用券)は3万円に戻し、新生児誕生祝品(区内共通買物券)は増額すること。
(7)都立小児病院を拡充し、産科、小児医療体制を抜本的に強化するよう都に求めること。
(8)区内で出産できる施設を計画的に整備すること。産後ケア施設の拡充をはかること。
(9)赤ちゃん天国は、利用者の声やニーズを聞き、たえず改善をはかること。
(10)無料か低額で利用できるみんなの食堂や、食事だけでなく遊びや学習などもできる"居場所"づくりを行うボランティアやNPOなどに対し、区施設の提供など積極的に協力し、財政支援をすすめること。
(11)みんなの食堂に対して、食材費などの補助の拡大、食材提供に協力する企業とのマッチングや地域住民への広報などの支援を拡充し、子どもの貧困対策、孤食の解決、地域コミュニティの醸成をはかること。
(12)ヤングケアラーの実態把握と支援策を強化すること。

9.子どもの事故、児童虐待を防止する
(1)子どもの事故防止のための「サーベイランスシステム」の有効な運用をすすめるため、区の「事故情報一元化」体制を早急に確立すること。
(2)子どもの虐待を防止するため「子ども家庭支援センター」が中心となって、地域・医療・保育・学校などの各機関が協力し、「虐待」の早期発見に努めるとともに、保護者への適切な対応をはかること。
(3)「要保護児童対策地域協議会」を拡充し、迅速に対応できるようにすること。
(4)子どもへの虐待について、保護者の認識を高め、意識啓発を行うため、学習会などを行うこと。学校や保育園などで開かれる保護者会の機会なども捉え、積極的な虐待予防の取り組みをすすめること。
(5)言葉の暴力により脳が変形する現象である「マルトリートメント」防止を、虐待予防施策に位置づけること。
(6)子どもの虐待の早期発見・早期対応の促進のため、児童相談所の体制を強化し、一時保護所の定員をふやすよう都に求めること。
(7)児童相談事業が区に移管された時は、子どもの事故や虐待防止、貧困問題の解決のために、相談事業や一時保護の拡充に力を尽くすこと。
(8)児童相談所移管に備え、児童心理司や児童福祉司、保健師などの有資格者の早めの確保に努め、区職員の資格取得のための支援も最大限おこなうこと。
(9)児童相談所には、低年齢児だけでなく、10代の少年少女の相談に対応できる経験をもつ職員の配置をすすめること。

10.障害児・者の生活と権利を守る総合的な福祉制度を確立する
(1)障害者が安心してくらせるよう、国連の「障害者権利条約」が活かされる中央区をめざすこと。
(2)障害者権利条約に基づいて国連障害者権利委員会が出した日本への勧告が、障害者政策について「障害者への父権主義(パターナリズム)的アプローチ」だと指摘していることを受け止め、障害者を権利の主体とする視点を持つこと。
(3)精神科医療での強制医療や身体拘束の解消に踏み出すよう国に求めること。
(4)障害のある女性への望まない異性介助、性暴力被害などの性虐待を生まないよう、女性たちの尊厳を守る早急な対策を講じることを国に求めること。
(5)「障害者総合支援法」の「応益負担」制度をあらため、速やかに無料化するとともに、施設・在宅とも安心してサービスを受けられるようにすること。
(6)「障害者総合支援法」に基づく支給審査は、障害者の生活実態を反映した認定を行い、福祉施設・作業所での工賃を大幅に引き上げるなどの改善をすすめること。
(7)地域生活支援事業においては、生活の場、働く場の確保および充実をはかること。
(8)就労継続支援(B型)や「ふれあい作業所」などでの就労について、工賃の引き上げを行うこと。
(9)地域生活支援事業において社会復帰を支える地域ネットワークづくりをすすめること。
(10)デイケアやグループホームの取り組みをさらにすすめること。
(11)社会的偏見をなくすため、精神保健思想の普及・啓蒙をはかること。
(12)基幹支援相談センターなど相談窓口の時間延長、休日対応など、相談機能の充実をはかること。
(13)障害者グループホームには低所得者向けの枠を設け、一定数の部屋を確保すること。
(14)障害者グループホーム職員の待遇を改善し、人員配置を引き上げ、夜間支援体制も強化して、手厚い支援が必要な人が地域で安心して暮らせるようにすること。
(15)知的障害者支援施設の入所者が、退所後に地域で生活していくためのグループホームなどの整備をさらにすすめること。
(16)障害児・者のコミュニケーションや日常生活を支えているホームヘルパーや、別居親族のヘルパー等が病院内での介護ができるよう、医療と福祉の垣根をはずし、実態に即した支援がおこなえるようにすること。
(17)保護者の子育てやレスパイトを保障するための、障害児のショートステイやホームヘルプに対応できる施設や事業所を増やすこと。
(18)2018年4月の改定で引き下げられた放課後等デイサービス事業者に対する報酬を、実態に見合ったものに引き上げるよう国に求めること。
(19)就労支援施設事業者への介護報酬を「月額平均工賃」方式から「時給平均工賃」方式に戻すよう国にもとめること。
(20)民間の放課後等デイサービスが、安定的に運営できるよう、家賃補助制度などの支援を行うこと。
(21)「中央区障害者就労支援センター」の周知を高め、就労に結びつける支援を強化すること。
(22)企業に対し法定雇用率の厳守を徹底し、雇用率を引き上げるよう求めること。
(23)障害者生活支援のために共通買物券を支給すること。
(24)福祉センターに、障害者団体がいつでも自由に使用でき、交流活動や相談活動などに利用できるスペースを確保すること。
(25)精神障害者地域活動支援センター「ポケット中央」は、利用者にとって使い勝手がよく安心できる場となるよう絶えず見直しをはかること。
(26)視覚障害者のためのガイドヘルパー派遣制度の派遣回数をふやすこと。
(27)福祉センターだけでなく区役所などの公的施設に音声誘導装置(メロディーガイド)を設置すること。
(28)音声電子手帳を日常生活用具として給付すること。
(29)聴覚障害者のため、公的施設に磁気ループを普及すること。
(30)東京都の補聴器補助の拡大を活用し、補聴器購入費用助成(3万5000円)の増額や制度の周知をさらに広げ、利用者を増やすこと。再購入の助成も実施すること。
(31)耳鼻咽喉科で聴力検査をして補聴器が必要と認められた場合には、医師が調整の上、補聴器を支給し、診察料を無料とすること。
(32)区役所内で補聴器の調整も実施すること。
(33)認定補聴器技能者や補聴器相談員、言語聴覚士など専門家の支援を得て、日常的な相談活動や訓練支援を行なうこと。
(34)区が行なっている高齢者の健康診査受診時に聴覚検査を実施し、早期の難聴発見に努めること。
(35)横断歩道を渡るときの安全性を高めるため、残り時間など音声によるガイド案内付きの信号機を拡充すること。
(36)障害者団体が情報発信として中央エフエムを活用できるように、区の支援を強めること。
(37)外見から分からなくても援助や配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるヘルプマーク、ヘルプカードの普及を促進すること。

11.生活保護制度の改善と、生活困窮世帯への支援を強化する
(1)東京都と連携し、年末年始の期間も生活に困窮する方の暮らしの相談や生活保護の申請等に対応する体制を確保すること。生活困窮者へのビジネスホテルの提供を積極的に行い、支援につなげること。
(2)住民税非課税世帯への臨時特別給付金は対象者が狭いため、コロナ危機で収入が減った家計への支援として、1人10万円を基本に「暮らし応援給付金」を支給するよう国に求めること。
(3)2018年10月から引き下げられた生活保護の「生活扶助」費は増額するよう国に求めること。
(4)「生活保護のしおり」の区HPへの掲載や、ポスター掲示などをすすめるなどし、生活保護制度の周知と申請のハードルを下げるよう努めること。
(5)老齢加算を復活し、母子加算は廃止しないよう国に強く求めること。
(6) 3歳未満児への支給額を1万5千円から、10,190円に引き下げた児童養育加算は元に戻すよう国に求めること。
(7)「生活保護以外の公的扶助が弱すぎる」という現行制度の弱点をただし、雇用保険の拡充、失業者に対する生活扶助制度の確立、職業訓練と再就職支援の強化、失業者を支援する制度の総合的な充実を推進すること。
(8)生活困窮者が増加する状況のもと、生活保護「適正化」の名による申請不受理などの受給制限をしないこと。
(9)生活保護受給者が増えている現状に対応するため、ケースワーカーを拡充すること。
(10)親族による扶養は義務ではないことを明確にし、意に沿わない扶養照会は行わないこと。受給者に対する不当な調査や過度の「就労指導」を行なわないこと。
(11)生活保護受給者の住宅探しは本人任せではなく、区が責任を持って住宅を探すこと。その際、脱法ハウスを見逃すことのないよう注意を徹底すること。
(12)「熱中症」対策のため、生活保護世帯に夏期加算を新設すること。
(13)国のエアコン設置費助成は、新規に生活保護を受給する世帯に限定されているため、以前からの受給世帯や高齢者世帯、生活困窮世帯などに対しても助成を行うこと。また、電気代の補助を行うこと。
(14)区独自に実施していた歳末見舞金(2017年廃止)および夏期見舞金(2018年廃止)を復活させ、さらに増額すること。
(15)生活保護受給者が医療を受けやすくするため、医療券に代わる医療証制度を実施すること。
(16)生活保護の捕捉率が2割にとどまるという現状を打開するため、区独自に貧困の実態を調査し、生活保護の利用につなげること。
(17)必要な人が生活保護を受けられるようにするため、各種相談窓口との連携や水道局などとの情報共有を強め、支援に結びつけること。
(18)応急小口資金貸付制度は、総貸付枠を増額するとともに、緊急時に対応できるよう貸付条件を緩和し、借りやすくすること。
(19)生活福祉資金の利用拡大をはかるため周知を広げ、柔軟に対応すること。審査のスピードアップをはかるため、職員を増員するなどし、必要な時に速やかに利用できるようにすること。
(20)ホームレス対策は、「住所不定」を理由に、生活保護の適用から排除することがないようにすること。
(21)路上生活者の自立支援センターの受入数を拡大し、公的事業を臨時的に起こすなど、職業経験にふさわしい就労の支援をすすめ、自立支援を強化すること。
(22)区役所の閉館時にも対応可能な路上生活者の緊急相談窓口を設けること。
(23)民生委員は、3地域の人口に応じて適正なものになるよう民生委員の意見・要望を聞くこと。
(24)都の「民生委員協力員制度」を活用し、さらに区独自の「協力員」も増やすなど負担軽減をはかること。

五、保健医療・衛生活動の充実で、区民の命と健康を守るために

1.新型コロナなど感染症から区民を守り、医療機関などへの支援を強化する
(1)今年秋の健康保険証の廃止とマイナ保険証の強制を中止するよう国に求めること。
(2)東京都に対し、新型コロナ5類感染症への移行(5月8日)後の医療機関への支援金事業の継続や、高齢者・妊婦支援型宿泊療養施設の公費負担を継続実施するよう求めること。
(3)国に対し、病床確保料の補助や、コロナの治療薬、入院費用の公費負担など縮小せず実施するよう求めること。
(4)保険診療で検査を受ける際の患者負担分の公費負担と、感染不安のある方への無料のPCR検査を再開すること。
(5)新型コロナなど感染症の対策として、病床の拡充、臨時の医療施設の増設、往診・訪問看護の体制強化など、臨時の医療体制を区としても整備すること。
(6)保健所の体制を強化し、臨時採用や他部署からの派遣などの緊急増員を確保しつつ、増やした職員を定員化するなど、正規の職員増をすすめること。
(7)介護施設等で患者が発生した場合には、隔離や転院など二次感染を防止する迅速な措置をとること。
(8)秋冬にむけ、インフルエンザと新型コロナの同時流行に備え、地域の身近な医療機関で、発熱患者などの相談・診療・検査を行う体制を整えること。新型コロナの影響で赤字経営など深刻な状況となっている医療機関を守るため、区として実態を把握し、損失補填を国に求め、区としても支援すること。
(9)コロナ感染後の後遺症の科学的な調査を実施するよう国に求めること。
(10)ワクチン接種に不安を持つ方が多くいる現状を踏まえ、適切にワクチン接種をすすめる観点からも、ワクチン接種後の後遺症や影響を調査するよう国に求めること。
(11)ワクチン接種は強制とせず、また未接種者への差別や偏見を生まないようすること。

2.国民健康保険の負担を軽減し改善をはかる
(1)国民健康保険の国庫負担割合を抜本的に引き上げ、医療保険財政の立て直しと保険料軽減を国に求めること。
(2)来年度の国保料は、法定外繰り入れを行わない場合の仮係数に基づく 1 人当たり金額の試算が今年度に比べ5.9%増の19万1496円という大幅な値上げになっているが、一般財源を投入することを含めて、国保料の負担軽減のためのあらゆる手立てを講じ、国民健康保険料を引き下げること。
(3)2018年度から実施された広域化の下で、区市町村とともに都が国民健康保険の運営主体となったことから、負担軽減のための財政支援をさらに拡大するよう都に求めること。
(4)子どもの数が多いほど負担が重くなる均等割の減免は、未就学児にとどまらずさらに拡充し、18歳までの子どもの均等割を減免するなどし、保険料軽減をはかること。区独自の上乗せ・横出し軽減策を実施すること。
(5)来年度の納付金、標準保険料率の算定にあたっては、経過も含め、すべての情報を区民、区議会に明らかにすること。
(6)70~74歳の医療の窓口負担を1割に戻すこと。
(7)国保料が高すぎて滞納者が増え続けている事態を打開するため、保険料の減免制度を拡充するとともに、保険料の引き下げをおこなうこと。
(8)国民健康保険料の滞納者に対する保険証の取り上げを止め、生活困窮者が医療を受けられない事態をなくすこと。延滞金の徴収を行わないこと。
(9)国に対し、保険者努力支援制度を使っての財政支援の増減策など、自治体への法定外繰入解消の強要や、医療費助成への全てのペナルティをやめるよう求めること。国保の構造的問題の解消に向け、均等割を廃止し、国保料を協会けんぽ並みに引き下げるための公費投入を行なうよう求めること。
(10)新型インフルエンザなど非常時の対応として、「資格証明書」の世帯に対し少なくとも1年間有効の「短期保険証」を発行し、重症化や感染拡大を防ぐよう努めること。
(11)滞納世帯への強権的な徴収強化や差し押さえはせず、生活再建を含め親身に対応すること。
(12)「紹介状なし」で大病院を受診する患者に対する追加負担を止めるよう国に求めること。
(13)出産一時金の増額にあたっては、出産費用の負担を課さない額に拡充するとともに、財源については後期高齢者医療保険料をはじめ国保など各医療保険の保険料引上げに跳ね返らないための財政措置を国に求めること。
(14)事業の休廃止や失業等により著しく収入が減少した時などに利用できる、「窓口負担の減免制度」の周知をはかること。
(15)病気で仕事を休んでも傷病手当が支給されていない、国民健康保険加入の小規模・家族経営商店などに傷病手当支給を実施すること。

3.年齢で差別する後期高齢者医療制度の改善をはかる
(1)75歳以上の高齢者だけを別立てにして差別医療に囲い込む後期高齢者医療制度を廃止し、年齢でも経済的にも地域的にも差別されない、国民全てが安心できる医療制度をつくるよう国に求めること。
(2)後期高齢者医療保険料は引き下げて負担軽減をはかり、年金からの特別徴収をやめ、納付制にすること。
(3)後期高齢者医療保険料の「特例軽減」の廃止による「7割減額」では、現在、「8・5割減額」の適用者の保険料は2倍に、年収が80万円以下の「9割減額」を受けている人の負担は3倍になることから、「特例軽減」を復活するよう国に求めること。
(4)後期高齢者医療保険料の収入の認定は、世帯単位ではなく個人単位とすること。
(5)区独自に後期高齢者医療保険料の負担軽減策をはかること。
(6)医療機関の窓口負担を軽減し、75歳以上の高齢者の医療費を無料化するよう国に求めること。
(7)区独自に75歳以上の窓口負担無料化を実施すること。

4.健康診査・がん検診などの充実をはかる
(1)病気の早期発見、早期治療のため健康診断の内容を継続させるとともに、健診項目や検診方法を拡充すること。
(2)乳がん検診は、現行のマンモグラフィ検診に加え、超音波検診(エコー)も選択できるようすること。
(3)肺がん検診は、現行の胸部X線検査に加え、CT検査も選択できるようにすること。
(4)公費によるがん検診をさらに拡充し、有料化はおこなわないこと。
(5)すい臓がんを新たに検診項目に加えること。
(6)健康診査やがん検診の受診率向上のため、受診申込み方法、検診期間などについて改善すること。
(7)骨密度測定を40歳以上の受診者が行えるようにすること。
(8)HIV感染対策について相談・検査に対応できるよう専門の保健師など職員の増員をはかること。
(9)HIV感染防止のため、万全の血液対策の確立をはかること。
(10)HIV感染者に対し、最高水準の医療と生活保障を講じること。
(11)緑内障の早期発見のため、視野検査や屈折検査、細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)、眼底撮影、前房隅角検査(ぜんぼうぐうかくけんさ)などを組み合わせ、区民健康診査に取り入れること。
(12)高齢者の検診に聴覚検査を実施し、難聴の早期発見に努めること。

5.病気の予防・早期発見で重症化を防ぐ
(1)小・中学生のインフルエンザワクチン接種費用の助成を行なうこと。
(2)新型インフルエンザに対する医療体制を強化し、適切な情報提供や広報を行うとともに、安全なワクチン接種体制の確立や、ワクチンの公費負担、予防や治療にかかる医療費の負担軽減をはかること。
(3)新型インフルエンザで重症化が予想される人への早期治療を行う体制を確立し、重症者のためのベッドや人工呼吸器などの準備をすすめること。
(4)一般の外来医療を担っている診療所などが新型インフルエンザに対応できるよう、区として資器材の支援など万全の支援体制をとること。
(5)65歳からの「高齢者のインフルエンザ等予防接種」の無料化を恒久的に実施すること。
(6)近年増加傾向の結核予防に力を注ぐこと。
(7)肺炎球菌感染症の定期予防接種を全額公費負担とすること。17年度に修了した任意予望接種費用助成を復活させ全額公費負担とすること。
(8)石綿健康被害救済法を抜本的に改正し、アスベスト使用を全面禁止するとともに、被害者の掘り起こし、製造企業の責任による基金創設など、被害者の救済と根絶の対応を、国に強く求めること。また、区独自に、救済・予防策を進めること。
(9)アスベストを吸い込んだ可能性のある建設労働者や退職者、区民などに対して、肺がんや中皮腫の早期発見のための検診、労災認定、補償を迅速化し、拡充することを国に強く求めること。あわせて、区の相談窓口で対応を行なうこと。
(10)区民の肺がん死亡患者については、レントゲン再読影をおこなうなど、原因の究明を行い、アスベストの影響がないか検証して、救済を広げること。

6.保健教育・メンタルヘルス対策を強化する
(1)子宮頸がんワクチン接種や性感染症、HIV感染対策として、小、中、高校生に「生と性」についての学習が深められるよう啓発活動をすすめること。
(2)小・中学校での性教育は、教育現場や保護者の声を尊重しながら柔軟に対応すること。
(3)子どもを含む区民の将来にわたっての健康を守るため、食育の一環として、遺伝子組み換え食物・食品添加物についての学習の場を提供し、啓蒙をはかること。
(4)自殺防止対策の強化を図るため、「こころといのちの相談・支援」窓口など設置すること。窓口にはゲートキーパーを配置し、保健師や関係部署と連携して対応できるよう中央区の自殺防止総合対策に取り組む体制をつくること。
(5)全職員がゲートキーパー研修を受け、日常的な業務のなかで区民の自殺の兆候をつかみ、迅速に対応できるようにすること。職員の業務を通じての経験をゲートキーパー研修に反映させること。
(6)「うつ病」患者の早期発見のため、臨床心理士のストレス相談や区内開業医・精神科医と協力した取り組みなどにとりくむこと。
(7)うつ病患者にアルコール依存症など飲酒状態に問題がある割合が高いことをふまえ、保健センターなどでの精神保健福祉相談時には飲酒の状況を必ず調べ、指導し、自殺リスク軽減をはかること。

7.受動喫煙を防止し、無煙化を進める
(1)保健所の重要な業務に「禁煙教育指導」を位置づけ、積極的に取り組むこと。
(2)中・高校生など、若年層にも広がっている飲酒、喫煙を防ぐため、教育機関とも連携をとって指導、PRにあたること。
(3)禁煙外来受診に対する助成制度の周知を強化して受診を促し、禁煙を推進すること。
(4)多数の者が利用する民間商業施設での無煙化促進をはかること。
(5)飲食店で禁煙にするとむしろ収益が上がるという調査結果などを積極的に周知し、無煙化を促進すること。
(6)ニコチンをはじめとした有害物質を出している加熱式たばこは、飲食のできる専用喫煙室の設置を容認する受動喫煙防止条例の例外規定をなくすよう都に要請し、飲食関係団体に協力を求めること。
(7)歩きたばこ・ポイ捨て禁止の徹底をはかり、区内全ての公園内の灰皿は撤去し、禁煙とすること。
(8)受動喫煙の被害を与えるたばこ販売店やコンビニ前での喫煙を規制すること。
(9)JTの責任で屋外喫煙所の設置やトレーラーハウス型喫煙車の設置、フリースモーキングエリアマップ無料喫煙所の案内などの施策とあわせ、喫煙者を喫煙所へ誘導する取組みをすすめること。

8.放射能から子どもと区民の命と健康を守る
(1)人類の生存と相いれない原発の「即時廃炉」を国に求めること。
(2)高濃度汚染水の漏れや地下水への浸透、海中への流出など、ますます深刻化する福島第1原発事故の現状を直視し、放射能から区民の命を守るために、全ての原発の再稼働中止・新規建設中止を国に求めること。
(3)国の「安全基準」にとらわれず、子どもの放射線被ばくゼロをめざすこと。
(4)原発の使用済み核燃(核のゴミ)の最終処分場について、巨額の交付金で最終処分場に応募させるという、自治体の財政難につけ入るやり方はやめ、政府の責任で、使用済み核燃料の処分についての研究・開発を進め、その結論がでるまで厳重な管理を行うよう、国に求めること。
(5)東京電力福島第1原発から出る放射性物質を含む汚染水(アルプス処理水)を海洋放出することはやめるよう、国に求めること。
(6)原発事故など放射性物質が放出されるような非常事態が起きた際、速やかに放射線測定が行えるよう区施設や学校などへの測定器配備など、緊急対応できる体制を日頃から整えておくこと。

9.動物との共生社会を実現する
(1)晴海の猫の臨時保護所は、ボランティアなどの声を聞きながら使い勝手のよい施設とするため絶えず見直しを行い運営すること。市街地再開発やマンション建設により保護猫が増えている現状をかんがみ、保護施設の増設・拡充をはかること。
(2)マンションなどでのひとり暮らし高齢者のペット保護や猫の多頭崩壊への支援をすすめ、譲渡会を拡充するなどの対策をとること。
(3)平成17年に、「中央区動物との共生推進員」制度ができた際、区が策定した「11項目の提言」を区HPにきちんと掲載し、提言の実現に努めること。
(4)自宅で保護猫の世話などをする「中央区動物との共生推進員」の負担軽減をはかるための支援策を講じること。

六、環境を守るまちづくりをすすめるために

1.地球温暖化・ヒートアイランド現象に歯止めをかける
(1)「環境行動計画2023」に基づいて「ゼロカーボンシティー中央区宣言」を達成する具体的な目標をたて、SDGs(持続可能な開発目標)実現のための推進策を着実に実施すること。
(2)ヒートアイランド現象を深刻化させる東京一極集中を抜本的に見直すこと。
(3)東京都が発表した臨海地域全体の巨大開発計画となる東京ベイまちづくり戦略は中止するよう求めること。築地まちづくりは大手開発事業者主導の計画を撤回し、あらためて住民、築地市場や場外関係者、専門家から広く意見を聞き、中央区の要望を踏まえた計画を、都の責任で作成するよう求めること。
(4)区内事業所とCO2削減協定を結ぶ制度をつくり、短期・中期の目標期限を定めて、区への報告義務などを盛り込むこと。
(5)CO2排出量を着実に減らしていくため、国の補助金なども最大限活用し、公共施設や市街地再開発事業でZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギービル)を強力にすすめること。
(6)消費エネルギー量削減によるZEB化推進のため、区施設、学校などに断熱材を設置すること。(7)区内の公共施設・民間事業所・家庭において、風力・太陽光発電など自然エネルギーの利用拡大の数値目標をたて、利用を促進すること。
(8)自然エネルギー機器、省エネルギー機器導入の助成額は、中央エコアクトの取組みを実施している事業者、一般の事業者ともに、2024年度以降も今年度の助成水準を維持すること。
(9)東京都の太陽光パネル義務化に伴い、薄型軽量パネルなどの実用化や断熱改修補助なども行い、太陽光パネル設置をすすめること。
(10)公共施設等の増改築・改修において、自然エネルギー設備を積極的に整備すること。
(11)地球温暖化の影響を把握するため、植物・昆虫などの生態変化を観測・調査すること。
(12)河川・雨水・地下水を活用した自動散水システムの促進をはかること。
(13)遮熱性舗装道路の普及をさらに進めること。
(14)家庭でのLED照明購入費助成や太陽光発電機購入費助成の増額など家庭への補助制度を拡充すること。

2.公園、緑地、川辺の整備・拡大をすすめる
(1)緑ゆたかなまちづくりをすすめるために、「花の都中央区宣言」にふさわしい「中央区みどりの条例」(仮称)を制定し、区の姿勢を明確にすること。
(2)街路樹や公園の樹木を保護育成し、公開空地の樹木の健全な育成を指導するなど、既存の大木を大切にし、樹冠被覆率を高めること。
(3)街路樹の「強剪定」は止め、保護育成に努めること。
(4)街路樹の植え替えは、専門家や周辺住民の理解と協力のもとで執行すること。
(5)区職員の樹木医資格の取得を推進し、その見地を樹木の保護・診断・治療に存分に活かせるよう努めること。
(6)区職員が現場に足を運び、緑と接する機会を増やし、緑への愛着と保護の大切さをより感じられるような職場環境づくりに努めること。
(7)電線共同溝整備の際にも、街路樹を伐採したり移植したりせず、その場で生かす方法を考えること。
(8)浜町公園に予定されている日本橋中学校仮校舎整備の際、公園の樹木の伐採は最小限にし、貴重な大木は伐採しないようにすること。
(9)区施設の壁面緑化を美しく保つよう、保守、点検に務めること。
(10)未利用地を区が借り受け、緑地として活用すること。
(11)公園を改修する際には、ジャブジャブ池の整備を検討すること。
(12)ポケットパークや遊具を置かないプレイパーク等を積極的に設置すること。
(13)子どもたちが裸足で走り回れる草原のような公園の整備をすすめること。
(14)浜町公園やスポーツセンター利用者向けの「バイク置場」が、適正に利用されるよう管理を行うこと。
(15)「中央区の森」事業は、檜原村等多摩地域の協力を得て、積極的な事業展開を図ること。
(16)「中央区の森」をはじめとした多摩産材の有効活用をはかるため、「ウッドスタート」「木のおもちゃの広場」「間伐材を使った作品コンクール」など「木育」をすすめる施策に取り組むこと。
(17)「中央区の森」の間伐材は、公園や遊歩道の柵、ガードレール、ベンチ、区施設内での建材など、幅広い活用をすすめること。
(18)公園や花壇に加え、街路樹などの樹木の保護や手入れを幅広く行う「緑のボランティア制度」(仮称)を制定し、緑のケアを住民や事業者が行えるしくみづくりをつくること。
(19)月島川の親水護岸は、不法係留船の整理をすすめること。
(20)月島川の浮遊物の処理・清掃など衛生上の対策をすすめるとともに、手洗い場を増設するなど、区民がもっと水に親しめるように再整備すること。
(21)日本橋地下化計画にともなう市街地再開発による超高層ビル建設は、日本橋川の日照を遮るため、計画は変更し、真の川辺の再生につながるような計画に見直すこと。
(21)公衆トイレのすべての個室に、緊急通報装置を設置すること。
(22)男性トイレにサニタリーボックスを設置すること。
(23)公衆トイレに子ども用の便座を取り付けること。

3.公害・大気汚染対策を強化する
(1)区役所別館に設置している環境測定室を、日本橋・月島出張所にも設置し、環境保全対策を強化すること。
(2)PM2・5(微小粒子状物質)の測定体制を区として整備すること。
(3)2010年7月6日におきた勝どき4丁目の「アンモニア流出事件」を教訓に、危険物が使用されてきた建築物の解体に当たっては、関係機関が協力しその安全性を確認し、住民への説明と合意を得て、実施すること。
(4)建築物のデータベース等も活用し、すべての建築物のアスベスト使用可能性の事前把握を行い、除去対策を指導すること。
(5)アスベスト使用建築物の解体工事時には現場立ち入り調査で監視し、対策指導を強化すること。
(6)「中央区建築物の解体工事の事前周知に関する指導要綱」が想定しているすべての解体工事の把握を確実なものとするため、事業者への強力な指導と区民などからの情報収集など区の監視体制をいっそう強化すること。
(7)携帯電話の基地局アンテナ設置については、事業者に対し、住民に対する十分な事前説明の実施及び区への情報提供を求めること。
(8)電磁波の健康被害の調査を国に求めること。

4.資源リサイクルをさらに推進する
(1)「中央区リサイクル都市づくりに関する条例」(仮称)を制定し、ごみの発生抑制・減量・リサイクル事業を総合的に推進して、焼却処理方式に依存しないゴミ処理システムを最終目標とした資源循環型社会への転換を目指すこと。
(2)ごみ焼却量を減らすため、「家庭生ごみ」の全量再資源化を目標にかかげ、計画的に取り組むこと。
(3)家庭ごみの有料化は行わないこと。
(4)コロナと物価高騰で苦しむ中小零細事業者に負担増となるごみ処理手数料の値上げは中止すること。 
(5)ごみ量全体の87%を占める事業系ごみ量の再利用率を高め、ごみの減量、リサイクルへの重点的な取り組みをすすめること。
(6)燃やすゴミの回収は、午前中に終了するようにすること。
(7)大量にごみを燃やすことを前提とするサーマルリサイクルは見直すこと。
(8)地域給湯システム導入は、「安定的な温水の供給のため」として、ごみ焼却量を増加させないように十分に対策をたてること。
(9)食品ロス削減に向けて、消費者への意識啓発を行うこと。

七、交通政策を歩行者中心に転換し、福祉のまちづくりをすすめるために

1.自動車中心の交通政策の転換をはかる
(1)トリトン前の晴海1丁目8番先と晴海3丁目1番先を結ぶ連絡通路だけでなく、地上部で渡れる横断歩道を早期に新設すること。
(2)日本橋上空の高速道路は、莫大な建設費のかかる「地下化」でなく、都心への自動車交通量の集中を抑制し「車社会」からの転換を図るため、高速道路を「撤去」すること。
(3)国・都と協力し交通需要マネジメントで自動車の総量規制を行い、自動車交通に過度に依存する交通体系をあらためること。
(4)低公害バスの優先・専用レーンの抜本的拡大をはかること。
(5)自動車交通量削減の具体策をつくるため、区内事業所・企業、住民代表が参加して、低公害車普及対策、事業所・企業ごとの自動車使用量削減対策などを具体的に協議し、目標を決め、その達成状況を定期的にチェックするための「自動車交通量削減対策協議会」(仮称)を設置すること。
(6)「交通安全実施計画」に、区内事業所に対する自動車使用量削減への協力を加えること。
(7)交通渋滞の著しい幹線道路のバスの運行を確保するため、バス専用レーンを延長すること。特に、勝どき2丁目交差点から銀座までの専用レーンの延長は、関係機関と協議し早期に実現をはかること。
(8)自動2輪用の駐車場は、稼働率の低い民間もふくめ目標と計画を持って整備・拡大すること。
(9)晴海~築地間の首都高晴海線の都市計画は廃止するよう、都および国に申し入れること。
(10)交通事故をなくすため、自動車に優先権を与えない「ボンエルフ」の理念を中心にすえて、生活道路は、「ハンプ」や「ジグザグ型道路」による道路構造の改良を行うこと。
(11)歩行者の多い交差点は、「歩車分離方式」をさらにすすめ、勝どき駅前交差点、水天宮交差点など、スクランブル交差点にするよう、関係機関と協議し、実施すること。
(12)ゆとりシグナル設置を拡充すること。
(13)自動車振動による被害を防ぐため、現在の監視対象道路の実態を精査し、調査地点拡大と低騒音舗装を進めること。
(14)共同配送・集配システムは、商業地区での荷捌き対策、輸送・配達効率、交通渋滞緩和、自動車交通量削減などを具体的に検討し、実施すること。
(15)交通量、交通事故の削減と公害対策のため、民間会社が行っている「カーシェアリング」の実施状況を検証し、区としても普及に努力すること。特に車両が集中するタワー型ビルでの実施を促し、自動車交通量の削減を図ること。
(16)春・秋実施される「交通安全運動」などに、広く区民やドライバーから、区内交通危険箇所を通報してもらえるよう、広聴はがきや電話、インターネットなどで情報を収集して「ヒヤリマップ」を作成すること。その際死亡事故など重大交通事故発生個所も掲載し、交通安全対策に積極的に活かすこと。
(17)PTAが調査している「学校周辺危険箇所マップ」で示されている、車両の飛び出しなど通行上、危険な場所について、警察等と協議し改善をはかること。
(18)「白タク解禁」をやめるよう国に求めること。
(19)東京BRTの本格実施に向け、虎ノ門ヒルズ発着だけでなく、銀座・東京駅ルートも早期に実施するよう働きかけること。
(20)民間マンションの空いている駐車場に荷捌き車両を誘導するなどし、路上駐車を減らすこと。そのために必要な法改正を国に求めること。

2.「江戸バス」の利便性をたかめる
(1)「江戸バス」の運行は、運行路線を周知し、利用者の拡大に努力すること。また運行表には、最寄りの地下鉄やJR、民間が運行している「メトロリンク」等、他の交通機関との接続の案内を表示すること。
(2)バス停、運行経路など、区民の要望を常に掌握し、改善をはかること。
(3)南北縦断ルートを早期に実現すること。
(4)エコバス・電気バスの導入を進めること。
(5)コミュニティバスはもともと不採算事業だという特性を踏まえ、国、都に対し、車両購入費や運行費補助の拡充を求めること。
(6)江戸バスの運転手確保のための処遇改善や育成に力を注ぐこと。

3.自転車を重要な都市交通手段として位置づける
(1)自転車を重要な都市交通手段として位置づけ、総合的対策を行なうこと。
(2)国道、都道に自転車専用レーンを計画的にすすめるよう求めること。
(3)区道に自転車走行空間を整備すること。
(4)自転車用ヘルメット購入費補助は、再度の購入も対象にするなど拡充すること。
(5)車道を走行する自転車の安全を確保するため、路上パーキングの撤去について地元と協議し警察に求めること。
(6)大型商業店舗の事業者に対して、駐輪場の設置・拡大を求めること。
(7)市街地再開発事業で建てられたマンションでは、住民だけでなく訪問者用の駐輪スペースも整備することを事業者に義務付けること。
(8)区営駐輪場は無料に戻すこと。
(9)大規模集合住宅や事業所へのサイクルシェアリングの導入拡大をはかること。
(10)子どもたちの安全を守るため、区内の保育園、学校など、特に子供たちの利用が多い施設周辺の危険度チェックを行い、自転車対策を強化すること。
(11)コミュニティサイクルの事故防止に努めること。
(12)電動キックボードの事故を防ぐため、ヘルメットの着用や安全走行に向けた規制を強化すること。

4.バリアフリー・福祉のまちづくりをすすめる
(1)交通バリアフリー法にもとづき、区内各駅に、地上までの上下双方向のエスカレーターやエレベーターを設置するよう、区が把握している周辺開発計画をふまえ事業者への指導を強めること。JR馬喰町駅、銀座1丁目駅改札階から地上階への出入口、日比谷線人形町駅の勾配が急な水天宮側出入口、月島駅1・2・3番出入口を早期に改善するよう、JR東日本、都交通局、東京メトロに求めること。
(2)地下鉄出入口階段は、特に下りの1段目が危険なので、手すりの総点検を行い、改良するよう地下鉄事業者に求めること。
(3)地下鉄のホームドア設置を全駅に早急にすすめるよう申し入れること
(4)地下鉄月島駅構内の強風の緩和対策を早急に行うよう東京メトロに申し入れること。
(5)人口増加に伴う都バスの利用状況を調査し都交通局に増発を申し入れること。
(6)「中央区福祉のまちづくり実施方針」にもとづく公共施設のバリアフリー化や関連施策の総合的とりくみの実施状況を定期的に点検し、区民に公表すること。
(7)高齢者などが、散歩や買い物の途中でひと息入れられる椅子やベンチなどをきめ細かく設置すること。
(8)都バスの停留所に屋根やベンチを設置するよう都交通局に求めること。

八、「ポストコロナ」の100年先を見据えた「まちづくり」をすすめるために

1.市街地再開発事業等の大規模開発計画を抜本的に見直す
(1)狭隘な地域に過度の人口集中を呼び込むタワーマンション建設がおよぼす影響を、日影、CO2、風環境などの「環境影響評価書」とは異なる視点で、人口集中によるインフラ不足などの社会的影響について区独自に評価・検証すること。
(2)市街地再開発において、災害時のリスクを検証するしくみをつくること。
(3)現在進行中の32件(2023年10月現在)の市街地再開発事業等の大規模開発計画は、抜本的に見直すこと。
(4)「中央区まちづくり基本条例」第6条「区民の責務」を削除すること。
(5)「中央区まちづくり基本条例」を改訂し、再開発事業者に、計画当初の段階から情報を公開させること。
(6)市街地再開発事業計画の初動段階における「公聴会」を義務付けること。
(7)住民や関係者の意見を再開発事業の初期の段階から反映させること。
(8)「まちづくり勉強会」以前の段階で、地権者と周辺住民、専門家などを対象にした「ワークショップ」などまちづくりについて意見交換する場を数多く設定すること。
(9)市街地再開発事業等の仕組みにおける地権者のメリット・デメリットや、参加組合員となるデベロッパーの役割と企業利益のあげ方など事業の組み立てについて正確に説明すること。
(10)区は、「勉強会」や「検討会」で、地権者所有の土地が共有化されることやマンションでの共益費や修繕積立金などの負担が生じることなどについて、詳細な説明を行うこと。
(11)再開発事業に伴う区道の廃止はやめ、路地空間の魅力を守り、日照、通風を大切にするまちづくりをすすめること。
(12)代替地、工事期間中の仮住居、仮店舗など、地権者や借家人の希望を叶えるため、区は住民の立場で再開発組合への指導、調整の役割を積極的に果たすこと。
(13)超高層ビルの風害対策は、実効性のない植栽ですますのではなく、より効果的な解決策を講じること。
(14)「日本橋」首都高地下化や都心環状線整備をてこに様々な大規模再開発を連動させないこと。
(15)新京橋連結路整備では、道路線形を見直し、立ち退く住民が生まれないようすること。
(16)東京都がすすめる築地市場跡地開発、東京ベイeSGまちづくり戦略など、東京一極集中を加速させ、「稼ぐ都市(まち)」をつくろうとする大開発の見直しを求めること。

2.住民参加による地域資源である街の歴史や文化を生かした「まちづくり」をすすめる
(1)低層の住宅地がもっている日照・通風の良好さや路地を活かした景観を再評価し、安定した日常生活圏の居住環境を保全するとともに、地区計画で詳細化をすすめること。
(2)「月島ルール」による路地を生かしたまちづくりについて、小街区ごとに住民参加で協議の場をつくること。その際、民間の協力も得て具体的なプランづくりを支援すること。
(3)区が、「まちづくりリーダー」を育成し、住民、専門家、行政などとの「ワークショップ」の場を設定すること。
(4)住民参加による中低層のまちづくりを実現させるために、都市整備部に専門スタッフを配置すること。
(5)まちづくり協議会は、住民の生きた声が反映できるよう、委員構成や運営等の見直しをおこなうこと。
(6)木造建築およびリフォーム・リノベーションにおける様々な最新の手法を研究し、中低層のまちづくりに活かすこと。
(7)住民参加の「まちづくり」として「共同出資型」や「コーポラティブ方式」による再開発を支援すること。
(8)狭い敷地における共同建て替えをすすめるために、千代田区で実施している「建築物共同化整備促進事業(ミニ優良)」と同様の制度を中央区でも導入すること。
(9)路地裏にある再建築不可の住宅に住む住民の要望等を聞き取るとともに、安心して住み続けられるための施策を展開すること。
(10)既存中小ビルに、地域の特性に見合った住宅・商店を併設するなど、さまざまな魅力ある中小ビルに改修する再生活用を支援すること。
(11)「SOHO」事業の推進を図ること。
(12)2004年に制定された景観法の理念をまちづくりに活かすこと。そのために、早期に「中央区景観まちづくり条例」(仮称)を制定するとともに、「景観まちづくり審議会」(仮称)を設置し、積極的に景観の保全・形成をすすめること。
(13)2015年に「危機に瀕している世界のモニュメントリスト」としてWMF(ワールドモニュメント財団)に認定された築地地域の建物を保存できるよう支援し、地域資源として町並みをいかすこと。
(14)建設現場の角地での接触事故や衝突事故を防ぐため、見通しを良くするための透明コーナー仮囲い設置を指導要綱で徹底すること。
(15)「銀座ルール」における大規模開発での高さ制限を緩和する特例は、「文化等の維持継承に寄与する」という要件を厳格に適用し、特区による開発が「銀座ルール」の理念に反しないよう厳格な指導を行なうこと。

3.住み続けられる住宅対策をすすめる
(1)市街地再開発を行う際には、その中で低家賃住宅を整備することを付置義務とすること。
(2)区の借り上げ住宅を増やし、高齢者や低所得者・中所得者が負担可能な家賃設定とすること。
(3)空室が多いまちづくり支援用施設は、生活困窮世帯などにも貸し出すなどし、活用拡大をはかること。
(4)低家賃で良質の民間賃貸住宅の供給対策を強化すること。
(5)「中央区マンション管理条例」に基づく区民への援助を強化すること。
(6)「マンション管理の適正化の推進に関する法律」と「マンション管理適正化指針」及び「マンション標準管理規約」をマンション住民に知らせる実効ある方法を講ずること。
(7)2023年7月に策定された「マンション管理適正化推進計画」に基づき、管理不全と判断したマンションには、実効力のある助言や指導勧告を積極的に行なうこと。
(8)マンションの実態調査を早急に行い、実態把握に努め、支援策にいかすこと。
(9)マンション管理士の資格を有する人材を配置し、情報・資料を提供し、「相談窓口」のいっそうの充実を図ること。
(10)マンションの変電施設の使用料を東京電力が管理組合に支払うよう指導すること。
(11)マンション住民と町会の関係がスムーズになるよう区の役割を明確にすること。
(12)UR賃貸住宅の近傍同種家賃制度を改め、応能負担制度にするよう、国やURに申し入れること。
(13)集会室、ゴミ置き場、遊び場など、公共性の高い施設の固定資産税の減免をおこなうよう国に申し入れること。
(14)高齢者や低所得者・中所得者の民間賃貸住宅への住み替えに対する「家賃助成制度」を創設すること。
(15)今後、「セーフティーネット住宅」に移行する「高齢者向け優良賃貸住宅」を拡充するため、区HPなどを活用した積極的な広報や謝礼金支給など、募集する事業者が増える取組みを行うこと。
(16)区民が住宅リフォームや改修工事を区内業者で施工する場合、工事費の一部を補助する「住宅リフォーム制度」を創設し、区内業者の仕事づくりを支援すること。
(17)区民住宅管理への指定管理者制度導入は止めること。
(18)「改正・住宅セーフティーネット法」(17年施行)にもとづき、高齢者、低所得者、障害者、ひとり親等の住宅の確保に困窮する者(住宅確保要配慮者)を対象にした、空き家・空き室の活用をはかること。
(19)住宅確保要配慮者が安定的な居住を確保できるようにするため、「家主・不動産事業者」と「居住者・生活支援団体」「自治体」の三者による「居住支援協議会(仮称)」を設置すること。

九、子どもたちの豊かな成長を保障する教育と、区民のための文化・スポーツの発展のために

1.侵略戦争肯定の教育や「日の丸・君が代」の強制をやめさせる
(1)自国中心のナショナリズムと国益のための「人づくり」をねらう「教育改革」を許さず、子どもの学ぶ権利を保障し、一人ひとりの「人格の完成」をめざす教育を行えるよう、教育環境の整備をはかること。
(2)憲法に反した「愛国心の強制」「教育への無制限の権力介入」などの不当な支配を教育現場に持ち込まないこと。
(3)憲法、子どもの権利条約を基本に、学習の権利が保障された「子どもが主人公」の学校づくりをすすめること。
(4)学校の教育活動は、行事の企画・運営をふくめ、子どもの「意見表明権」を最大限尊重し、子どもたちが主体的に「参加」する権利を保障すること。
(5)国連子どもの権利委員会が、日本政府に提出した日本の子どもの現状についての提案・勧告の内容をふまえ、「高度に競争的な教育制度」をあらためること。
(6)「日の丸」「君が代」の強制は、教育現場に混乱を持ち込み、内心の自由をふみにじるものであり、学校教育への押しつけはやめること。
(7)軍事博物館である靖国神社の「遊就館」の宣伝ポスターやビラが学校へ送付された場合、教育委員会として、中止を求め、返送するなど、毅然とした態度をとること。
(8)「幼児教育指針」改定をうけ、子どもたちに「あるべき姿」を押し付けるような教育は止めること。
(9)道徳教育の教科化実施に伴い、「規範意識」や「愛国心」など、児童・生徒に特定の道徳観を押しつけないこと。
(10)国に対して道徳の教科化の廃止を求めること。

2.教育委員会の民主的運営を推進する
(1)教育現場で求められている自発的で対等に支え合う関係を壊すことにつながる「統括校長」「主任教諭」などの職務職階制度の中止を、国及び都に対し求めること。
(2)首長が直接任命する教育長を教育委員会のトップにすえ、首長による教育内容への政治介入を可能とする教育委員会制度のもとでも、教育委員会は教育の自主性・自立性を守り、政治的中立性確保に努めること。
(3)教育長は合議体としての教育委員会の意思決定に基づき事務を執行すること。
(4)教育委員は一党一派に偏することなく、選考過程について透明性を高め、憲法を厳守する人を選任すること。
(5)教育委員の公選制の復活をめざし、当面、区民から推薦を受けて選考する制度をつくるなど区民に開かれた選考方法を取り入れること。
(6)教育委員会の運営は、事務局主導でなく、教育委員の自主性を尊重すること。
(7)教育委員会が傍聴出来ることを区民に周知すること。
(8)児童・生徒、保護者、住民、教職員の要求をふまえた、教育を進めるため「まちかど教育委員会」の充実を図ること。

3.ゆたかな人間形成とたしかな基礎学力を保証する
(1)ICT教育におけるタブレットは、どう使うかは個々の教員にゆだね、豊かな学びを阻害する一律の使用方法などの徹底などは行わないこと。
(2)タブレット利用で、練習問題の結果や日々の生活などが「学習ログ」としてクラウド上に蓄積され、子どもの個人情報が教育産業に流出することを防ぐ有効な手立てをとること。
(3)ICT教育では、その積極的な面とともに、近視やネット依存症などの健康被害や発達への影響の研究と対策を重視すること。
(4)ICT支援員を拡充すること。
(5)すべての子どもがゆたかな人間形成の基礎となる学力、体力、情操、民主的市民道徳を、確実に身に付けられる教育を基本に置くこと。
(6)子どもの発育状況や通学環境に合わせ、ランドセルを軽量化する指導を早急に取り組むこと。
(7)幼稚園の学級定数は、4、5歳児は20人、3歳児は15人以下とすること。
(8)幼稚園教諭は非常勤待遇ではなく、正規教諭として配置すること。
(9)習熟度別学習は、子どもの発達段階にそくした系統的なものにするとともに、真に基礎、基本的な事項については、十分な授業時間をとって、すべての子どもがわかるまで教えられるようにすること。
(10)全国一斉学力テストは抽出調査で十分であり、実施しないよう国に求めること。
(11)全国学力テストの結果は公表しないこと。
(12)国、都、区がそれぞれ行っている学力テストは、子どもたちや教師にも負担になっており見直しを行なうこと。
(13)テストによって競争に追い立て、ふるい分けする教育の是正をはかること。
(14)教育や部活動の現場に、過度な競争主義や勝利至上主義を待ちこまないこと。
(15)こと細かく定められ説明もつかない「不適切・不合理な校則(ブラック校則)」により、子どもたちの人権が奪われることのないようすること。校則をホームページ上で公開すること。
(16)LGBTなど性的マイノリティーへの偏見が、いじめの要因となっていないか検証すること。
(17)生徒や児童どうしが学校生活の中で仲良く暮らせるよう、LGBTなど性的マイノリティーの正しい知識と個性を尊重する意識を育むよう教育をすすめること。
(18)弁護士会などの協力を得て、憲法や子どもの権利条約にもとづく人権教育を各学校で行えるよう、区として財政支援を行うこと。
(19)子どもの年齢・発達に即した、科学的な「包括的性教育」を公教育に導入すること。性教育授業への医師などの外部講師を活用すること。
(20)児童生徒が性別に係わらず、自由に標準服・体操着などを選択できるようすること。
(21)中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J:イーサットジェー)を高校入試に使うことは中止するよう都に求めること。

4.教員の働き方を改善し、教員が安心して誇りをもって働ける教育をすすめる
(1)年度初めからの教員欠員という事態をうまないのはもちろん、年度途中で代替教員が見つからず教員未配置となることをなくすよう都に求めること。区としても独自に非常勤講師の採用をすすめるなど教育課程に支障がないようにすること。
(2)国に対し、教員定数基準を見直し、教員増となる抜本的な対策を講じるよう求めること。山梨県で取り組んでいる貸与型奨学金を免除する制度を設けるなど、教員確保策を強力に推進するよう東京都に求めること。
(3)教職員が多忙、過労、競争、成績主義から解放され、心身共に健康で、仲間の教職員と協力して教育に専念できるよう教育条件・勤務条件を整えること。
(4)公立教員給与特例法は長時間労働の温床となっており、教育労働の特性に考慮した残業代支給の法制度にかえ、残業代を支給するよう国に求めること。当面、現在の教員が9,000億円(一人当たり年180万円)に相当する残業を行っていることを考慮し、正規・非正規ともに給与・手当を改善するよう求めること。
(5)23区中13区で配置されている学校内でのいじめや不登校、学校と保護者のトラブルなどの問題に弁護士の立場であたるスクールロイヤーを配置し、教員の負担軽減をはかること。
(6)教員の負担軽減のため、区独自に英語専科教員を22学級以下の全小学校にも区独自に配置すること。
(7)成績を評定し給与に差をつける教員の人事考課制度を中止すること。
(8)指導教員の負担が大きいメンタティーチャー制度は見直し、日々の授業の実践のなかで教員の授業力向上をはかること。
(9)区独自に実施している、教員免許所有者を配置する「学習指導補助員」や、土曜補習などの学習補助者の勤務時間、待遇を改善すること。
(10)安心して学び生活できる学校にするために、小中学校の事務、用務、警備等の学校職員を増員すること。
(11)教員が付き添わなくても部活動ができるよう、外部指導員体制の充実をはかり、財政面で支援を行うこと。
(12)小学校長による兼任園長の制度をあらため、すべての幼稚園に、専任の園長を配置すること。

5.保護者の教育費負担の軽減をすすめる
(1)「義務教育は無償」の原則に立って、教材・教具などは区費で賄い、保護者負担解消をはかること。
(2)教科活動費及び修学旅行・遠足などの保護者負担の解消に向けて、当面区補助の増額を行い、保護者負担を軽減すること。
(3)公立高校授業料無償化への所得制限導入の中止や私立高校の無償化の実施、大学の学費軽減を早急に実現するよう国に求めること。
(4)「受験生チャレンジ支援貸付事業」の普及・利用促進に努力すること。
(5)返済不要の給付型奨学金の拡充や生活保護母子加算と児童扶養手当の拡充、就学援助対象者の収入基準引上げと支給額の増額を国に求めること。
(6)区独自に返済不要の奨学金制度を実施すること。
(7)就学援助の準要保護の基準については、現行の生活保護基準の1.2倍を引き上げ、対象者を拡大すること。
(8)就学援助制度は、生活保護引き下げの影響がでないよう改善するとともに、就学援助世帯への標準服補助を増額すること。
(9)就学援助制度は、希望する該当者が気がねなく申請・受給できるように、提出書類の表現に十分配慮すること。
(10)学校・幼稚園の周年記念行事は、「主人公は園児・児童・生徒」であることを明確にし、必要な費用は公費とし、祝賀会は簡素にして地域住民・保護者の負担を軽減するよう、指導を強めること。
(11)全ての小中学校新入生に、標準服の補助や共通買物券による入学祝品などで、保護者負担を軽減すること。
(12)学校標準服のリユースを促進すること。
(13)標準服は製造や販売ルート等の検証をおこない、高額とならないようにすること。
(14)標準服着用は義務でないことを幅広く周知すること。
(15)標準服の新たな制定、また継続についても学校長が先行するのでなく、児童・生徒、保護者の合意のもとで決定すること。
(16)「生理の貧困」をなくすため、生理用品を必要に応じて学校側が子どもに提供できるようにすること。

6.教育環境を守り、安全でゆとりのある学校教育をすすめる
(1)特認校制度は、小学校自由選択に道を開き、公平であるべき公立小学校の中で特色を競い合い、格差を助長するため見直すこと。
(2)特認校に通うスクールバスに補助員を配置し、車内における児童の安全性を高めること。
(3)中学校の「自由選択制」は、学校間格差が広がり、地域と学校が育んできた教育環境を壊すことにつながるので再検討すること。
(4)学校建物の改修・改築を各校からの要望によって計画的にすすめ、エレベーター設置などの障害児・者に対するバリアフリー化を行うこと。
(5)宇佐美学園は、健康学園としてその活用が十分にはかられるように、廃止せず、積極的な児童受け入れをすすめ、維持発展をさらにはかること。そのために、区民へのPRも強化すること。
(6)学校周辺の大気汚染・騒音などの公害による影響・実態を把握すること。
(7)学校の保健室は、医師、カウンセラーなどの専門家と連携して、子どもの心身を支える役割を果たせるよう充実させ、大規模校での養護教諭の複数配置や幼稚園への保健室の設置と養護教諭の配置をすすめること。
(8)国に対して30人学級編成の一日も早い実現を求めること。
(9)35人学級を早急に全学年に拡大すること。
(10)中学校での武道必修においては、生徒への強制はおこなわず、指導者に医学知識も身につけた専門家を配置するなど安全には充分留意すること。
(11)組み体操は、安全第一の立場で検証すること。
(12)放課後の居場所「プレディ」を「プレディプラス」に移行する際、ボランティアの協力に依存することなく、財政面でも職員配置でも、区が責任を持っておこなうこと。
(13)不審者などから身を守る方法の周知や、NPOの協力を得て実践的な講習を実施するなど、安全対策を強化すること。
(14)ネット犯罪から子どもを守るため、インターネットやSNSの適切な使用法の周知・学習に力を注ぐこと。
(15)晴海5丁目と晴海4丁目に整備予定の小学校について、「晴海西小学校本校舎(第4学年~第6学年)」と「晴海西小学校第二校舎(第1学年~第3学年)」で学年によって分ける計画は、幅広い角度から再検討し、拙速に計画をすすめないこと。
(16)日本橋中学校の改築計画は、生徒や教職員、保護者の意見を取り入れ、仮校舎を建設する浜町公園の利用を含め、地域の理解と協力を得てすすめること。
(17)校則は子どもの人権にかかわる性格を有するものであり、各学校で教職員・子ども・保護者が話し合ってすすめることを大切にすること。

7.学校図書館を充実させる
(1)学校図書館の活用を活性化するため、小中学校全校へ「司書教諭」でなく専任の「司書」の配置をはかること。
(2)学校図書館指導員などの専門家との協力や児童・生徒の要望を活かし、蔵書数、図書館の面積の充実を図り、学校教育での図書館本来の機能を発揮させること。
(3)学校図書館指導員の待遇を改善すること。

8.安全な学校給食を実施する
(1)「義務教育は無償」を定めた憲法26条にそくして、小中学校の給食費の無償化を継続すること。
(2)新年度からの幼稚園の弁当給食は、安全でおいしいものを安定的に提供できるよう工夫すること。
(3)都立特別支援学校に通う児童生徒とともに、私立・国立、また不登校の子どもも含め、小中学生がいる世帯に対し、給食費相当額を支給すること。
(4)食育の観点から、各校に栄養教諭の配置をめざすこと。
(5)給食食材の放射能汚染について、区として定期的な調査を行うとともに結果を公表し、児童・保護者の不安を払拭すること。
(6)放射性物質の蓄積が心配される魚介類について、慎重に検査すること。
(7)安全性に問題がある遺伝子組み換え食品や輸入食品は使用しないこと。
(8)O-157対策などに万全を期し、安易な外国輸入食品の使用は行なわず、食品添加物、残留農薬などのない国内産の安全な食品・農産物を使用するよう極力努力し、学校給食の安全性をいっそう高めること。
(9)米飯給食をふやすこと。
(10)学校給食での食物アレルギー対策のための人員配置、施設の改善を進めること。
(11)給食食材の各校単独仕入れによって食材費が割高になり、献立に影響が出ることがないよう改善すること。
(12)現場の裁量権を保障し、安全で、美味しく、バリエーションに富んだ給食を提供できるようにすること。その際、地元の複数の商店からバランスよく仕入するなど、地域経済の活性化にも寄与するよう心掛けること。

9.障害児教育を充実させる
(1)障害児の安全な通学のためにスクールバスの運行を実施すること。
(2)放課後等デイサービス事業者が学校間との送迎を行わない場合には、区として送迎車を運行すること。
(3)通学の交通費の補助や、一人ひとりの状況に応じて小学4年生以上も通学支援ヘルパーの利用ができるようにし、保護者負担の軽減をはかること。
(4)特別支援教育は、障害に伴う困難に応じて、それを軽くする訓練や教育を受け、豊かな人間的発達を遂げられるよう学習活動をすすめること。
(5)心身に障害のある児童生徒が学ぶ特別支援学級は、2025年に月島第三小学校、2028年に日本橋小学校に開設予定となったが、児童数の増加をみすえ、早期に開設するよう準備をすすめること。
(6)発達障害や情緒障害の児童生徒の特別支援教室について、都のガイドラインで指導期間を原則1年、教員配置を10人に1人から12人に1人へ切り下げる都の方針の撤回を求め、継続して特別支援教室に通える支援が受けられる体制をつくること。
(7)特別支援教育専門員の増員を都に求めるとともに、補佐員を増員し、一人ひとりにゆきとどいた教育を行うこと。
(8)放課後等デイサービスとの連携をはかること。
(9)「ことばときこえの教室」は、児童や保護者の意見を取り入れながら、支援に力を注ぐこと。必要に応じて速やかに教員を加配すること。
(10)プレディへの障害児の受け入れを進め、必要に応じ専門職員を配置すること。
(11)教室不足になってきている知的障害がある児童・生徒の特別支援学級の増設を急ぐこと。
(12)子どものうつ病の早期発見や治療に結びつける系統的な支援をおこなうこと。

10.いじめの解消や不登校の問題を解決する
(1)いじめ、荒れ、非行や暴力の問題は、安易に警察に頼ることなく、関係機関と適切に連携しながら、教職員、生徒会、PTAなどの集団的な英知で真剣に対応し、解決に力を尽くすこと。
(2)「中央区いじめ防止基本条例」に基づき、教育委員会及び各学校は、未然防止・早期発見・早期対応ができるよう研修など具体的な取り組みを実施すること。
(3)いじめ問題対策連絡協議会は、いじめの実態に即した具体的な解決策や取り組みを講じられるよう努力すること。
(4)生徒に対する教師の体罰、言葉や態度で相手を傷つける行為、学校や教師に対する暴力、生徒間の暴力もふくめ、学校内外のいかなる口実による暴力も許さない原則的態度を、すべての学校、教育関係者、教育行政機関において確立すること。
(5)スクールカウンセラーの増員を都に求め、またスクールソーシャルワーカーは区として増員し、相談体制の強化をはかること。
(6)不登校の児童・生徒の問題に積極的に対処するため、個々の状況に応じたきめ細かな対応と、カウンセリング機能の充実、適応教室の十分な体制づくり、中学校での別室指導(23年10月から2校、24年4月から全4校で開設)の充実をすすめること。
(7)不登校の児童、生徒とその保護者に「登校だけを目標にしない」という文科省の基本指針をふまえた丁寧な対応や、情報提供を行なうこと。民間の支援機関の情報や親の会などの情報も提供して、当事者や保護者を孤立させない支援を行なうこと。
(8)適応教室「わくわく21」は、不登校の児童・生徒が通う意欲を引き出すもとのなるよう工夫を凝らすこと。
(9)授業に出られない児童・生徒の学習権を保障すること。
(10)学校と児童館、学童保育、図書館などとの連携をはかり、不登校の児童・生徒などの居場所づくりを援助すること。
(10)フリースクールに通う子どもがいる世帯への財政支援を行なうこと。
(11)障害児だけでなく、不登校児、在日外国人の子どもなど、きめ細やかな支援を必要とする子どもたちに、十分な予算をつけ、他の子どもたちと同じように活動できる配慮をおこなうこと。

11.スポーツ・文化振興を強化する
(1)社会教育の分野に「愛国心」の強要などを持ち込まず、社会教育の自由で自主的な活動を保障すること。
(2)社会教育活動のいっそうの発展のために、社会教育会館やブーケ21の登録団体の利用料を無料に戻すこと。
(3)社会教育会館の利用者がふえ、希望する日に会場が確保できない状況からも、特別教室など学校施設の開放を進めること。
(4)学校の音楽教室など、合唱や楽器の練習とともに演奏発表のできる施設の社会教育利用を拡大すること。
(5)「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利である」とうたったスポーツ基本法に基づき、スポーツ施策の拡充がはかられるようすること。
(6)すべての区民がスポーツを通じ、相手への敬意や人権の尊重という意識を育めるようすること。
(7)スポーツの現場に居座る体罰やしごき、指導者への絶対服従などの誤った指導を根絶するための啓発を、教員や部活動外部指導員などに行うこと。
(8)区内の小・中学校の運動場、体育館、プール、テニスコートなどの体育施設の区民および在勤者への開放をよりいっそう積極的に進めること。
(9)月島・浜町運動場の未使用時に、保育園や小中学校、区民などへの無料開放の拡大をはかること。
(10)区立プールや総合スポーツセンターなどで年間パスポートを発行し、利用者の利便を図ること。
(11)浜町スポーツセンターの主競技場で、指定管理者制度導入前には行えた裸足ランニングのトレーニングができるようにすること。
(12)小学校の温水プールは一般開放時間の拡大をはかること。月島第三小学校については、個人利用もできるようすること。
(13)隅田川テラス、スーパー堤防、晴海などの街路に距離標識を設置するなど、ウォーキングやランニングコースとしての整備をすすめること。
(14)増加する子ども数に対応するため、区立プールや総合スポーツセンターでの子ども向け水泳教室を拡充すること。
(15)教育委員会事務局副参事として採用予定の任期付職員(課長職)は、正規職員としての採用に改めること。また、歴史や文化、観光資源等への造詣を深め観光や生涯学習などに生かせるスキルを持つ職員を育成することに力を注ぐこと。

12.文化の発展に寄与する図書館を運営する
(1)京橋図書館、「本の森ちゅうおう」、月島図書館、日本橋図書館、晴海図書館(2024年7月開設)への指定管理者制度導入はやめ、直営にも戻すこと。
(2)「本の森ちゅうおう」は、中央区の基幹図書館として、蔵書や資料を充実させ、利用しやすく、生涯学習センター的役割がはたせる施設とすること。
(3)「本の森ちゅうおう」は、図書館司書の専門性を生かした意見を十分に取り入れ、中央図書館として内容の充実を図ること。
(4)図書館司書は正規雇用とし、知識・経験の蓄積をはかれるよう指定管理者を指導すること。
(5)図書館の窓口は直営に戻すこと。
(6)視力障害者のための点字図書、テープを増やすこと。
(7)利用度の高い図書、CD等については購入点数を増やし、DVDを購入するなどサービスを充実すること。
(8)点字図書やテープの宅配サービスと対面朗読サービスをセットして、視覚障害者が情報に接する機会を増やすこと。
(9)図書整備費の削減をやめ、購入費を増額し、蔵書を増やすこと。
(10)中央区の戦災、戦争被害、学童疎開などに関する資料の収集・保存・公開などを引き続き行ない、郷土の歴史に根ざした平和教育を進めること。
(11)地域住民が参加する図書館協議会を設置すること。

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